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四話 九重の家族(西部と萩原)"Follow the past"

紅月の屋敷に会合の為訪れた萩原灯子。

彼女は一人、自身を知る為蔵にて思考をする


ながらく期間をあけてしまった。。。

思考。


 萩原はぎわら灯子とうこは、自身というものが嘘ではないかと考える。

この"嘘"というのは萩原灯子にとって実に曖昧なもので、この世に存在しているという自己証明ができないことの嘘なのか、それとも実態を持たない虚像であることの嘘なのか、はてまた萩原灯子というプロフィールが偽りであり、萩原灯子自身がそれに気が付いていないという嘘なのか。灯子自身にはそれがわからない。ただなんとなくの違和感のみで萩原灯子は自分自身が"嘘"であると確信していた。 


思考。


 萩原灯子のプロフィールは一般的とは言い難い。常識人を名乗ってみたい気もするが、常識の程度をしらないので名乗れない。しかし灯子が知っている一般常識における一般人と自分自身がかけ離れているのは確かだ。

 その理由は明確で、九重の家族。つまり火を扱う異能力者集団の集まりの中に生まれ、自分自身も幻を生み出せるという異能力がそれを示す。だからこそ灯子自身は一般人というカテゴリーには分類されず、同時に自己のアイデンティティとして確立されている。

 とはいえ、周りが灯子を能力者に仕立て上げるような"騙し"ているのでなければというのが大前提だ。

 

思考。


 では初めの思考に戻り、確立されたとするアイデンティティを持ってして自身が嘘であるという確証はいったい何なのか?灯子は考えた結果、これが感覚的なものであると結論を出した。

 萩原灯子を確立しているどこかが、なにかが不確かなのだ。はっきりと断定も不確かな個所も特定はできないが、萩原灯子のアイデンティティである異能力意外であるということは確か。

 これを結論としてしまうには少し早いとも思ったが、一つ前提を決め打たなければこういうものは前には進めない。勿論、同時にこの結論が間違いであるかどうかの答え合わせも同時に進めていく。自身の感覚は妄信しない。可能性を切り捨てるだけの根拠や切り捨てなければならない現状でもない限り、思考を廻し続ける。


思考。


 とりあえず異能力という部分という確定したものを排除したどこかが嘘の部分とする。それを探すためには、他に確定できる部分を増やしていき、行きついた先を見つけるべきだと判断した。いわゆるところの消去法。

 まず手始めに戸籍を確認をするため、市役所へと赴き自分の家族関係を確認。これは容易だった。そして祖父に決別を言い渡された父、母。それから祖父や亡くなった祖母に至るまでおかしな繋がりはどこにもないことを知る。養子とかだった、とういう安易な結論は出てくれない。

 それから自身の経歴を調べた。これも容易だ。保育園、小学校、中学校。これらは担当の先生や同級生に話を聞けば私が確実にそこにいたことを証明できる。ちなみに高校へは入学すらしていない。祖父に次期当主として指名されたのを期に高校進学をあきらめてやった。萩原灯子はこのころ祖父反抗期おじいちゃんリベリアスステージ真っ只中……と、そんな話はどうでもいい。

 中学校を出てからはさらに簡単だ。萩原灯子のいた事の証明は、緋森家当主である緋森華蓮がいる。彼女は萩原灯子の剣術の師範をしており、反抗期中は祖父から逃げるようにずっと通い詰めていた。灯子自身、自身の運動神経や剣術の腕は体が証明してくれる。そうして働かずに現在24歳。


思考。


 さて、生まれから今に至るまでにおかしなところはなかった。経歴も誰かによって変えられたということもないし、記憶もすべて一致している。……萩原灯子は正直なところ、ここまで調べれば少しは自身が嘘であるということの手がかりを得られるのではと考えていたが、そんな甘いものでもなかったようだ。

 この嘘という感覚がそもそもおかしかったのか。そう、結論として出した感覚的なものが間違っているのはないか……もう一度自信を見つめなおしてみたが、やはり自分自身が嘘ではないかと言う違和感がぬぐえない。なら、次にすべきことを考える。


思考。


 萩原灯子が次に考えたのは、一番最初にアイデンティティとして確立させたはずの異能力の部分である。現実主義者リアリストと名乗るわけではないが、こういった魔法に見えるものには必ず種や仕掛けと言った、人を騙す部分があることは知っている。というか、萩原灯子自身が幻と言う人を騙すに特化した異能なので、これはすぐに思いついた。

 つまるところ、萩原灯子が幻を出したーと言って、周囲が幻も出ていないのに合わせているパターンを消しにかかったのだ。これが証明されてしまうと24歳無職の妄想妄言女確定なので気は引けるがしょうがない。


