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また、同じ、あの夢を見た...
目を覚ましても、
重苦しい気分だ。
まだ、薄暗い。
時計の針は、5時を指していた。
学校は、8時半からだ。
もう一度、寝られる時間...
しかし、あの夢のことを思い出すと、
冬馬は、もう一度、寝る気にはなれなかった。
枕の下に置いてある、黒塗りの木刀。
軽く身支度を整え、
いつものように、13階建てのアパートの屋上に、冬馬はあがった。
稽古の時間だった。
いまだ、冷めやらない、
あの夢の残香を、振り消すように、
冬馬は、木刀を、振り下ろした...
遠くに見える、街の河川に、
冬の朝陽が、冷たく、きらめいていた。




