4章2
主催者である幻栄のスピーチも終わり、会場には目に入れただけで空腹を誘う豪華な料理が次々と運ばれてくる。
会場の人間を驚かせたのが、運ばれてきた料理の食材が八割方フェザーシティ産であったことだ。シティでは農業高校と企業が保有する研究機関とがタッグを組んで生産した農産品が、オリジナルブランドとしてスーパーや大型商業施設でも売られている。
屋内でも栽培できる有機野菜、バイオテクノロジーでホルモンバランスやらアミノ酸比率をいじくり生み出した家畜の肉、水質と水温が徹底的に管理された水槽で育てられた魚、どれもシティが誇るテクノロジーによって生産され、何段階にも渡る厳重な安全審査をパスした食材ばかりだ。
バイオテックで栽培された物など信じられないといった意見も未だに存在するが、得体の知れない病原菌を持っているかもしれない天然物よりもよっぽど信用できるといった意見の方がシティでは圧倒的に多い。そこは流石科学の街といったところか。
食欲という欲望に駆り立たされた英士と龍平は、自分達の欲望に忠実に従って好きな物を好きなだけ皿に盛っていく。その結果、カロリー計算完全無視なごちゃ混ぜプレートが完成した。
「もー、ペースもちゃんと考えずに……。お野菜も取らないとダメよ、バランス良くお皿に盛っていくのがビュッフェのルールなんだから」
それを見かねた愛衣が二人のパラダイスなプレートを取り上げ、野菜を中心にバランス良く盛られた皿を差し出すというお節介お姉ちゃんスキルを存分に発揮する。そんなお姉ちゃんスキルを楓が羨ましそうな眼差しでジーと眺めていた。
「大丈夫さ。きっと君も近い将来、ああやって英士に世話を焼く日がやって来るから。君か英士の苗字が同じになるかどうかは君の努力次第だけどね」
「ふえ!? い、いえ、私そんなつもりでは……」
一瞬楓の思考がクロックアップし、幸せそうな顔で英士の世話を焼く自分の将来像が脳内に浮かび上がった。
「しかし楓がパーティーでここまではしゃぐとはな、随分と久しぶりではないか?」
実年齢と大分離れた詐欺に近い甘いフェイスの幻栄が挨拶回りを済ませ、再び合流しに戻ってきた。
「そうでしたっけ?」
「ああ。仲良くしていた一つ年下の金髪の女の子とバッタリ会わなくなってからか、つまらなそうに愛想笑いを周囲に浮かべるようになったのは」
楓は思わず苦いツバを飲み込んだ。自分では完璧だと思っていたイノセントスマイルが、父親に愛想笑いだと見破られていたとは思いもしなかった。
「その子は天野博士の娘さんです。それより、あれが作り笑いだってお父様は知っていたんですか!?」
幻栄は何を今更という顔をする。
と、そこへ。
「君もそうだと思うけど、こんな社交パーティーなんてもんに何回も出ていれば、相手の笑顔が本物かどうか見極めるスキルは自然と身につくよ。その手に関しては、英雄と言われた俺達の中でも幻栄が特に優れていたな」
愛する我が子に罵倒され惨めな思いをした利創堂里が復活、しれっと自然に会話に紛れ込んできた。先ほどまでとは違う、英雄と呼ばれるに相応しい偉大なるオーラを醸し出しながら。
豪華絢爛な料理を堪能しきった英士と龍平の馬鹿二人は、周囲の目も気にせずゲップをして膨れた腹をポンポンと太鼓のように叩いていた。
こんなダメオヤジ臭漂う姿を見てさぞ幻滅しているだろうと眞と愛衣が心配そうに楓に目をやると。
「黒鉄君……ちょっとオヤジ臭いところも素敵❤」
恋いは盲目、心配する必要性など皆無だった。
「さてと、食い終わったからそろそろ……」
簡単な柔軟運動で間接を解し終えた英士は、眞と愛衣の二人とアイコンタクトを取り合う。
と。
ジリジリジリジリィ——————!!!!!!
英士達が意識を切り替えるタイミングを見計らったのか、突如ホテルの警報装置が作動し人々の鼓膜を刺激した。
ピンポンパンポーン!!