思考。


 灯子の幻が嘘であるということの証明は恐ろしく難しかった。ただの幻を出すだけならまだしも灯子の幻は特殊すぎるのだ。

 炎幻萩原と名指す由縁がその幻。"実体"を持っているかのように物理的に接触可能であり、さらにその幻が知覚した全てが共有できるという部分だ。

 先ほど緋森華蓮の料理を手伝ったように幻は台所に立てるし、膳を用意するために持ち上げたりすることもできる。

 先ほど祠堂秋の着付けを手伝ったように着物に触れることもできれば、緋森華蓮が料理していたという記憶を共有することもできる。

 同時に存在し、同時行動可能で知覚した全てを共有し、物体に触れることもできるなんとも不可思議な幻。いや、もはやネットワークを同じくしたロボットの様なと表現した方がこの異能力は説明できるほどだ。

 幻と口にはしているが、ロボット、ネットワークなどと言った言葉が存在しないほどの昔にこの能力が生まれ、不必要になったら幻のように立ち消えるからだと灯子は今更ながらに理解する。

 もしもこの能力が周囲の人間で口裏合わせしようにも、記憶の共有や自分が動かしたものを見れば幻がいたということの証明の方が容易くなってしまう。おかしな言い方だが、幻の実態は現実にいるのだ。


思考


 さてここで気になってくるのは、この異能力が一体どこから始まり、そして萩原灯子まで続いているのかということだ。萩原灯子のアイデンティティである異能力を本当に偽りでないと証明するためにはもう一段回踏み込む必要があると考えた。

 異能力である幻が嘘でないという状況証拠こそあれ、今だ不明確な部分が多いのも確か。異能力とはなんなのか、もしかすると全容解明する間に灯子が感覚的にとらえている自身の嘘ということのきっかけがつかめるかもしれない。そう考えた。

 目的が決まれば手段も明確となる。血で受け継がれてきたこの能力を証明するためには、やはり初代萩原から今に至るまでを明確にすべきだ。歴史をたどればいい。

 今、知識だけで追えるのは、初代萩原を生んだとされる、いわゆる九重の家族の創始者と、萩原灯子の祖父、そして自身のみ。きわめてつながりが不確定だ。


思考……中断。


「……この思考そのものが間違えているかもしれない。という可能性はどこで追うべきなのだろうか。でもま、今は集中力が切れた」


 萩原灯子は、ひとり蔵の中で古書を閉じ、そう口にした。で、少し間を置き入り口をちょっとだけにらんだ。

ここは紅月のお屋敷の中でもはずれにある蔵の中。大量の古書が収められており、灯子は緋森華蓮、祠堂秋の手伝いと同時にこちらにも幻を出して調べ物をしていたのだ。

 調べている内容は思考していた内容で、萩原の血縁と異能力とのつながりについてである。つまり、自身の家系を昔の昔、初代までさかのぼろうとしていた。


「が、しかーし。ここで読み漁って半年ときましたが、草書、狂草書体と言うみみずがのたっくた文字が読めるわけもなく。古い古いって平安時代まで遡りやがってあーもう!」


 半年前、九重の家族の当主の一人が亡くなり、その彼が調べていた九重の家族の歴史書が蔵に納められた。灯子はこれだ!とばかりに飛びついて本を開けたが、そこに書かれていたのは驚愕の事実……まったく読めないのだ。漢字どころかひらがなと言う見慣れた文字が存在せず、調べた結果は草書。さらにはそれを速筆するための狂草書と言う文字であることが判明。前途多難はここに極まった。

 夏から初めて半年が過ぎ、辞書を引いて、調べ捲ったあげく出てきたのは、九重の家族の分家の生まれ、つまり初代萩原が登場するのが、平安時代後期というこれまた家系を追うのに難しい年代だった。


「平安時代って、何年前よまったく。鎌倉幕府前までとしても、900年以上前でしょ?人間50年として代々続いてくると、18人?……んなわけあるか。うちのジジイみたいにいつまでも居座ってるのも少ないし、萩原は代々、孫にしか(・・・・)継がれないし、速めの世代交代もあり得る。30?もっと多いかも。萩原家一つ調べるにしても大変じゃない!ねぇ、そう思うでしょ?」


 灯子は、声を大きくして鞍の入口へと向けた。先ほどからの独り言も実はそこにいる影に向けてである。


「西部の旦那」

「あれ?灯子ちゃん。気がついてた?」


 やっと出てきたと嘆息。蔵の入り口から眼鏡をかけたぼさぼさの頭の男が顔を覗かせた。

 彼は、西部にしべ志里しざと灰鳴はいなりおのれ緋森ひもり華蓮かれん祠堂しどうあきと同じく九重の家族の一人であり、西部家の現当主である。物腰柔らかいその性格は、灯子が無茶を言いやすい相手で蔵の管理者でもある。


