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『妖瑞の血清』  作者: A31
妖瑞の血清 シナリオ本編 一階
6/17

③研究展示室(無施錠)

K「あなたが扉を開けようとするとその扉に鍵はかかっておらずそのまま開ける事ができます」


【聞き耳】→なにやら女性のような声が聴こえます。


K「扉を開けると、そこは展示室のようでした。壁にはパネルのようなものがあり、その下にはショーケースのようなものが複数台置かれています。

室内にはカセットデッキが置いてあり、そこから女性の声でパネルで書かれている内容を音読し録音したものが流れているようです」


○パネルを見る

K「パネルを見たあなたは、この施設についてや、アクセス、簡単にまとめられた研究内容が書かれていることがわかります。また、最初のパネルの一番上には『新入社員の皆様、ようこそ! 施設長 手越蘭丸』と書かれており、その横に少しふくよかな体つきの男性の写真が写っています」


①施設について

ここはYZB財団が運営している研究施設です。建物は3階建てで、そのほとんどが研究員が所属する研究室となっております。皆様がご覧いただける唯一の部屋は現在地である「研究展示室」です。ただしこちらに展示されている内容も社外秘となりますので何卒ご注意いただけますと幸いです。


②場所について

K「パネルにある地図を見てみると、自分たちが住んでいるところからかなり遠く離れた海の上にある島にこの施設が建っていることが分かるでしょう。施設専用のジェット機で送迎可能と記載があります」


③研究について

この施設では「妖瑞の血清」について研究しております。

主に「妖瑞の血清」の仮説構築に伴うデータの収集、解析の上、検証を実施いたします。


K「「妖瑞の血清」についての詳細は触れられていません。そしてあなたはその名前を過去生きてきて、一度も聞いたことがありません」



○ショーケースを見る

K「ショーケースの中には古い文献が保存されています。数を数えると全部で16冊あることがわかるでしょう。見開きで置かれており、左のページには墨のようなもので描かれた動物の絵、右のページには古い言語で文字が書かれています。8冊は和文、もう8冊は漢文のようです。【母国語(日本語)】【中国語】【歴史】などの技能で判定し読むことが出来ます」


1 和文

K「和文で書かれた文献を読むことができたあなたは、これらが日本妖怪について書かれていることが分かるでしょう。

描かれている妖怪は、酒呑童子、天狗、蛟、玉藻前、鵺、件、座敷童子、獏の8体です。それぞれ特殊な能力を持っていたり、伝説が残されているということが文字で書かれています」


①酒呑童子の説明文

酒呑童子しゅてんどうじは丹波国の大江山に住んでいたと伝わる鬼の頭領。 酒が好きだったことから、手下たちからこの名で呼ばれていた。身体を押さえつけられ首をはねられた後も生首が兜を噛みつきにかかるほど生命力と戦闘能力が高いとされている。


②天狗の説明文

天狗(てんぐ)は鳥羽天皇の第一皇子である崇徳上皇が妖化した姿である。毒の息で都に疫病を流行らせ貴族や大臣を病気や死に追い込み人間界を荒らしたと伝わる。その姿は金色の鳶のようで、視力や聴力に長けた不老不死とされている。


③蛟の説明文

(みずち)は水と関係があるとみなされる竜類か伝説上の蛇類または水神である。毒気を吐いて人に害を与えるともいうが、大雨を降らすなどの伝承が多く、水神が零落して妖怪となった河童にその名をつけることもあるとされている。


④玉藻前の説明文

玉藻前(たまものまえ)は、若い女性でありながら大変な博識と美貌の持ち主であり、天下一の美女とも、国一番の賢女とも謳われた伝説上の人物である。その正体は白面金毛九尾の狐、各国の諸王を破滅させた大妖怪とされている。


⑤鵺の説明文

(ぬえ)は、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇の妖怪で「ヒョーヒョー」という大変に気味の悪い声で鳴いたとされる。その声によって病を患った人々はどんな薬や祈祷をもってしても治らず、不気味な黒煙が現れその姿を隠したとされている。


