Turn-Signal
思い出したように、あたりで点滅する。
道の向こう側。
駅のこっち側。
坂道の上。
階段の下。
地面の反対側だって、絶えず、その光は光っている。
何がしたいわけじゃない。
自分はここにいるよ。
しいて言えば、そう言っているだけ。
どうしたいんだい?
そう聞いてくる光。
そこに行きたいんだ。
そう答える光。
自己主張の強い。
時々、警告するように。
短く、短く。
点滅して。
しばらくすると、消えていく。
何がしたいのか、わからないよ。
つぶやいた瞬間、光がともった。
わかったよ。
今日は、回れ右。
でも、光っているときは、大体は、危ない時だ。