『お客様にお知らせします。当ホテル内にて不審物が複数発見されました。爆発物だとはまだ確定されておりませんが、念のため一時避難をお願いします。お近くの係員の指示に従い、落ち着いて速やかに避難して下さい』
まるで数日前の出来事がデジャブしたようだと英士は思った。
「どうせまたデコイだろうけど。でも、これで周囲を気にせずに済むか……」
一瞬周囲の人間が動揺してざわめいていたが、気を利かせたこのパーティーの主催者である幻栄が「落ち着くように」とマイクで語り掛けた。そのおかげで落ち着きを取り戻したパーティーの出席者達は、速やかに建物の外へと避難を始めた。
一分もすれば英士達を除く人間はいなくなり、賑やかだったパーティー会場にはゴーストタウンのようなシーンとした静寂が訪れる。
「イヒヒヒヒ。お久しぶりだね、お二人さん」
この会場の前方のステージから、英士と楓にとって聞き覚えのある笑い声が聞こえてきた。
この場に残った全員が声のした方に視線を向けると、いつの間にか黒いフードを身に纏った小柄な老婆が不気味な笑みを浮かべて立っていた。紛れもなく楓を始めとする美少女戦士達によって壊滅された組織、『ファントム』の残党のキウムである。
「あー………………」
キウムを見た瞬間、英士はできれば関わりたくないという微妙な空気を醸し出し、視線を明後日の方向に移した。
「おいコラそこ、何故ワシから視線をそらす!」
キウムが指差す先には間違いなく英士がいた。
「誰だ、半年以上先のハロウィーンを今から無駄に気合い入れているあの厨二病全開のババアは?」
数日前に英士が言った台詞とほぼ同じことを龍平が述べた。
「(ほら、あの年齢から察するに、厨二病系ヒロインのアニメがヒットして、それをリアルタイムで観ていたダイレクトな世代なんだよ)」
「(えー!? それってもう四十年以上前の話だぜ。あの歳になって未だに『イタカワイイファッション』をやってんのか!)」
「(一時期はモテはやされたんだろうな。でも、ブームが過ぎてからバッタリ。輝いていたあの頃が忘れられなくって、四十年以上もあんなファッションズルズルと引きずっているんだよ、きっと)」
「(マジかよ!? もしかして……まさかあいつ、あの歳で処女だったりする訳?)」
「(……かも?)」
「(おいおい、それマジパネーぞ! 魔女の格好してっけど、とっくに魔女とか賢者の領域すっ飛ばして女神クラスに達してんじゃん)」
完全に他人のふりをした英士は龍平と一緒にヒソヒソと語り合い、チラッとキウムを見ては「可愛そうに」と哀れみの眼差しを向けた。
「おいそこー、さっきからセクハラじみた発言聞こえてるぞ!! それよりもじゃ、さっきから何他人のふりしとるんじゃ、黒鉄英士。ワシじゃ、ワシ、キウムじゃよ!!」
知り合いなのかと龍平に問われるが、英士は視線を明後日の方向へと向け、黙秘権を行使していた。
「………………ワタクシニホンゴワカリマセン」
同窓会で会いたくもなかった奴に馴れ馴れしく声を掛けられた時の対処法を活用してみた。
「ワシじゃワシ!! 憎きフォーチュンワールドの使いである美少女戦士に壊滅された敵対組織『ファントム』の残党であり、元幹部の一人で偉大なる魔術師のキウムじゃ。ほら、数日前に『ユートピア』で貴様を捕獲するという名目で、そこの美少女戦士に復讐を果たそうとしたキウムじゃよ」
まるで駄々をこねた子供みたくギャーギャーと騒ぎ、自ら長い説明を口にしていた。
「長い説明、乙」
「いい加減にするウパ! これ以上ふざけると、楓がまたあの時のようになっちゃうウパよ」
「ルンバ!? お前、いつの間に……」
ウーパールーパーの妖精、ルンバがどこからともなく姿を現して、英士の頭の上に乗っかりポカポカと可愛らしく頭を叩いてきた。
チラリと楓の表情を覗いてみると、案の定な満面の笑み(目は笑ってない)をしていて英士の背筋を振るわせた。
「ん? 何か私に用ですか黒鉄君」
「いえ、失礼しました!!」
サッ、と体ごと素早く動かして視線をそらす。
「(あんま楓をあんな風にすんな、めんどいから)」
この全身ピンク色な妖精ルンバは、天使のようなパッチリした瞳と愛らしい女の子の声を有する好感度一〇〇%な妖精なのだが、その本性は毒舌な中年エロオヤジ。このことは長年パートナーを組んでいる楓すら知りえない事実なのだ。