⑥件の説明文

(くだん)は、牛の体と人間の顔の半人半牛の姿をした妖怪として知られている。生まれて数日で死ぬが、その間に作物の豊凶や流行病、旱魃、戦争など重大なことに関して様々な予言をし、それは嘘偽りなく確実に起こるとされている。


⑦座敷童子の説明文

座敷童子(ざしきわらし)は座敷または蔵に住む神と言われ、家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。一般的には、赤面垂髪の5、6歳くらいの小童というが、年恰好は住み着く家ごとに異なるとされている。


⑧獏の説明文

(ばく)は中国から日本へ伝わった伝説の生物である。人の夢を喰って生きると言われ、悪夢を見た後に「獏にあげます」と唱えると同じ悪夢を二度と見ずにすむという。獏は疾病や悪気を避けるといわれ、獏の絵を描いて邪気を払う風習もあるとされている。



2 漢文

K「漢文で書かれた文献を読むことができたあなたは、これらが中国瑞獣について書かれていることが分かるでしょう。

描かれている瑞獣は、麒麟、応竜、霊亀、鳳凰、獬豸、白澤、九尾狐、鸞の8体です。それぞれ特殊な能力を持っていたり、伝説が残されているということが文字で書かれています」


①麒麟の説明文

麒麟きりんは形は鹿に似て大きく顔は龍、牛の尾と馬の蹄をもち、背毛は五色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗がある。普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌う。神聖な幻の動物と考えられており、麒麟を傷つけたり死骸に出くわしたりするのは不吉なこととされている。


②応竜の説明文

応竜(おうりゅう)は4本足で蝙蝠ないし鷹のような翼があり、足には5本の指がある。天地を行き来することができるとされ、水を蓄えて雨を降らせる能力がある。応竜のいる南方の地には雨が多いが、それ以外の場所は旱魃に悩むようになったとされている。


③霊亀の説明文

霊亀(れいき)は背中の甲羅の上に蓬莱山ほうらいざんと呼ばれる山を背負った巨大な亀の姿をしており、蓬莱山には不老不死となった仙人が住むと言われている。千年以上生きており、強大な霊力を発揮し、未来の吉凶を予知出来たとされている。


④鳳凰の説明文

鳳凰(ほうおう)は頭が金鶏、嘴は鸚鵡、頸は龍、胴体の前部が鴛鴦、後部が麒麟、足は鶴、翼は燕、尾は孔雀の鳥である。鳳凰が歳を経ると鸞になるとも考えられており不老不死と伝えられている。霊泉だけを飲み、120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないとされている。


⑤獬豸の説明文

獬豸(かいち)は、姿は大きいものは牛、小さいものはヒツジに似ているとされる。全身には濃くて黒い体毛が覆う。頭の真ん中には長い一角を持つことから一角獣とも呼ばれ、この角に触った者は死ぬと言われる。人の紛争が起きると、角を使って理が通っていない一方を突き倒し、その後突き倒した人を食べるとされている。


⑥白澤の説明文

白澤(はくたく)は頭には牛のような二本角があり、下顎には山羊のような髭を蓄え、眼が額にもう一つあり、更に胴体の側面に眼が三つあり、もう片方の側面にも三つあるとすれば合計で九つの眼をもっている。人間の言葉を操り、そのときの為政者が有徳であれば姿をみせたとされている。


⑦九尾狐の説明文

九尾狐(きゅうびこ)は外形は狐のようで、尾は九本。鳴き声は嬰児のようで、よく人を食う。九尾狐食べた者は邪気を退けると伝えられている。美女に変化して人々の世を惑わす悪しき存在の正体であるともされている。


⑧鸞の説明文

(らん)は神霊の精が鳥と化したものとされている。「鸞」は雄の名であり、雌は「和」と呼ぶのが正しいとされる。君主が折り目正しいときに現れるともいい、その血液は粘りがあるために膠として弓や琴の弦の接着に最適とある。



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