4話 ロリ少女は神様らしい
「くそ、何も景色変わらねえな」
歩き始めてどれくらい時間が経っただろうか。先ほどから、歩いても歩いても、延々と続く青空と水面だけで、進んでいる気がしない。太陽さえないのだ。時間の感覚も方向の感覚も狂っている気がする。
「どれくらい歩い───は!?」
腕時計に目をやった俺は、驚愕した。なんと分針が全く動いていないのだ。轢かれたときに壊れたか?先ほど持ち物を調べたときに確認するべきだった。俺は今更ながら後悔する。だが、おそらく先ほどの位置から見えている水平線あたりに来ているはず。もし俺がまっすぐ歩くことができているならの話だがな。大体俺の身長が175㎝だから歩幅は80㎝弱。歩数を数えてどれくらいの距離を歩いたか計算すれば、大体の距離は分かる。まあ、人の歩くスピードは時速4㎞と言われているから、すでに一時間以上歩いているはずだ。
「けど、まじで何もねえ!」
俺はいら立ちに任せ叫ぶ。いったいこの空間は何なのか?そもそも現実なのか?幻等ではないのか?というか、俺はまっすぐに歩くことができているのだろうか?スマホの電源が付かないことはもう分かっている。せめてスマホの方位磁針が使えたら、太陽があれば。意味のないスマホや腕時計、何も変わらない景色、溢れ出すたられば、焦燥感が入り混じって、余計に精神を不安定にさせる。
「あー、馬鹿野郎。もっと冷静になれってんだ!叫んでも体力失うだけだろ?」
心を落ち着かせるように、深呼吸をし、再び歩き出そうとしたその時──────。
「よくこの空間でそんな冷静でいられるね?」
自分以外の声がした。鈴のようで、どこか落ち着くようで、美しく素直に耳に入ってくる声。それも、すぐ後ろから。グリンと音がするほどの勢いで俺は後方を振り向く。やっと、何かが変わる。そう期待するような気持ちがあった。
「わ、びっくりした」
俺の希望の先には、目を見開いて驚く少女がいた。
「……小学生?」
いつも家の付近で見かける、元気いっぱいな小学生の高学年とさほど変わらないような見た目だ。だが、その太陽よりも眩しく輝く金の髪や、純白よりも白いその衣、そして背中にある黄金色の環のついている小学生は見たことない。そしても、何より小学生でここまでの美しさを放てるような顔を俺は知らない。
「だれが、小学生ですか?」
「あ、すまん」
どうやら、俺の言葉はよろしくなかったらしい。実際それくらいの年齢にしか見えなかったから、つい言ってしまった。だが、何でこんなところに少女がいるんだ?
「私は、小学生ではありませんし、年齢もあなたより上です。少女と言って下に見ないでください」
「いや、下に見てはいないんだが」
随分と、高圧的に話す人だな。髪と同じ黄金の鋭い目を俺に向け、不服だと訴えるように俺を見る、目の前の少女、じゃないな、女性。だが、なんというか敬語で話さないといけない相手のような気がする。なぜだろうか。あと、なんて言った?俺よりも年齢が上だと?
「そうです、私は年上ですよ。誰が高圧的に話すですか?」
当たり前のように心を読んでくる。どこかの相棒と一緒だ………………は?心を読む!?なんでだよ?
「当たり前じゃないですか。私は小学生でも、少女でも、女性でもありません。神様です!」
「…………はぁ?」
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