はじまり
初めて書きます。こうして欲しい等の要望があれば、コメントでお願いします。
「くそっ、シネ、シネ、シネェー!!(ばんッ ばんッ バキィ )」
俺は、松田 尚昌。この家の自宅警備員だ(キリッ)。あっ、年齢は非公開で。
今は、絶賛ゲーム中である。
「...あぁ....またやってしまった...。これで、何個目だ?」
そして、又の名をキーボードクラッシャー。通算、二十五個のキーボードを破壊する猛者である。
「BPEXにも飽きたしなー、久しぶりに、ポートナイトでもやるかなぁ」
身長は、175cm弱。
体型は、まぁ一般的に見ても痩せている部類に入るだろう。
彼女は勿論、友達も知り合いもいない。引き篭りというカテゴリに俺は存在している。
そんな俺は、今まさに、ポートナイトを起動するところだった。
バチィ!
突然、pcの画面が光と共にプツンと消える。
「!...オイっ どうしたっ 動け!」
部屋の照明が消える。
くそっ、停電かよ。そう思いつつ、何気なく窓から外の景色を確認する。
現在の時刻は、7時半。停電ならば、周りが真っ暗でも良いはずだ。
しかし、他の住宅が暗い様子はない。ウチだけのようだ。
「ブレーカーでも落ちたのかぁ?マジ勘弁してくれ」
様子を確認しに部屋から出ようとすると.....開かない。
「!(ガチャ ガチャ) オイっ ぶざけんな、あけよォーーー!!!」
冷や汗が流れる。良くはわからないが、今自分の身に何か起きている。
そう自分の直感が告げている。
部屋のど真ん中に、六角形の魔法陣が浮かび上がる。
魔法陣の周囲から、何語なのかさっぱりな文字が浮き上がって列をなし、中心に集まり始まる。
そして形作られるのは、一体の生物だった。
そんな様子を、俺は、クローゼットの中からブルブル震えながら確認する。
これがまた、愛くるしいフォルムの生物だった。
全長約60cm。頭は横長で、縦30cm。
今は目を閉じているが、それでもわかるクリクリとした大きい目。
頭と体の比率が2分の一とおかしいとも思わなくないが、ツヤツヤとした漆黒の毛並みのうえに、三角の尖った耳、その後ろに真っ白なツノが生えている。
背中には、ちょこんとした翼。お尻からは、長い尻尾が生えている。
しかし、油断してはいけない。
いくら、ラブリーな身体付きをしているとは言っても、未確認生物。
何をしてくるかわからない。
なのに、尚昌は何故かその姿に見覚えがあった。
「.......リーリ?」
ゆっくりと目を開き、真っ赤な瞳でじっと此方を見つめてから.......
「.....ご主人〜!!」
尚昌に、そのリーリと呼ばれた生物は抱きつく。
いや違う。見覚えがあるのでは無い。
知っているのだ。
生きていく上で知るはずのない生物の情報。しかし、知っている。まるで、元々知識としてあったかの如く。
自らの直感は間違っていなかった。
やはり自分の身に異変が起きている。
いやもしかして、自分の身体だけでなく、この国、世界に異変が起きてるのかもしれない。
「リーリ、オレは何故か君の名を知っているが、それ以外のことはよく知らない。まず、君が知っていることを教えてくれるかい?」
オレはまず、リーリへの対話を試みた。