第四十五章 宇宙市場の大混乱!取引会場ドタバタ劇
浮遊都市での追跡劇を終えたアストラたちは、次なる寄港地である巨大宇宙市場〈ガラクト・バザール〉へ。銀河中の珍品や交易品が集まる夢の市場――のはずだったが、やっぱり彼らが訪れれば平穏は訪れない。ドタバタと混乱渦巻く取引会場で、伝説(?)はさらに更新されてしまう!
〈ガラクト・バザール〉は、惑星系を跨ぐほどの規模を誇る宇宙最大の市場だ。何千という露店や交易ブースが並び、銀河警察も常に警備に当たる。
「見ろよ、この賑わい!まさに宇宙の縮図だ!」
アストラは興奮気味に叫び、リーナは肩をすくめる。
「いいけど、また事件に巻き込まれないようにね」
「いや、今日は買い物だけ!約束する!」
アストラの言葉にマリナがぼそりと付け足す。
「……その約束ほど信用できないものはないわ」
カイは目を輝かせながら発明素材を物色していた。
「おぉ、この惑星特産の“反重力鉱石”!これさえあれば無限に浮かぶ発明品が作れる!」
「お願いだから今回は爆発させないでよね」リーナが真顔で釘を刺す。
そんな中、取引会場の中央で拍手が巻き起こった。どうやら珍品オークションが始まるらしい。出品されたのは、光り輝く宝珠――「銀河の心臓」と呼ばれる希少鉱石だった。
「おぉ、すごい!本物かどうか確かめたい!」
アストラが身を乗り出すと、突然市場全体に警報が鳴り響いた。
「緊急事態!オークション品が狙われている!全員、その場を動くな!」
会場がざわめく中、フードをかぶった怪しい人物が宝珠を掴んで逃げ出した。
「やっぱりこうなるのね……」リーナは天を仰ぐ。
「追え!今度こそ捕まえる!」アストラは猛然と走り出した。
だが、追跡劇はすぐにドタバタに変わった。
カイが反重力鉱石を即席で靴に取り付けた結果、天井に頭をぶつけて逆さまにぶら下がる。
「うわぁ!?地面が遠い!」
「なにしてるのよ、あんた!」リーナが怒鳴る。
マリナは市場の監視システムを操作するが、誤ってスピーカーをハッキングしてしまい、場内に「特売セール!全商品半額!」という偽放送を流してしまった。
「わあああ!買え!押せ!」市民たちが一斉に雪崩込み、通路はパニック状態に。
「……マリナ、なんでこうなるの?」リーナが呆れる。
「私も聞きたいわよ!」マリナが赤面する。
その混乱の中でも犯人は逃げ続ける。だが、アストラは人波をかき分け、宝珠に飛びかかった。
「お前の好きにはさせない!」
だが勢い余って犯人もろとも露店に突っ込み、スパイスや果物が大爆発のように飛び散る。
「ぎゃあ!目に染みる!」
「スパイスは武器じゃないわよ!」
しかし、そのドタバタが幸いして、犯人は商品に埋もれて動けなくなった。銀河警察がすかさず駆けつけ、犯人を拘束する。
「また君たちか……」警察官が呆れたように言う。
「いや、今回は純粋に偶然で……」アストラが弁解するも、市場の人々は拍手喝采。
「英雄アストラ!」「銀河の守護者だ!」という声が飛び交い、クルー全員がスポットライトを浴びることに。
「ねぇ……買い物どころか、また疲れるだけじゃない?」リーナがぽつり。
「僕は素材も宝珠も触れたし大満足!」カイは笑顔。
「私は……もう“偶然のヒーロー”って肩書きに慣れちゃったわね」マリナは苦笑した。
アストラは胸を張り、「ドタバタでも伝説になるなら上等さ!」と力強く宣言するのだった。
宇宙市場での取引会場は、混乱と笑撃に包まれた。結局、犯罪者はアストラたちの偶然のドタバタにより捕まり、市場は救われる。彼らがどこへ行こうと“事件がついてくる”ことは、もはや銀河の常識になりつつあった。
次章は――宇宙ホテルでの休暇、さらなるドタバタの渦が待ち受ける!




