第六十一章 未知宙域の冒険!新たな出会いと謎の信号
星雲を脱出したノヴァ・リュミエール号は、ようやく安堵のひとときを迎えた――かと思いきや、未知宙域で不可解な信号を受信する。新たな冒険の予感に、アストラたちのドタバタは止まらない。
「ふぅ……やっと星雲を抜けたね」
リーナが窓の外を見やる。光の粒子が舞う星雲の余韻がまだ残っていた。
「休暇は……やっぱり遠いな」アストラは溜息をつき、操縦席の背もたれに沈み込む。
「まったく、いつも通りのドタバタだわ」マリナは計器をチェックしつつ微笑む。
「でも、船体は無事。航路も確保できてる。これからは未知宙域の探索ね」
その時、通信室から異常信号の警告音が響いた。
「キャプテン!なんか変な信号を受信してる!」リーナが叫ぶ。
「どれどれ……」アストラが通信パネルを操作すると、未解析の信号が画面に表示される。
『……これは……?』
マリナが眉をひそめる。
「既知の星系通信ではないわね。人工的な信号……だけど、暗号化されている」
「新しい冒険の予感だ!」カイは目を輝かせ、工具箱から奇妙な装置を取り出す。
「僕の解読装置を使えば解析できるはず!」
アストラは頭を抱え、ため息をついた。
「またドタバタしながら新しいトラブル……僕の休暇はいつ来るんだろう」
だが解析を始めた途端、船体の外に何かが映った。
霧の中に漂う影の塊――人型の艦船か、あるいは宇宙生物か。
「な、なにこれ!?巨大な船か、それとも生命体?」リーナが悲鳴を上げる。
マリナが計器を操作しつつ冷静に分析する。
「動きは知能的……人工的な船の可能性が高いわ。接触してきそう」
「え、接触って、襲ってくるってこと!?」アストラが全力で焦る。
しかし影の正体は、敵意を示さず、むしろ一定距離を保ちながら追従してきた。
「不思議……」リーナが小声でつぶやく。
「攻撃する気はないようだわ」マリナも眉を寄せる。
カイは嬉々として花火装置を準備。
「もし襲ってきても、僕の光で威嚇できる!」
「やめろぉぉぉ!まだ友好的かもしれないのにぃぃ!」アストラが絶叫。
解析装置が信号の解読に成功しつつあった。
「……なんだこれ、SOSみたいなもの?」リーナが目を丸くする。
「未知宙域で遭難?まさか、僕らがまた巻き込まれるフラグ!?」アストラは震える。
信号の発信源を追跡すると、そこには小さな惑星のような浮遊体があった。
「惑星……いや、宇宙ステーション?」マリナが考え込む。
「未知の文明か!探索チャンス!」カイが胸を高鳴らせる。
「キャプテン!行ってみよう!」
「いや、ちょっと待って!まだ信号の正体も分かってないのに、どうして皆行くの!?」
結局、アストラは無理やり操縦桿を握らされ、ノヴァ・リュミエール号は信号の源へ向かうことに。
船体がゆっくりと浮遊体に接近すると、そこは見たこともない構造物だった。光を反射する六角形の壁、浮遊するプラットフォーム……幻想的で、どこか機械生命体の匂いを感じさせる。
「ここが……未知文明の跡地……?」リーナが息を呑む。
「いや、単なる遺跡じゃない。何かが動いてる……」マリナが警戒を緩めない。
船が接近した瞬間、光の柱が立ち上がり、まるで船を誘導するかのように空中に軌道を描いた。
「え……誘導されてる?」アストラが驚く。
カイは目を輝かせた。
「これは……僕の冒険心が騒ぐパターンだ!接触せねば!」
「いやぁぁぁ!まだ僕は休暇を――!」
こうして、ノヴァ・リュミエール号は未知宙域で新たな出会いと冒険に巻き込まれていった――もちろん、いつも通りのドタバタ満載で。
未知宙域での信号は、アストラたちを新たな冒険へと誘う謎の呼びかけだった。
果たしてその正体は文明の遺跡か、それとも未知の生命体か――。ノヴァ・リュミエール号の航海は、まだまだ予測不能なドタバタが待ち受けている。