「どうせ、調べ物の邪魔しないようにと思っての事あろうけど、そろそろ会合の時間なんでしょ?そうならさっさと呼んでよ。またジジイに怒られるし」

「灯子ちゃんの真剣な目を見てたら邪魔しない方がいいかなって思っちゃって」

「……西部の旦那は嘘つきだなぁ」

「えぇ、ひどいなぁ」

「どうせ、私が調べた結果が気になるんでしょ?本閉じたタイミングで呼びかけの間は作ってあげたのに出てこなかったし」

「あ、ははは。まぁね」

「九重の家族って、ほんと変人ばっかよねぇ」

「君も九重の家族の一人だろ?」

「西部の旦那ほど変人じゃないしー」


 ふふんと笑う灯子に志里ははははと苦笑いを浮かべるばかりである。そんな志里に灯子は一冊のノートを手渡す。


「これは?」

「半年の成果……って呼べるかどうか怪しい代物」

「古書を訳したのか」

「訳せてれば苦労しないんだけどねぇ」


 志里受け取ったノートをめくる。そこには灯子の達筆な字で九重の家族の成り立ちの部分を訳したことが書かれていた。文字には多く疑問符が多くつけられているが、この部分は訳しに自身がない部分だ。


「すごいじゃないか。と、そう言う褒め方は灯子ちゃん嫌いだっけ?」

「ちゃんとした採点プリーズ。私よりも九重の家族の歴史調査してる人の意見が欲しい」

「訳しの大部分は合ってるとは思うけど、まとめ方が少し雑だね。要点を得ないところや、重複している部分が多い。つまり、ちゃんと訳せた部分をまとめたあと灯子ちゃん自身が記憶していないから辞書での調べなおしが重複している結果さ」

「おぉーすごい耳が痛い」

「でも、独学で調べたにしては文脈が見て取れるし、半年で調べ上げた内容としては及第点。かな?ただ残念なのは」

「そう、そこ。ほんとそこなのよ」


 灯子は、ビシリと志里に向けて指を向けた。そして肩を落とし、今まで調べていた古書を手に取って志里に手渡した。


「最悪なことに、調べたこの本が私たちに口伝されてる内容なのよ。紅月の創始者、紅月くづきまといと神様のお話」

「あー……知ってるが書かれている本を訳しちゃったか」

「大体終わったくらいに翻訳したのを見返したら、これ、小さい頃このお屋敷で絵本で見た奴だーって。いやぁ、私の半年が消え去った気分」

「で、でもほら、草書の読み方とかは覚えたわけだし」

「そう言うフォローは心に響くからやめてぇ」


 九重の家族や灯子の家系である萩原家の経歴が一から十まで全て謎と言うわけではない。各家系に代々継がれてきた書物や口伝されてきたもの。さらには西部家の当主、調べもの専門の志里が調べてきた内容など、既に判明している部分も多い。

 今回灯子が調べ上げてしまった(・・・・)内容は、それこそ九重の家族の中では最も知られている創始者の話で、紅月纏という巫女が神様から神通力をもらって人々を助けたというもの。誰かが絵本にしたものがあり、幼いころの灯子のお気に入りの本だった。


「でも、これを見ていると灯子ちゃんも大人になったねぇ」

「なに変な笑いして。西部の旦那気持ち悪いよ?」

「ストレートに言わないでよ。これでも傷つくから」

「んじゃ、なんで笑ったのさ」

「小さいころの灯子ちゃん、このお話好きだったからね。何度もせがまれて同じ内容の絵本を読んだことを思い出したのさ」

「ちっさい頃って!ちょっと!私の事は思い出さなくていいからっ」


 気恥ずかしくなり、灯子は頭を掻きながら志里から視線を逸らす。そんな灯子に、志里は昔の幼い灯子を思い出しながら、ゆっくりと語り出す。


「むかーしむかし、あるところに、太陽の神様が居りました」

「え!あの絵本の内容覚えてるの!?」

「勿論さ。何度灯子ちゃんにせがまれてその絵本を読んだと思ってるんだい?それに僕は記憶力が良いんだよ。ほーら、あの絵本が大好きだった灯子ちゃんが思い出せるように僕がまた読み聞かせて」

