第百三十三章 銀河泥棒を追え!寝不足クルーの大追跡
突発訓練で夜中じゅう振り回されたノヴァ・リュミエール号の面々。
まともに眠れぬまま、次なる任務が舞い込んできた。
それは――銀河警察の補給物資を盗んだ泥棒船を追跡せよ、という急報だった!
睡眠不足とドタバタの中、果たしてアストラたちはまともに仕事を果たせるのか……!?
◆出動要請
「キャプテン・アストラ、聞こえるか!?」
銀河警察の管制官からの通信が、まだ眠気の残る艦内に響いた。
「……はっ……はい……こちら……ノヴァ・リュミエール号……」
アストラの声は完全に寝起き。目の下には濃いクマが。
「何そのやつれ顔!?」カイが突っ込みながらも、自分も寝不足でふらふら。
「泥棒船が補給拠点から物資を奪って逃走中だ!すぐに追跡して確保してくれ!」
アストラは頭を抱えた。
「なんでよりによって今なんだ……!?」
「実戦は時間を選ばないもの」マリナがきっぱり答える。
「それ昨日の訓練でも聞いたぞ!」
◆寝不足航行開始
ノヴァ・リュミエール号は出発するが……。
「アストラ、進路を!」マリナが叫ぶ。
「よし、目標ベクトルを……zzz」
操縦席で舟を漕ぎ始めるアストラ。
「おい! 寝るなぁぁ!」カイが慌てて揺さぶる。
だが自分もウトウト……二人で頭をカクンとぶつけ合った。
一方、リーナは冷静にレーダーを確認……するが、瞼が半分閉じかけ。
「……接近、物体……数値……見えない」
「寝ぼけ解析やめろ!」
◆泥棒船を捕捉!
ようやくレーダーに、泥棒船の残したイオン痕が映った。
「見つけた!あっちだ!」カイが指をさす。
「よし、全速前進!」アストラがスイッチを叩く。
……が、推進装置ではなく、食堂の照明が全点灯した。
「ぎゃあああ! 目がぁぁ!」
「……お前、ボタン間違えただろ」マリナが冷たい視線を送る。
◆追走ドタバタ
なんとか軌道を修正し、泥棒船に追いついた。
相手は小型貨物船、スピードはあるが武装は大したことはない。
「カイ、牽制射撃!」
「了解! ……あれ?」
カイが発射したレーザーは見事に外れ、近くの隕石に命中。
するとその隕石が弾け飛び、破片が泥棒船のエンジンに直撃!
「ぎゃあああ!」泥棒船が大きく揺れた。
「偶然すぎる……」アストラが呆然。
「私の狙い通り」カイが胸を張る。
「いや絶対違う!」
◆捕獲作戦
「よし、今だ! トラクタービームで捕らえろ!」
マリナの指示に従い、リーナが操作を開始するが……。
「……うとうと……」
眠気で手元が狂い、プクルをビームで捕らえてしまった。
「ぷくるるる!?」
「違う!そっちじゃない!」
だがその間に、泥棒船は慌てて旋回――そこでプクルが暴れてビームを乱反射。
結果、泥棒船の船体に直撃して動きを止めた。
「え……止まった?」
「……プクルのおかげ」リーナが淡々と結論づける。
◆任務完了?
泥棒船の中からは、盗まれた食料や部品が見つかった。
乗組員は全員捕縛され、銀河警察の補給所へ送還されることに。
管制官の声が再び届いた。
「ノヴァ・リュミエール号、よくやった!素晴らしい働きだ!」
「……ありがとうございます……でも俺たち……もう眠いです……」
アストラはその場でガクッと倒れ込む。
クルー全員も同時に床に転がり、まるで戦いよりも眠気との戦争に敗れた戦士たちのようだった。
こうしてまたもや偶然の連鎖で、ノヴァ・リュミエール号は銀河警察の任務を果たしてしまった。
だが寝不足の代償は大きく、クルーは全員数時間の強制休養に突入することに。
次回は――休む間もなく、新たな珍事件。




