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第24話 奴隷を押し倒した



 うーん、このまま寝た振りをして何も知らない(てい)で明日以降も接した方がいいよな?

 早く国に返したいけど、この女行く宛ないって言ってたんだよね。どうしたものか……。


「心臓の音が早いな……緊張しているのか……、お前、起きてるだろ?」


 ぎくぅっ!


「まぁ良いか、この部屋ごと消し炭にしてやる」


 魔力の収束……、無詠唱第三位階魔法か!?ヤバいって!俺は焦って目を開ける。


「ディレイトマジック!」


 ウィスタシアの魔法は発動する前に魔力が四散し形を成さなかった。


 俺は起きた勢いでウィスタシアをベッドに押し倒し、彼女の手首を握って拘束する。


「ほら、やはり起きていた」


 ウィスタシアの体からは力が抜けている。

 部屋の薄暗い灯でもこの距離なら彼女の姿がはっきり見える。

 切れ長で大きな目、長い睫毛、真っ赤な瞳、小ぶりな鼻。あどけない頬とプクッと膨らんだ唇が光を鈍く反射していて艶めかしい。


 奴隷商会で初めて見たときも思ったけど、まるで真っ赤な大輪の薔薇のようなゴージャスで完成された美しさ。今まで見たどんな女性よりも美しい。


 こいつ、ヴォグマン卿の孫ってことはお姫様なんだよな。


 大魔帝国は封建制で大六天魔卿という6人の大貴族が各自、独自の法や政治体系、税制度で己の領地を治めている。つまり、大六天魔卿とは一国の王と同等。


 仰向けでベッドに倒れたウィスタシアの両手を彼女の頭の上で押さえつけて覆いかぶさっているわけだが……。


 俺は「はー」とため息を吐いたあと、視線を下に向けた。一糸纏わぬ色白肌の裸体が視界に入った。


 やはり服を着ていなかった。

 何ですっぽんぽんになっちゃったんだよぉおおおおおッ!?


 程よく育ったお椀型の胸が重力に負けて垂れていて、その柔らかさが見て取れる。二つの白いお椀の先端にはプクッとしたピンクの小豆が……。

 ウエストは細くて程よい筋肉が付いている。

 色白で艷やかな肌が光を反射して、これまた(なま)めかしい。


 エッロ!まじでエッロ!


「ふっ……見すぎだろ」


「ぐぬっ!つか、家を壊すのは勘弁してくれよ。せっかくリフォームしたんだから」


「自分の身より家の心配か。お前その防御魔法、常に発動させているのか?」


「ん?ああ、そうだよ。第五位階防御魔法。これでも色んな所から命を狙われてるんでな」


「そうか……一族の仇と思ったのだがな。私ではお前を殺せないようだ」


「それにしては殺気がなかったが?」


「……さあ、どうだろうな。……お前に刃を向けたのだ、私のことは好きに犯して殺せ」


「犯して殺すって、俺を何だと思ってるんだ?そんなことするわけないだろう!」


 そんなことしたらその辺の賊と同じじゃないか!


 すると仰向けで倒れているウィスタシアは片膝を立てて覆いかぶさる俺の股間に膝を押し当ててきた。


「なんだこの硬いモノは?説得力に欠けるな?」


 いやん!ぐりぐりしないでくださーい!


「それにお前、小さい子が好きなんだろう?まぁ私は処女だから余り良くはないだろうがな」


「あのな。何度も言うが俺はロリコンじゃない。お前に見惚れてこうなったのは認めるが、だからって犯すわけじゃない。わかったらその膝退けてくれないか?」


「わからない。ふふっ、お前、案外可愛い男の子だな」


 と微笑みながら更にぐりぐりしてくる。

 つかさ、それちょっと気持ちいいんだよね。だからマジでやめてくれ。本当にやりたくなっちゃうから!



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