第四十七章 豪華客船での航海!大波乱ドタバタクルーズ
宇宙ホテルでの休暇が大乱闘に終わったアストラ一行。だが彼らは懲りることなく、今度は「豪華宇宙客船」でのクルーズ旅行に挑む。優雅な音楽、広大なプール、銀河最高峰の料理……夢のようなひとときのはずだった。――だが、そこに待っていたのは海賊の襲撃、謎の密航者、そしてお約束の大騒動だった!
ノヴァ・リュミエール号を一時停泊させたアストラたちは、招待状を手に「銀河最大の豪華宇宙客船〈エターナル・オデッセイ〉」に乗り込んでいた。
「見ろよ!あのシャンデリア!プールに噴水!しかも宇宙に浮かぶ庭園まで!」アストラは目を輝かせる。
「休暇って言うより……研究対象が山ほどだな!」カイがメモを取り始める。
「お願い、今度こそ事件に巻き込まれないでほしいわ……」リーナは祈るように両手を合わせた。
「もう無理だと思う」マリナが冷静に突っ込んだ。
出航の合図と共に、客船はきらめく星々の中を優雅に進んでいく。船内ではパーティーや舞踏会が開かれ、各惑星から集まった富豪たちが贅沢を競い合っていた。
「キャプテン!こっちのプールは無重力仕様ですよ!」
カイが飛び込み、空中に水の球を飛ばす。
「わーっ、顔に飛んだ!」アストラがびしょ濡れに。
「子どもみたい……」リーナは呆れながらも笑みを浮かべた。
しかし、のんびりした時間は長く続かなかった。
客船の警報が突然鳴り響く。
『緊急事態!不審な船影接近中!全乗客は避難を!』
「えぇ!?もう事件!?」
「ほらね」マリナが冷静に言う。
現れたのは、銀河の海賊団〈赤銅の牙〉。武装艇で客船を取り囲み、財宝を狙って突入してきた。
「こんな豪華船を狙わないわけないか……」リーナが眉をひそめる。
「よし、僕らの出番だ!」アストラが飛び出そうとする。
「キャプテン!客として目立たない行動を!」リーナが止める。
「無理だな。あの人、立ってるだけで目立つ」マリナが冷ややかに呟いた。
海賊たちはホールに乱入し、客を人質にとる。ところが、その中に混ざって「怪しい密航者」もいた。彼はなぜかアストラを見て叫ぶ。
「キャプテン!助けてください!」
「え、知り合い!?誰!?僕知らないよ!?」アストラは大混乱。
密航者は実は“銀河警察の潜入捜査官”だった。しかし彼のドジで正体がバレ、逆に捕まってしまったのだ。
「助けてくださいキャプテン!任務が失敗すると僕クビなんです!」
「なんで僕に頼むの!?」
結局、アストラたちは乗客を守るため、海賊団に立ち向かうことになった。
カイは厨房から「超巨大カニの甲羅」を持ち出し、即席の盾にして大立ち回り。
「科学の力だ!」
「それただの料理!」リーナがツッコむ。
マリナはバルコニーを飛び移り、海賊の頭上にシャンデリアを落として大混乱に。
「優雅な演出、でしょ?」
「いや、演出ってレベルじゃないから!」アストラが慌てる。
そしてキャプテン・アストラは、まさかの「無重力プール戦」で海賊船長と直接対決。
「ふはは、泳げるか?キャプテン!」
「任せろ、こう見えても水泳大会で三位だ!」
「微妙な成績!」リーナが突っ込む。
水の球が空中に散らばる中、アストラは見事に船長をノックアウト。
やがて銀河警察の巡洋艦が到着し、海賊たちは捕縛された。
「お手柄だ、キャプテン・アストラ!」警察官が感謝を述べる。
「いや、ただ休暇を……」
「休暇でここまで大乱闘って逆に才能だな」マリナが肩をすくめる。
結局、船は無事に航行を再開したが、船長室からは「アストラ一行の乗船禁止を検討中」との通達が出ていた。
「……やっぱり、僕らに休暇は似合わないのかな」
「キャプテン、それ今さら?」リーナとマリナが同時に突っ込んだ。
こうして豪華客船での優雅な旅は、またしても“アストラ伝説”のドタバタの一幕となった。
豪華宇宙客船でようやく休暇を……と思いきや、やはり海賊襲撃と密航者騒動に巻き込まれたアストラ一行。休暇は大乱闘に変わり、結果的にまたも英雄にされてしまう。
次回は――舞台を「銀河動物園」に移し、動物たちとのドタバタ大冒険が待ち受ける!




