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第73話 奴隷の浴衣を褒めた



 食堂に行くと浴衣姿で黒髪セミロングの女性がいた。

 彼女は山田愛莉(あいり)、生前の俺の妹で現在20歳、女子大生だ。身長は160センチくらい。Gカップの勝ち組おっぱいをお持ちである。


『お兄ちゃん遅い!』


『すまん、すまん』


 愛莉はこっちの世界の言葉を話せないので、俺は日本語で答える


『愛莉さん、こんにちは』

『こんにちはなの!』

『本日はよろしくお願いしますわ』

『恐縮ではございますがお世話になります』


 毎日、日本のアニメを見ていたおかげか、ティアニー、ココノ、アストレナ、ヒルデビアは日本語を少しだけ話せる。


 そして、愛莉、母親、ばあちゃんは時々うちの旅館の温泉に入りに来るから、俺の奴隷達と顔見知りになっていた。


『俺も手伝うからさっさと終わらせよう』


『はぁ?信じらんない……何で男が女子を着替えさせるのよ?変態なの?ロリコンなの?』


 いや、実は結構着替えさせてるんだけどロリコンじゃないんだよね……!


『でも、愛莉一人だと時間がかかるだろう?』


『たぶん大丈夫。アストレナとか何人か要領の良い子がいるから一度教えて手伝ってもらうから』


『そっか。なら頼むよ。浴衣着せる自信なかったから助かる』


『まぁ、お兄ちゃんにはいつも色んなものを買ってもらってるし……大学の学費も出してもらってるから、あたし、何か協力したいって思ってたの……』


『そうなのか』


 いつもツンツンしてるからお兄ちゃん気付かなかったよ!


 うちの実家は貧乏農家で妹は学生ローンで大学に通うつもりだったが、俺の砂金ビジネスが成功して学費を全額出してあげている。それ以外にも軽自動車を買ってあげたり愛莉には結構金掛けてるんだよな。まぁ田舎だから車ないと何処にも行けないってのもあるしね。


 因みに今俺はかなりカネを持っている。

 以前売却した装飾品を決済したからだ。日本円に換金するのに人を使って手数料は結構凄かったけど、まとまったカネになった。現金は異次元倉庫に預金してある。


「皆、愛莉が服の着方を教えてくれるからちゃんと教わるんだぞ」


「「「「「 はーい! 」」」」」


『じゃ、あとはよろしく』


 俺は食堂をあとにした。



 外でゴロウズと一緒に作業していると最初にフォンが出てきた。

 誕生日だから一番に着せてもらったのかな?


 着ているのは黄色い大きな向日葵柄の浴衣でフォンに良く似合っている。


 浴衣の柄は数週間前に和服専門店のカタログを皆に見せて選んでもらった。


「これ動きにくいよ」


「でもフォン、お姫様みたいで可愛いぞ」


 そう言うとフォンの頬が赤く染まった。


「うぅー恥ずかしいな……。アッチ可愛いの?」


「そりゃもう、凄く凄く可愛いぞ。もう10歳って感じだ。お姉さんになったな」


 そう言うとフォンが俺に抱き着いてきたから頭を撫でてあげた。フォンの身長は128センチ、小さくて可愛い。

 あ、俺ロリコンじゃないからね……!


 フォンはタマと違って人前では甘えてこない。でも二人の時はこうやってスキンシップ多めなのだ。

 今日で10歳、日本なら小4か……。来年、再来年になったらこうやって甘えてこなくなるんだろうな。そう思うと少し寂しい。

  あ、俺ロリコンじゃないから……絶対に!


「ねぇゴロウ!カブト虫の入れ物準備した?」


「まだだよ。皆にやってもらおうと思って」


「うん!アッチやりたい!」


 お洒落よりカブト虫か。まだまだ子供だな。

 少し待ってるとココノとタマが来た。


 タマは紫色の浴衣で鞠柄、ココノはグレーでピラミッドみたいな絵が描いてある。

 皆、自分で色々考えて選んだ浴衣だから個性が出てるな。


「ニャーの浴衣可愛いでしょ!」

「アッチのも可愛いよ!にひひひっ」

「ココノんの浴衣は宇宙のイメージなの!」


 3人は浴衣が気に入ったのか楽しそうだ。買ってあげてよかった。


 それから3人で飼育ケースの準備を始める。まぁ床材にウッドチップを敷いて、止まり木と昆虫ゼリーを入れるだけなんだけどね。


「わー!できたぁー!ニャー虫触れないからフォンとココノが入れて!」

「フォン、入れるの!」

「わかった!逃さないようにやらないとね!」


 七色カラーの虹色カブトの形は直径10センチ程の正円形。頭に小さな角がちょこんと付いている。

 角がなかったら見た目はでっかいテントウ虫だな。


 どうやら無事、飼育ケースに移せたようだ。


「ニャーが餌入れたい!」

「入れて!入れて!餌食べるかな?」

「お腹減ってたら餌を持ってるタマの手に飛び掛かってくるの!」

「うぅー、やっぱり恐いからフォンおがい……」

「うん!いいよっ!アッチやるね!」

「餌入れたら教室に飾るの!ゴロウ、教室に置いてもいいのん?」


「ああ、構わんよ」


 寝室だと夜寝るときにゴソゴソ煩そうだから教室か玄関が妥当だろう。


 俺も子供の頃オオクワガタを捕まえて飼ってたから、なんだか懐かしい。



 幼い少女3人のやり取りを眺めて顔を綻ばせる俺の肩に背後から音もなく手が乗せられた。


 ふっ、お巡りさん……かな……!?


 振り返るとウィスタシアとシャルロットがいた。


「ゴロウさんっ、シャルの浴衣ちょー可愛いでしょ~♡ いえーい!♡」


「ゴロウのお勧めでこの色にしたが、少し地味だったかな……」


 ウィスタシアは黒地に赤い花柄の浴衣でクールな彼女にとても似合っている。シャルロットはピンク色でギャルっぽい感じだ。


「ウィスタシア、良く似合ってるよ。綺麗だ」


「そうか……うん、ありがとう」


「ちょっとぉー、シャルは〜!?可愛いでしょ?可愛いよね?ねぇねぇゴロウさーん!」


「ん?ああ、まぁいいんじゃないか」


「雑っ!シャルの扱い雑だよぉー!!」


 それから次々に着替え終わった女の子達が出てきて祭りが始まった。











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