第百七十三章 異質な波
共鳴は、調和を生む。
だが――
すべてが調和するとは限らない。
異なるものが接触したとき、
それは“共鳴”ではなく、
“衝突”となることもある。
エコー・ベルトに広がる新たな安定。
その外側から、
明らかに性質の違う“何か”が近づいていた。
◆異常の検知
「……来る」
リーナが低く言う。
モニターに映る波形は、
これまでのものと明らかに違っていた。
滑らかではない。
断続的で、
不規則。
「共鳴パターンに一致しません」
◆違和感
カイが顔をしかめる。
「なんだこれ……
リズムがない」
マリナが静かに言う。
「“繋がろうとしていない”」
◆影の反応
影たちが、
一斉にその方向を向く。
だが、
これまでのように近づかない。
「……警戒してる?」
カイが言う。
リーナが頷く。
「接触を避けてる」
◆接近
異質な波は、
ゆっくりとエコー・ベルトに侵入する。
その進み方は、
共鳴の流れとは無関係。
まるで、
“無視している”かのように。
◆ドタバタ困惑
「いやいやいや、
空気読めよ!」
カイが思わず叫ぶ。
「読まないから問題なのよ」
リーナが即答する。
プクルが慌てる。
「ぷくる!?(へんなの!)」
◆衝突
異質な波が、
共鳴領域に触れる。
その瞬間――
揺らぎが乱れる。
滑らかなリズムが、
一瞬で崩れる。
◆影響
「……共鳴が乱れてる!」
リーナが叫ぶ。
マリナが言う。
「干渉ではない……
“否定”されている」
◆性質
アストラが言う。
「共鳴を受け入れない存在」
「だから、
同調せずに崩す」
◆初接触
影の一体が、
慎重にその波に触れる。
だが――
接触した瞬間、
その影がわずかに歪む。
「下がれ!」
リーナが叫ぶ。
影はすぐに離れる。
◆危険性
マリナが言う。
「適応できない」
「共鳴系とは、
相性が悪すぎる」
カイが息を呑む。
「じゃあどうすんだよ……」
◆ノヴァへの影響
その時、
艦体が強く揺れる。
「うわっ!」
カイがバランスを崩す。
リーナが叫ぶ。
「内部同期、乱れてる!」
◆ドタバタ危機
「今度はこっちまで!?」
カイが叫ぶ。
「共鳴に入ってる以上、
影響を受けるのは当然よ!」
リーナが返す。
プクルが必死にしがみつく。
「ぷくる!?(ゆれる!)」
◆対処の模索
アストラが言う。
「共鳴を維持したままでは、
干渉を受け続ける」
マリナが続ける。
「一時的に切り離す?」
リーナが迷う。
「でも、それだと
均衡が崩れる可能性が――」
◆選択
アストラは短く言う。
「部分的に切る」
「完全には外れない」
◆実行
ノヴァ・リュミエール号は、
共鳴の同期を一部だけ遮断する。
内部と外部の接続を、
最小限にする。
◆変化
揺れが、
わずかに収まる。
「……安定してきた」
リーナが言う。
◆対峙
異質な波は、
ゆっくりと広がり続ける。
共鳴領域を押し返すように。
影たちは、
一定の距離を保ちながら囲む。
◆理解
マリナが言う。
「これは、
“共存できない存在”」
◆カイの疑問
「でもさ」
カイが言う。
「なんで急に来たんだよ」
リーナが考える。
「共鳴が広がったことで、
検知された可能性がある」
◆仮説
アストラが言う。
「あるいは――」
「共鳴そのものに反応して、
現れた」
◆不穏な未来
異質な波は、
さらに深く侵入する。
共鳴は、
少しずつ押し戻されていく。
◆次の戦いへ
カイが拳を握る。
「……今度は協力だけじゃ、
無理そうだな」
プクルが震えながらも鳴く。
「ぷくる……(こわい)」
アストラは、
静かに言った。
「……対応を変える必要がある」
共鳴は、
万能ではなかった。
それを受け入れない存在が、
確かに存在する。
均衡は、
再び揺らぎ始める。




