表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星間乱舞!キャプテン・アストラの大英雄譚 銀河の黎明(ぎんがのれいめい)  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/76

第五十六章 銀河警察の追跡!逃げ場なしの大混乱

影の艦隊に襲われた直後、まさかの銀河警察に“犯人”扱いされたアストラ一行。ノヴァ・リュミエール号は板挟みの中、逃げ場を失う。果たして彼らは、この前代未聞の誤解から生還できるのか――?

「こちら銀河警察!ノヴァ・リュミエール号、直ちに投降せよ!」


艦橋に鳴り響く警告。

アストラは頭を抱え、全身から汗を吹き出していた。


「ど、ど、どうするのこれ!?降参したら捕まるし、逃げたらもっと怪しまれるし!」


「キャプテン、落ち着いて!」リーナが必死に肩を揺さぶる。

「無理だよぉぉぉ!僕の心臓がもたないぃぃぃ!」


一方、マリナは冷静に状況を分析していた。

「艦数は十隻以上。全方位を囲まれているわ。突破は……不可能」


「じゃあ詰んでるじゃない!」リーナが半泣きになる。


「大丈夫だ、俺に任せろ!」カイが胸を張る。

「こういう時のために“花火四号”を開発しておいた!」

「ちょっと待って!?まだあるの!?」アストラが絶叫。


カイが取り出したのは、明らかに船よりデカそうな膨張式の花火装置。

「これを爆発させれば、警察のセンサーを一時的にジャミングできる!」

「いや、爆発って言ったよね!?また船ごと吹き飛ばす気!?」


その時――。

《影の艦隊、撤退を開始》という報告が響いた。


モニターを見ると、黒い艦影は霧のように散り去っていく。

「え?え?なにこれ?」リーナが目を丸くする。


マリナは低くつぶやいた。

「奴ら、最初から私たちに濡れ衣を着せるのが目的だったのよ」


「ってことは……僕ら完全に犯人扱いじゃん!」アストラは頭を抱え、床を転げ回った。


警察艦隊は一斉に砲門を向ける。

「ノヴァ・リュミエール号、抵抗は無駄だ。停船せよ」


「わ、わぁぁぁぁ!撃たれる撃たれる撃たれるぅぅ!」

アストラの悲鳴が艦橋に響き渡る。


「キャプテン!」リーナが叫ぶ。

「今は逃げるしかない!」


「逃げる!?こんな包囲網を!?」


マリナは操作パネルを叩きつけるように動かした。

「重力波を逆利用する!この宙域の微小ワームホールを通れば……あるいは!」


「ちょ、ちょっと待って!?そんなギャンブルで船ごと吸い込まれたらどうするの!?」


「その時は……諦めるしかないわね」


「軽っ!!!」


しかし、選択肢はなかった。

「全員、衝撃に備えて!」マリナが叫ぶ。


カイは花火四号を片手にニヤリ。

リーナは座席にしがみつき、目をぎゅっと閉じた。

アストラは泣きながら操縦桿を握る。

「うわぁぁぁぁ!僕の休暇はどこ行ったのぉぉぉ!」


次の瞬間――ノヴァ・リュミエール号は光に包まれ、ワームホールへ突入した。


ドォォォォンッ!!!


……そして。


気がつけば、艦は静かな宙域に漂っていた。

外の景色は、見たこともない星雲。


「……生きてる?」リーナが恐る恐る目を開ける。

「生きてる……!僕、生きてるぅぅぅ!」アストラが涙を流して喜んだ。


マリナはため息をつく。

「どうやら成功したわね。ただし、ここがどこかは全く分からないけど」


「……迷子ってこと?」リーナが青ざめる。

「まあ、そうなるな」カイがあっけらかんと笑った。


艦橋の空気が重く沈む。

「銀河警察に追われ、影の艦隊に狙われ、そして……迷子」

アストラは椅子に崩れ落ちた。

「……誰か、僕に休暇を……」

影の艦隊の策略により、銀河警察からも追われる身となったアストラたち。命からがらワームホールを抜けた先は、未知の宙域。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