ここはどこ、私はだれ?
久しぶりに書いた上に改名までした、織田秀吉改めDONEですm(_ _)m
これからも、よろしくお願いいたします。
ーうわァァァァァァァァァァァァァァ!
気づくと俺の体は地面に吸い寄せられるように、空から勢いよく落下していた。
風圧で開きにくくなった目をなんとか開きながら下の方を確認する。
下はどうやら草原になっているようだ。しかし、今はどうでもいい。
助かる見込みは無いかと周りを見渡す余裕も無い。諦めるしかなさそうだ。
地面まであとどれくらいあるのだろう。よく、わからないが。目を閉じると身体が軽 くなっていく感じがした。
ーーこれが、死ぬ直前に時間がゆっくりになるってやつか…。
だが、しばらくしてから異変に気がついた。
気のせいかもしれないが、もう十分以上こうして落下し続けているのだ。
目を開けて確認して見ようと思ったらドスンという音と共に背中に痛みが襲いかかってきた。
どうやら地面についたようだが、身体が思うように動かない。
身体が痺れているようなのだが、原因がわからない。
くそっ、せっかく助かったの……あれ?なんで、俺は空から落ちてたんだっけ。
ーーわからない。てか、俺って誰だよ?
どうやら、一時的な記憶喪失を起こしているようである。
とりあえず、可能な限り身体を動かそうとしてみる。まさか、身体の動かし方まで忘れたわけではあるまい。だが、身体はピクリとも動かなかった。首が幾分か動くだけである。
なんで、俺は空から落ちてきて、今なんで生きてるんだろう?
ーーガサガサ。
足音が聞こえる。それはだんだんと近くなり、俺の耳元で止まる。
「大丈夫?」
女性の声だった。それは、とても心地の良い声だった。
答えようと、必死に声を出そうとするが、かすれた声しか出ない。
「あれ?もしかして……えいっ!」
そう言うや否や、突然俺の身体が緑色の光に包まれた。
「これで、声、だせる?」
また、必死に声を出そうとするが、やはり声はかすれたままだ。
「やっぱりそうだ!たまに、出るんだよね、何故か空中から落ちてくる人。実は私もその中の一人なんだよ!エヘヘ」
なるほど、だったら、聞きたい事があるが残念ながら今は聞けないようだ。声が出ない。
「あ、とりあえず私の家まで運ぶね?十分に回復してから、質問に応じるから」
なぜ、俺の考えている事がわかったのだろう。
「んー?あ、なんで俺の考えていることがわかったの?って顔してるね?まあ、答えてあげると、私も君と同じ状況だったから…かな」
ふむ、まあ、突然こんなとこに落ちてきて、よくわからない場所によくわからない人間に連れていかれたら不安だろうな。特に彼女は女だから。
そこからはよく覚えてない。まるで、死んだかのように、ぐっすり眠っていたからだ。
☆☆☆
目が覚めると、俺はフカフカのベットの上で寝ていた。なんとも、高そうなベットだ。
その傍ではさっきの少女が寝ていた。起こすのも悪いので、もう少し俺も寝ることにした。
だが、俺はなんなのだろう。意味がわからない。
なんの為に俺は存在しているのだ?帰る場所はあるのか?
考えても思い出せない。
「ハハハ…」
何故か笑い声が出てきた。
俺の声のせいで、少女も起きたようだ。
「ふぁぅ……あれ?起きてるじゃん!もう、声出る?」
多分大丈夫だと思う。何故か今は先ほどとは違って身体の調子が良い。
「あー、あ、大丈夫だ。ちゃんと出るようになってる」
「よかった…。もう、大丈夫だよ!私も声が治ったら、そこからはずっと元気だったから!」
「そうなのか…。質問いいか?」
「お、そういや、それが目的だったねぇ。どうぞ!」
「いや、まあ目的っつーか、まあ、いいや。俺さ、全然記憶にないんだよね、自分に関することが。だから、お前もそうだったのかな?もし、そうだったのならば今はどうしてるのかを参考までに聞きたい」
「…私も記憶はなかったよ。だから、今はこの村で色々仕事手伝って生きてる。名前もこの村の人につけてもらったの」
俺はどうすれば良いのかわからなかった。
この村に居ても良いのだろうか?迷惑じゃないだろうか?だが、この村以外にはよく知らない。いや、この村ですら全く知らない。
「もし、迷惑じゃなかったらこの家に住む?」
「え?」
「だから、この家に一緒に住む?って聞いてるの!」
「いや、良いのか?こんな、見知らぬ人を勝手に家に住まわせて」
仮にも男女だ。ひと夜の過ちが起こらないとも限らない。別に期待しているわけではなく。
「勝手にじゃないよ!ここは私の家だし!…それに、仕事も、手伝って欲しいしね」
チョロっとでたベロが可愛らしい。それが、本音か…。まあ、仕事ぐらい、手伝ってやろう。なにより、可愛いし。
「そう言うことなら、よろしく頼む」
「ほーい、こちらこそだよ!それより、不便だから、名前をつけてあげるよ!何がいいかなあ…」
ウーンウーンと唸りながら考えているが
「アスマ…なんて、どうかな?」
とすぐに聞いてきた。
俺はこの名前は割と好きだった。だから別に断る理由もなかった。
「わかった、じゃあ、俺は今日からアスマだな。んで、お前の名前は?」
「ャョィ………」
何故か声がちっちゃかった。
「名前、気に入ってないのか?」
「そういうわけじゃないよ?…ただ、恥ずかしくて…!」
「恥ずかしがらなくてもいいだろ、良い名前じゃん、ヤヨイって」
「ホントに?」
「ああ、ホントだ」
「そっか」
ホッとしたのか、口から大きな息をした。
「あ、そうだ。俺が倒れている時にヤヨイが、なんか俺の身体にしてたじゃん?なんか、
緑色の光が俺を包んだやつ。あれって何?」
「ん?ヴァイスのこと?」
俺にはこの言葉が理解できなかった。