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青春の紙飛行機  作者:
1/7

プロローグ





 紙飛行機を折るのが、小さい頃から好きだった。

 





 僕が幼い頃、祖父が紙飛行機をよく折っているのを間近で見ていた記憶がある。

 祖父は、様々な形をした紙飛行機を折っていた。


 ある日、祖父は僕に聞いた。


 「おじいちゃんの作った紙飛行機の中で、どれが一番好きなんだい?」


 幼い頃の僕には1つだけ、祖父が折った紙飛行機の中で本当に気に入っていたものがあった。

 僕はすぐに「それ」を指差した。「それ」の名前を、僕はまだ知らなかった。


 「これはなんていうひこうきなの?」

 「これかい? これは――『はばたきカモメ』って言うんだよ」

 「かも……め?」

 「そう、カモメ。おじいちゃんの大好きな鳥さ」

 

 祖父はカモメが好きだったらしい。

 

 「いいかい? この飛行機はね――人の思いを大切な人に届けさせてくれる素敵な紙飛行機なんだ」

 「おいおい父さん、そいつはまだ小さいんだ。そんな話をしても分からないだろ」


 後ろから聞こえてきたのは、僕の父の声だ。


 「分からなくてもいい。ワシが自己満足で話したいだけなんだ。

 この『はばたきカモメ』は思い出の飛行機だから」

 「おもいで……」

 「何か思いを伝えたい時――この紙飛行機を飛ばすんだ。……きっと、その思いは届くはずだ」


 祖父はそう言って、笑った。

 僕は余計にその『はばたきカモメ』が好きになって――すぐ、祖父にこう言った。



 「作り方、教えてっ!」



 ◆




 カモメは、人の思いを大切な人に届けるらしい。

 だからあの日、高校二年生の冬、季節外れのカモメが翔んだ。


 ――僕の甘酸っぱい青春と、募った思いを風に乗せながら。


 

 僕の初恋の話をしよう。

 遡る記憶。確かあれは、高校二年生の秋――。


 これは、たった数ヶ月の、カモメが羽ばたくまでのお話。

 

 

更新が不定期になったしまうとは思いますが、こんなお話を書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

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