第四十三章 宇宙港での再大混乱!銀河警察巻き込みドタバタ劇
研究施設での騒動をなんとか乗り切ったアストラたち。次の寄港地は、銀河でも最大級の宇宙港。だが、静かな休暇を望んだ彼らに待っていたのは、休暇どころか混乱と爆笑にまみれた大騒動だった――!
ノヴァ・リュミエール号は、惑星エルディアの軌道上に浮かぶ巨大宇宙港に到着した。ここは数千隻の船が発着する交易の中心地で、観光客も商人も兵士も入り混じる賑やかな場所だ。
「今回は事件に巻き込まれず、ゆっくり休暇を過ごそう!」
キャプテン・アストラは胸を張り、クルーに宣言した。
「……その宣言が一番危ないのよね」リーナは即座に冷静なツッコミを入れる。
「僕は休暇用に『リラックス発明品』を持ってきたんだ!」とカイ。
「休暇で発明品を使うの、すでに休暇じゃないわよね」マリナが呆れる。
そんな会話をしながら宇宙港に降り立つと、突然アナウンスが響き渡った。
「緊急警報!逃走中の犯罪者グループが宇宙港に潜伏!各自、注意を!」
「……まさかとは思うけど」リーナが眉をひそめる。
「いや、偶然だ!僕たちには関係ない!」アストラは無理やり笑顔を作る。
だが、その瞬間――。逃走中の犯罪者が偶然にもアストラたちにぶつかってきた。荷物をひっくり返し、中から違法エネルギー結晶がドサッと転がり出る。
「お、おい!それは俺たちのものじゃないからな!」犯罪者が慌てる。
「証拠物資を確保!」とアストラが反射的に叫び、結晶を拾い上げた。
その場を通りかかった銀河警察の隊員が、それを見逃すはずもない。
「確保したのは君たちか!手柄だ!」
「いや違うんです、これは偶然で……」リーナが説明しようとするが、警察は耳を貸さない。
こうしてアストラたちは、またしても「銀河警察の協力者」として巻き込まれることになった。
――そして始まるドタバタ追跡劇。
カイはリラックス発明品を取り出し、煙を噴射するが……それは「強制睡眠スプレー」だった。犯罪者ではなく、警察官数名がバタバタと眠り込む。
「えぇ!?僕の発明、なんでこんな時に限って!」
「いや、いつもこんな時だから!」リーナが怒鳴る。
マリナは慌てて宇宙港のシステムにアクセスし、出入口を封鎖しようとするが……誤って別エリアの自動販売機を一斉解放。飲料缶が滝のように流れ出し、通路は即席の缶ジュース地獄に。
「ぎゃあああ!足元が滑る!」
「さすがにこれは笑えない!」
だが、その混乱が幸いして犯罪者たちは足を滑らせ、転倒。アストラはすかさず飛びかかり、結晶を取り返す。
「やったぞ!任務完了!」
「任務じゃなくて事故の連続でしょ!」リーナの声が響く。
警察が駆けつけた時、犯罪者たちはすでに缶ジュースまみれで転がっていた。
「さすがはアストラ隊、見事な連携だった!」と警察は感謝。
「いや、違うんです。本当に違うんです……」マリナは力なく笑う。
その後、アストラたちは宇宙港の表彰台に立たされる。市民たちは拍手喝采、新聞記者はカメラを構え、英雄扱いに。
「僕たち、本当に休暇のつもりだったんだけどなぁ……」アストラは頭を掻く。
「このクルーに休暇は存在しないのよ」リーナがきっぱり言った。
こうして宇宙港での大混乱も、アストラたちの「伝説」に加わることとなった。
静かな休暇を望んだはずが、宇宙港での追跡劇に巻き込まれたキャプテン・アストラたち。結果的に犯罪者を捕らえ、銀河警察からは感謝され、市民からも英雄扱いされる。だが、本人たちにとっては疲労と混乱の連続だった。
次章は――浮遊都市を舞台に、さらにドタバタ色濃い追跡劇が展開する!




