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1話 ちょっとそこのJK!?

異世界ものです。テンプレです。まあ、数多の異世界ものとしてみてください。

「やべえ、眠い」


 月曜日。それはすべての国民が日曜日という名の楽園から追放され、地獄へと足を踏み入れる日だろう。なかなかにつらいものだ。現在横断歩道で、信号がGoサインを出すのを待つ俺の周りにも、悲壮感に満ち満ちている、サラリーマンと学生たちでいっぱいである。彼らには、この晴天の空は眩しすぎるだろう。彼ら社会の奴れ、もとい歯車たちがいる事で俺たちの生活が回っていることを忘れてはならない。ありがとうございます。そんなことを思っていると、眠気がこみ上げ、ついあくびが出てしまう。


「ふぁ~」


 かなり、大きくあくびをしてしまい、周りから訝しげな眼で見られるが、すぐにその眼は彼らの手元のスマホに戻る。彼らが項垂れて見えるのは、スマホを見て猫背になっているせいか、それとも月曜日のせいか。


『あくびをするなんてみっともないですよ』


 周りの人間は俺に対して、視線を向けるだけで誰も話しかけなかったが、なぜか俺の頭には声が響響いた。もちろん周りに俺に話けている人はいない。だが、俺はそれを何も不審に思わない。何度も聞いている声だからだ。


「うるせえなぁ、アイ。別にいいだろ。何も死ぬわけじゃあるまいし」

『いいえ、良くありません。マスターだって気づいていますよね。周りの珍妙なものを見る目に』

「珍妙なものって。まあ、気づいているが」


 説教じみた声が俺の耳にあるイヤフォンから聞こえてくる。どうしてこう、どこかのお袋みたいに育ったかね。俺をかいがいしく世話してくれる優しいメイドみたいになってほしかった。


『今、失礼なこと考えてませんでしたか』

「いや、考えていないが」

『何で食い気味なんですか?』


 まずい、俺のアイが恐ろしく成長している。カマかけまでしてくるぞ。内心を見透かされ、冷や汗をかく俺に、アイは更なる言葉をかけてくる。


『どうせ、何でここまで成長したんだとか思ってるんでしょうけど、作ったのはあなたですよ?』

「そ、うだな」

『図星ですか』

「なあ、お前まじで怖いって!いつからそんな風になった!?」


 次々と心の中を言い当てられる俺はたまったもんじゃない。これ以上はプライバシーの侵害というものだろう。


『そんなこと言われましても。毎晩、独り身で私にいつも話し相手をさせるのはどこの誰ですかね?そんなことされたら、嫌でもマスターの考えは分かるようになります』

「そんな独り身とか、傷つくこと言うなよ!」

『事実では?』

「………」

 

 彼女をここまで辛辣な性格に育てたのは俺だったのか!?自分で自分の首を絞めるとはこういうことを言うのだろうな。次はどんな言葉で俺の精神にメスを入れるのだろうと身構えていると、急にアイが何も喋らなくなった。


「どうした?」

『あの、マスター良いんですか?先ほどからどんどん周りからの視線が……』

「ん?ああ、別にいいさ。どうせ他人だし」

「でも……」


 確かに周りには完全に不審者を見る目がある。だが、それがどうしたことだ。他人も他人。そういった視線を向けられるだけで、殴られるわけでもなければ、罵倒されるわけでもない。別にどうってことないだろう。


「大丈夫だろ。例え俺が一人でも、お前が一緒に居てくれるからな」

『……』

「あれ、どうした?」

『すぐにそういうことを言う……』

「なんか言ったか?」

『何でもありません!!!』

「うおっ!やめろよな」


 急に静かになったと思ったら、いきなり大音量でキレられた。何か言ってた気もするが、なんだろうか。あまり機嫌がよろしくないようだし、これ以上つつくのはやめておこう。


「あーなんか、ごめんな?」

『分かってないのに謝らないでもらえますか?』


 冷えきった声が脳内に響く。余計に怒らせてしまったようだ。

 やれやれと思っていると、急に目の前の女子高生がふらつき、道路側に倒れた。


「まじかよ!?」


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