第百章 銀河警察総力戦!ドタバタの果てに
ついに迎えた記念すべき第百章。
ノヴァ・リュミエール号のクルーたちが銀河警察に巻き込まれてからというもの、ドタバタ続きの事件が絶えなかった。そして今、銀河を騒がせてきた宇宙海賊団が最大規模の艦隊を結集し、同盟領への大規模侵攻を開始する。
迎え撃つは銀河警察総力戦――だが、その最前線にまたしてもアストラたちが放り込まれるのだった。
果たして彼らの胃痛とドタバタは、銀河を救う鍵となるのか。
「はぁ!? 総力戦!? 何でまた僕らが最前線なのさぁぁぁぁ!」
アストラの悲鳴がブリッジに響いた。
「銀河警察の指令です。逃げ場はありません」マリナが淡々と答える。
「いやぁぁぁ! せめて後方支援に……!」
「アストラ、私たちの船は“ドタバタ運用”で有名になったんだから、最前線に置かれるのは当然よ」リーナが苦笑した。
「そんな名声いらなぁぁぁい!」アストラは頭を抱えた。
やがて戦場宙域に到着すると、そこには銀河警察の艦隊が整列していた。旗艦から司令官の声が飛ぶ。
『各艦、配置につけ! 本作戦は全艦の総力を挙げての迎撃である! ……なお、ノヴァ・リュミエール号は囮役を担当せよ!』
「え、囮!? ちょっと待っ……」
説明を最後まで聞く前に、カイが大喜びで叫んだ。
「やったぁ! 僕らの光源がついに主役だ!」
「いやいやいや! 囮って、つまり一番危険ってことだよね!?」アストラは絶叫する。
そこへ敵艦隊が一斉にワープアウト。無数の宇宙海賊船が闇の中から姿を現す。
「うひゃぁぁぁぁ! 数が多すぎる!」
「落ち着いてアストラ。私たちが囮をやれば、他の艦隊が有利になるの」マリナが冷静に告げた。
「それ、僕の寿命と引き換えじゃん!」
敵旗艦から通信が入る。
「ほぉ……また会ったな、ドタバタ船団! 今回はこの銀河ごと沈めてやるぜ!」
「だから“ドタバタ船団”って呼ぶなぁぁぁぁ!」
激戦が始まった。
ノヴァ・リュミエール号は敵艦隊のど真ん中に突っ込み、アストラは必死に操縦桿を握る。
「うわぁぁぁ! 左からも右からも撃たれてるぅぅぅ!」
「アストラ、右45度に回避! カイ、光源全開!」
「おう! ピカァァァァッ!」
カイの放つ光が敵艦の照準を狂わせる――が。
「ぎゃあぁ! 味方艦隊まで眩んでるじゃないの!」リーナが怒鳴る。
「し、仕方ないだろ! 囮だし!」カイは苦笑い。
敵弾をかいくぐりながら、マリナが指示を飛ばす。
「輸送船の退避路を確保するのよ!」
「そんな余裕ある!? 僕もう死ぬかも!」アストラは泣き叫ぶ。
そのとき、敵旗艦がノヴァ・リュミエール号に狙いを集中した。
「さあ終わりだ! ドタバタ船団!」
「終わらなくていいからぁぁぁぁ!」
だが――リーナの瞳が鋭く光った。
「敵旗艦のエネルギー炉に過負荷が! 今なら一点突破できる!」
「よし! 突っ込め!」カイが叫ぶ。
「うわぁぁぁ! やっぱり突っ込むの!?」アストラは半泣きで操縦桿を押し込む。
ノヴァ・リュミエール号が敵旗艦に接近、全火器を集中射撃。さらにカイの光源が目くらましとなり、マリナの指示で完璧な角度から砲撃が命中する。
「ぎゃあぁぁぁ! やられたぁぁぁ!」
敵旗艦は大爆発を起こし、海賊艦隊は総崩れとなって撤退していった。
「……し、死ぬかと思った……」操縦席にへたり込むアストラ。
「囮作戦、成功ね」マリナが淡々と頷く。
「僕の光源、今回ばかりは役に立っただろ!」カイは満面の笑み。
「いや……敵も味方も同時に眩ませただけだったよね……」リーナが冷たく突っ込む。
だが結果的に、銀河警察の総力戦は勝利に終わった。
そしてアストラたちは、またしても「英雄」と呼ばれる羽目になるのだった。
記念すべき第百章は、銀河警察総力戦の中での大ドタバタとなりました。囮役という最も危険な任務を押し付けられたノヴァ・リュミエール号でしたが、結果的に海賊艦隊を撤退させる決定打を放つことに成功しました。




