第百四章 監視任務?いやドタバタ潜入再び!
銀河警察から命じられた監視任務。
影の艦隊の動向を逐一観測するだけ――のはずだった。
しかし、ノヴァ・リュミエール号とアストラたちのこと。
「静かに任務をこなす」なんてことは、銀河規模のドタバタが許すわけがない。
銀河警察本部から派遣されたノヴァ・リュミエール号。
任務は極めて単純だ。
「造船所周辺を監視し、異常があれば報告。以上」
司令官はそう簡潔に告げた。
「なるほど、監視か……簡単じゃん」アストラは安堵しかけた。
「いやいやいや、監視って言ったって、敵が影の艦隊よ?」カイは興奮気味。
「それに私たちの監視はドタバタ付きでしょ……」リーナはすでに覚悟の表情。
監視を開始した初日。
「静かに……静かに……」アストラはブリッジの操縦席で指を震わせながら呟く。
「え、こんなに静かで大丈夫なの?」カイは不満そう。
「静かだからこそ怖いのよ……」マリナが冷ややかに答える。
ところが、潜入中のある瞬間。
「おっと、あの警備ロボ……気付かれる前に回避!」アストラが急ハンドルを切る。
「おいおい、監視って言ったのにもう接触してるじゃん!」カイが大声。
その直後、警備ロボが赤いランプを点滅させて警報を発した。
「ぎゃあぁぁ! やっぱりバレた!?」アストラは青ざめる。
「いや、バレたわけじゃない。誤作動よ」リーナが冷静に確認。
「誤作動!? その誤作動、毎回大騒ぎになるんだよ!」アストラは叫ぶ。
その後も監視は順調とはほど遠かった。
カイは光源を使って周囲の警備を撹乱し、逆に味方の船団まで眩ませる。
「ちょっとカイ! 味方も混乱してるじゃない!」アストラが叫ぶ。
「これも戦術だよ!」カイは得意げ。
「戦術っていうか単なる混乱だろ!」
さらに、潜入中のアストラたちは偶然、影の艦隊の機密データが集まる倉庫に迷い込んでしまった。
「ここ……まさかの情報室?」アストラが目を見開く。
「チャンスよ! データをスキャンして持ち帰るわ」マリナは手早く端末を操作。
「え、監視だけじゃなかったの!?」アストラは愕然。
「これも監視の一環よ!」マリナは淡々と答える。
ところが、スキャン中に警報が再び鳴り響く。
「ひぃぃぃ! 今度は完全にバレる!」アストラが絶叫。
その時、カイがまた奇策を思いつく。
「僕の光源を最大にして、敵の視界を塞ぐんだ!」
「やめてぇぇぇ!」アストラは両手で顔を覆う。
光の閃光が走り、倉庫内は一瞬真っ白に。
敵兵は混乱し、互いにぶつかり合い、混乱の渦に巻き込まれる。
「よし! この隙に脱出!」マリナが叫ぶ。
「胃が……もう限界……」アストラはへたり込む。
ノヴァ・リュミエール号は危なげながらも脱出に成功。
「……結局、ドタバタが解決の鍵か……」アストラは苦笑い。
「そういう星の下に生まれたのよ、アストラ」リーナが呟く。
任務報告では、もちろん全員がドタバタ体験を交えた。
「監視任務は無事でした……多分」アストラが報告すると、司令官は渋い顔。
「多分……か」
「でも、データは確実に入手しました!」マリナが補足。
「……よし、今回はこれでよしとしよう」司令官は苦笑。
アストラはため息をつきながら、またも胃を押さえる。
「もう……僕の胃、何度壊せばいいんだ……」
「次もまた危険な任務が待っているわよ」マリナは冷静。
「えぇぇぇぇ!」アストラは絶叫した。
監視任務のはずが、ドタバタ潜入に発展したノヴァ・リュミエール号。
アストラたちは偶然の連鎖で重要情報を入手したものの、胃痛と混乱からは逃れられなかった。
影の艦隊の暗躍は、銀河警察だけでなく、彼ら自身をも巻き込み始める――。