「あーあーあー。思い出しました思い出しました。だから勘弁してくださいよ!恥ずかしいんだから!」

「あははっ。ごめんごめん」

「旦那も華蓮さんみたいに人が悪い。子供みたいな大人め」

「灯子ちゃんも24だろう。子供みたいな大人はさてさてどっちかな?」

「私まだ旦那の半分の年齢だから子供も混じってるのは自然でしょ」

「あの頃の素直な灯子ちゃんはどこに行っちゃったのやら。でも、そのすごく長い黒髪も、その絵本に出てくる巫女様に憧れてだよね」

「げっ!?……旦那、そこまで覚えてるの?」

「勿論。萩原の御当主様がいくら髪を切れと言っても切らなかったくらいでしょ?大泣きして屋敷中を逃げ回った灯子ちゃんならしっかりと覚えてる」

「なんで旦那に弱み握らせたかなぁ私。一生の不覚だ」

「大丈夫さ灯子ちゃん。己君には内緒にしといてあげるから」

「え!?なんで己がここで出てくるのよ!いや、え?」

「あれ?そういう関係じゃなかったの?君たち」


 不思議そうに首を傾げる志里。それに違うからと否定してようとした灯子だが、それよりも先に、否定の言葉は蔵の奥の角から聞こえてきた。


「ふん、萩原と灰鳴の間に恋慕なんぞあるはずもないわ馬鹿者め」


 呆れたような。それでいて、間違ったことを咎めるしわがれた声。灯子と志里が驚いて声の方を見ると、そこに着物姿の老人が灯子と志里をにらみつけていた。

 それは、灯子がジジイと名指す人物。萩原家の祖父、萩原はぎわら幻灯げんとう。急に気配もさせずに現れたことに志里は困惑し、灯子は看破する。


「幻か。いつのまに」

「だとしたらなんじゃ。馬鹿娘が」

「え?幻なの!?」


 驚き困惑する志里にキっと強く睨みを入れて幻灯は黙らせる。背丈は灯子の腰ほどの小柄だがその威圧感はこの場の誰よりも強い。


「わかっておろうが、九重の家族。炎の血族はそれぞれの家系に役割が存在する。分家同士で血縁を濃くすれば余計な争いごとや役割を喪失しかねん。無い脳みそで考えてもわかることじゃろうに。それすら気が付かんとは西部の当主も落ちたな。いつまでも後妻を見繕わぬ体たらくが」

「なっ、このっジジ」

「灯子ちゃん」


 見下しながら言う幻灯に腹の底から何かがわきがって来るのを感じた灯子。だが、その肩に手を置き、志里は「言い合いしてたら、キリがないよ」となだめる。「だって!」と、言おうと灯子は志里を見るが、その志里の笑みも少しひきつっていて、我慢していることが見て取れた。強く言われた志里が我慢しているのだから、そこに口を出すべきではないと、灯子もなんとか自分を抑えた。


「ほぉ、その目はなにか言いたいのか?」

「……ないよ、なにも」

「ならいい。すぐ会合が始まる。幻でくだらん遊びなんぞせずとっとと座敷に行け」


 そう言うと、ふっと幻灯の姿が消える。灯子はこれが嫌いなのだ。

 強くものを言い放った後、普通なら歩いてその場を去るだろう。なら、強迫的な印象から後姿、そしてフェードアウト言う段階を踏むが、幻を一気に消してしまえば、最後に残るのは、強迫的な印象のみ。強く心に残るそれは灯子の心を一層苛立たせる。で、爆発する。


「あんのジジイ!くそジジイ!あーもう!バックレしてやろうか!会合ぶっちしてやろうかちくしょうめぃ!まーたあのジジイと顔合わせんのほーーーんと嫌!ドたまハゲの低身長が!なーーーーにがない脳みそだ!開けてみろってんだ馬鹿野郎のすっとこどっこい!」

「す、すっとこ?」

「私の小さいころからツンツルテンじゃねーか!逆に育毛剤でふっさふさにしてやろうか!ああ!もう!ジジイの靴全部シークレットシューズに変えてアイデンティティぶっ潰してやる!だぁああらっしゃあ!」

「だ、だーらしゃ?」


 どかーんと聞こえてきそうな爆発を起こして、灯子はこの場にいない相手に言いたい放題叫んだ。だんだんだん!と床を踏み抜きそうな勢いで地団駄し、両手に拳を作って振り上げて怒り心頭を現した。が、それもすぐ収まる。


「ふぅ、じゃ会合行きますか」


 灯子はすっきりした顔で志里に言った。どうやらこれが灯子のストレスの発散方法らしいとようやく気が付く志里。気を取り直して「それじゃ行こうか」と灯子に声をかけようとしたが、その前に、


「それじゃ、先行ってるからね。蔵開けてくれてありがと」


 と言って、灯子も幻灯と同じくふっと姿を消した。蔵の中に残される西部志里は、手を頭に当てると深くため息をついた。そう言えば灯子ちゃんも幻だったかと。

 志里は、灯子ちゃんから受け取ったノートを蔵の中に残し、鍵を閉めて出た。どうせ明日も灯子ちゃんは調べに幻を向けるだろう。そろそろ時刻は9時。当主一同が介する会合がこの紅月の屋敷で始まろうとしていた。

御題は稲見村にそびえる霊山、美月が山中さんちゅう虎話とらばなし


お読みいただきありがとうございました

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