「(前も言ったと思うが、もし俺がオスだってバラしたらどうなるか……解るよな?)」
英士の耳元に本性の方の低い声で囁き、ギャルゲープレイ時の姿を記録したであろうマイクロSDカードをちらつかせて悪い笑みを浮かべる。
ここでマイクロSDを取り上げようとも、用意周到な奴だろうから絶対バックアップは取ってあると英士は予想した。
「(分かったよ、黙っとく)」
「(理解が早い奴は嫌いじゃねえぜ、坊主☆)」
お互いの秘密を黙秘する条件で折りがつき、ルンバは英士の頭から降りて楓へと駆け寄っていった。
「楓、変身ウパ!」
「言われなくとも!」
素早くスティック型の携帯端末を取り出した楓は、モニターを開いてその中からとあるアイコンを選択しクリックする。
次の瞬間、人一人分の大きさのホログラムが楓の目の前に出現した。
『システム起動、変身対象者を美汝楓と確認。付近の端末に強制アクセス開始……アクセス完了。変身シークエンスオールグリーン!』
「変身!!」
勢い良くホログラムに跳び込んでいき、パーティー用のドレスからピンクを基調とした戦闘用のバトルドレスへと服装が変化する。
「闇を包み込む優しき光。美少女戦士プリティーフォーチュン、フォーチュンフレア☆」
周囲に漂う粒子端末に一方的にアクセスしてダミー映像を流し込む違法ハッキングツールが発動、星屑の煌きが弾け飛ぶキラキラした背景がマッピング映像で表現される。ピンクを基調としたバトルドレスを身に纏った美少女戦士、美汝楓が優雅にターンを見せつけポーズを決めた。
「……何なんだ、この全身に走る寒気は? ここはいつから厨二病ワールドに侵食されたんだ」
最もな意見を龍平が述べた。こんな情景を初めて見た者なら、どうしても楓を『イタイ子』と思ってしまう。
だが、
「あー、でも……エロ可愛いからOK❤」
思春期真っ盛りで脳細胞の約九割がピンク色な龍平にとって、例えその存在がイタくともエロいか可愛いければ龍平のキャパ的にはウエルカムなのだ。
「ふ、高岡龍平君でしたっけ? 黒鉄君のお友達は黒鉄君と同レベルなことを言うんですね、なるほどなるほど。ふ、ふふ、うふふふふ……」
薄い笑みを浮かべる楓から異様な冷気が発せられる。それを感じ取った英士と龍平の背筋にゾッと冷気が走った。
「あらあら、まるで幼い頃の英士みたいでますます気に入ちゃった❤」
「俺達に義妹ができるのも時間の問題だな♪」
眞と愛衣のガヤが楓の耳に入り、頬が熱を持ったように夕焼け色に染まり冷酷スマイルが強制解除される。
「そ、そんな、私が義妹だなんて……❤」
抱いていた怒りも何処かへ吹っ飛び、キラキラ乙女妄想モードへと意識が浸る。
勝手に自分の結婚相手が確定されつつあるのが不本意ではあるが、今この瞬間だけは助かったと英士は胸を撫で下ろし、安堵の息を漏らす。
「だ・か・らー、ワシを空気扱いするなと前にも言ったじゃろうがぁ!!」
同じく空気のような存在の利創堂里と美汝幻栄の二人でさえ、キウムを「あ、まだいたんだ」という顔で見ていた。
「お、おのれー、ワシを完全に馬鹿にしおって……」
ワナワナと体を震わせ怒りを最大限に表すキウムは、メタルプレートを取り出して高々と見せつけた。
「出でよ、オコル」
バシャッ!! と水が弾けたような音を一同が認識した時には、キウムのメタルプレートを持った手が腕ごと切断されていた。キウム本人も一体自分に何が起こったのか理解が追いついていない。腕の付け根から赤黒い液体が噴水のようにやたらと飛び散っている。片方の腕の感覚が無いことに気がついた時にようやく認識が追いついた。
(そうか、ワシの腕は切断されたのか)
事実を受け入れた瞬間、焼き焦げるほどの熱と釘を打ちつけられたような激痛が同時に全身へと走り渡った。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?!?」
言葉にならない奇声を上げて地獄の苦しみを味わうキウム。
急に飛び込んできたグロテスクな光景に楓は悲鳴を上げることも忘れ、思わず手で口を隠し絶句した。
「ワシの、ワシの腕がぁ、ばぁうわぁっ!?」
グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサ!!!!!!
