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フレンズ語法とか全く関係ない、作者は傷付くかもしれないけど一つの正解だと思う感想の書き方

作者: いかぽん

 数日前、『感想の書き方にはフレンズ語法が役に立つ』というテキストを投稿しました。


 それはそれでそれなりのことを書いたつもりなのですが、少し綺麗事に寄りすぎた感はあります。

 そして自分の感覚としても、「んー、でもこれ微妙に何か違う気がするな」という感が抜けきれませんでした。


 というわけで、セルフカウンターとして、感想の書き方に関するもう一つの考え方を書いてみたいと思います。




 感想は、どのように書くべきか。

 率直な感想を書くべきです。

 以上。


 三行で済みました。

 何言ってんだこいつ、と思われるかもしれませんが、わりと極意だと思っています。


 逆に考えましょう。

 「率直な感想じゃない感想」とは何か。


 それは、「率直な感想の上に、いろいろごってりと別なものを盛り付けた感想(らしきもの)」です。


 例えば、批判・批評・評価・分析というのは、感想ではないです。

 あるいは、先述したフレンズ語法などを使って、いろいろと「加工した感想」というのも、「率直な感想」からは少しかけ離れてしまいます。


 感想とは、理屈であってはいけないのです。

 感想とは、感じたことを、感じたままに書くのが感想です。


 「面白かった」は立派な感想です。

 「つまらなかった」も立派な感想です。


 「面白かった。なぜなら~」は率直な感想とは言えません。

 「つまらなかった。なぜなら~」も率直な感想とは言えません。


 感想に具体性を付与する場合、最も好ましいのは、「どこそこを読んで、どのように感じた」というものです。


 なぜか。

 作者が感想で一番知りたいのは、作品の批評や分析、改善案などではないからです。

 「その作品を読んで(あるいはその作品のどこを読んで)読者がどのように感じたのか」を知りたいのです。


 「作者は」などと主語を大きくしてしまいました。

 「俺は違うぞ!」という人がいたら、感想欄にでも書いてもらえれば、このテキストの読者さんに対して、別な情報を与えることになるでしょう。

 (レスはしないかもしれないですが、その辺はご容赦を)


 これはある意味、なろうのマニュアルや仕様に対する批判でもあります。

 感想というのは本来、「良い点」「悪い点」に分けて考えるべきものではないと、僕は考えています。

 その分類をしている時点で、「感想」ではなく「評価」の域に片足を突っ込んでいるからです。


 というか、なろうのマニュアルの記述は、「感想」において「評価」をすることを促しているところがあります。

 それの是非を語るのは非常に難しいのでここでは避けますが、少なくとも「感想」と「評価」はまったく別のものと考えておいたほうがいい、と僕は考えています。




 何はともあれ、率直な感想というのは、尊いものです。

 なぜ尊いか。

 読者がどう感じたか、という生の感情だけは、作者がどれだけ分析や思考を重ねたところで、読者の言葉がないと分からないからです。


 あなたの感じたその感情は、間違いなく、あなただけのオリジナルです。

 どんなに頭のいい人でも、あなたの率直な感想を正しく代弁することだけはできません。


 一方、なぜ批評・評価・分析などがよろしくないかというと、そうした感想に対する「加工」を行なってしまうと、その読者が感じた最も根源的な本来の「率直な感想」から遠ざかってしまうからです。

 その行為によって、最も尊いものが失われてしまうのです。


 例えば、ある読者がある作品を読んで、何かもやもやしたとしましょう。

 読者はもやもやの原因を探して、色々思考して、彼なりにもやもやの原因を見つけ出して、それを感想に書いたとしましょう。


「この展開のこういうところが良くなかったと思います。もっとここをこうすれば良かったんじゃないでしょうか」


 違うんです。

 こうじゃないんです。


「この部分を読んで、なんかもやもやしました」


 これが「率直な感想」です。

 感想を加工したものを感想に書くと、一番根源的な部分が抜けてしまうのです。


 あるいは、この場合はどうでしょう。


「この部分を読んで、なんかもやもやしました。この展開のこういうところが良くなかったと思います。もっとここをこうすれば良かったんじゃないでしょうか」


 多分これを見た作者は、後半部分に目が向いてしまい、「いやそれは違うよ。だってそこはこうこうこういう理由でこうなってるんだし、そこを変えたらこうなっちゃうよ」となってしまうかもしれません。


 前半部の一番大事な生の感想が、後半部に対する印象でかき消されてしまうのです。

 この感想から、「ああ、そこを読んでもやもやしたんだな。後半部の指摘は不適切だけど、前半部は参考にしよう」とうまいこと大事な情報だけを抽出できる作者は、そうそういないかと思われます。


 これは僕の特有の性質かもしれないですが、「考えるのは作者の仕事」だと思っています。


 だから考える人は、みんな作者になろう!(強引なオチ)


例によって感想レスは大幅にサボると思います。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >作者が感想で一番知りたいのは、作品の批評や分析、改善案などではないからです。 自分は作品が良くなる意見なら、どれでも嬉しいですけどね。 ただ批判したいだけの悪口とか、毒にも薬にもな…
[一言] 「率直な感想を書くべきです」というのは全く以て正しいですが、言うことは同じにせよオブラードに包むべきだとは思いますね。口汚い罵り合いをするのは望ましくありません。 「読者は問題点の指摘の場合…
2017/11/29 01:02 退会済み
管理
[一言] 自分と同じ趣味の人に向けて書いた物と、より多くの人向けに書いた物では違うかなあと 腐向けの濃いBLを大衆に読ませたら、どんな反応が有るのかの実験でもしたら 単にキモいと言われるより、どういう…
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