もがき苦しむキウムに安らぎを与えず、鉄パイプと同サイズの大きい針が容赦無く老婆へと次々に襲い、突き刺さった。何本も針が刺さりもう誰なのかさえ判断できない顔面に、臓器が突き破られた腹からプラーンと臓器がはみ出る地獄絵図が完成した。
「うぐっ!?」
死体を見慣れていない楓は急な吐き気に襲われ、人前にも関わらず口から戻してしまった。
愛衣が吐いてる様子を男達に見せないように寄り添い、楓の背筋を擦る。
「死体を見るのは初めてだったのね、しょうがないわ」
「……愛衣さんは大丈夫なんですか?」
「ええ……、これが初めてじゃないから」
止まらない吐き気を無理矢理にでも押し殺した楓は、立ち上がって英士達が見ている視線の先を追った。
「ふむ、貴様らのためにうるさいハエは始末してやったのだが」
身に纏う物全てが高級ブランドで、中世ヨーロッパの貴族を連想させる男。
「予想通り、黒幕ってのがこんなにもご丁寧に登場してくれるとはな」
「ほお、我の存在を予期していたと?」
「いいや、俺自身が餌になってあんたを誘い出したってところかな? 楓さんには悪いけど、この機会を利用させてもらった」
楓からパーティーの招待状を貰った時は正直断ろうとしたが、『ユートピア』での一件以来、有耶無耶になっていたことを解決するのに良い機会だと思い、眞と愛衣に相談した上で参加した。自分達の日常を脅かす輩を排除するために。
「ここ何日か気持ちがモヤモヤしてたからな、やっとスッキリできる」
英士は関節をパキポキと鳴らし、冷静な顔を保ちつつ瞳に戦闘の意志を宿していた。
「それは俺達も一緒だ、英士!」
「英士に生じた問題は利創の問題にも等しいの。だから……」
「「俺達(私達)も闘う!!」」
二人ともご自慢のポーカーフェイスは消えており、男にギンとした鋭い眼光を睨み殺すように放っている。
そして、
「来い、フツヌシ!!」
「おいで、ウズメ!!」
二人の掛け声に音声認証システムが反応し、星屑のような煌きを放つデータ粒子が二人の周囲に出現する。データ粒子が集結していき光の眉の如く全身を包み込む。やがて光は形を形成し終えると、ガラスが砕けたように飛び散った。
白一色の学ラン、日の丸が描かれたハチマキと、運動会の応援団長のような格好になった眞。両手にはオブジェクトデバイスの刀が握られている。
一方で愛衣は、ヘソ出しのセパレートタイプな巫女衣装、袴に似せた赤いミニスカートへと服装が変化していた。彼女の両手にもオブジェクトデバイスの扇が握られており、首の周りには半透明な桃色の羽衣が浮いている。
「なるほど、そこの利創のガキ二人はオブジェクターだったか。ちょうど良い、ジョン、メアリー!」
「「はい、ボス!」」
今まで何の気配も無かった所からいきなりジョンとメアリーの二人が、まるで時代劇に出て来る忍者のように現れた。
「そこのオブジェクター二人の相手をしてやれ」
「承知しました」
命令を承諾するやいなや、ジョンとメアリーは利創の双子を睨み付け、
「そういうことだ。そこの女はこのあたしが、そっちの男はこっちのジョンが、それぞれ相手をしてやる。先にこの部屋から出て待ってるぞ」
そう言い残すと瞬時にジョンとメアリーは煙の如く消え去った。
「それじゃあ英士、私達はあの愚か者を始末してくるから。後は大丈夫よね?」
「ああ。それに昨日の夜と今日家を出る前に言っちゃったからね、『もう迷わない』って!」
義弟の力強い言葉と頼もしくなった顔を目にした愛衣は、ちょっと嬉しいようで寂しいような切ない思いに一瞬浸るが、ニッコリと微笑んで英士を抱き寄せて頭を撫でた。
「良い子ね、流石は私の義弟❤」
「は、恥ずかしいよお、お義姉ちゃん……」
英士が頬を赤らめていると、
「この闘いが終わったら……3Pしましょう☆」
ゴチン!! と英士の渾身のゴットハンドが愛衣の頭に大きなこぶを作った。
「どうして我が娘はあんなになってしまったんだ?」
「もう諦めろ堂里、あれは母親に似たんだ」
あんな兄妹を持つ親は大変だなーと傍観していた龍平に、眞から添付ファイル付きのメールが送られてきた。
「龍平、今送ったメールの内容を父さん達とチェックして、協力してやってくれ。そういうの得意だろ?」
添付ファイルを開き依頼を確認した龍平は、得意そうにニヤリと笑みを浮かべた。
「まあな☆ んじゃあ、ここにいても邪魔になるだけだし、この英雄の二人を連れてこの依頼をさっさと済ませるよ。良いですよね?」
別に断る理由も無いので堂里と幻栄の二人はコクリと首を縦に振り、龍平と共にこの場から去って行った。
「じゃあ、俺達も」
「ええ」
眞と愛衣は互いにアイコンタクトを取り合い、瞬身の術の如くこの場から姿を消した。
「さて、このまま我が貴様ら二人を相手にするのも良いのだが……。せっかくだ、そこの美少女戦士に相応しい相手を用意してやろう」
男は自分の端末を取り出しモニターを開くと、楓を見るやいなや毒々しい笑顔を放った。そして画面をクリックして何かをオブジェクト化させた。
データ粒子の一つ一つが集結し、物体を形成していく。
それは人だった。ゴージャスな白いドレスを身に纏った女性で、楓とルンバが幾度となく見た覚えのある人物。生気が感じられず額に穴が空いていて、頭にヘッドギアが装着されている。そんな幾つかおかしな点があるものの、楓とルンバの二人には見間違いようもない人物だった。
「楓、あれって……」
「じょ、女皇陛下!?」




