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第13話 ヴァンパイア少女を手に入れる



 この国で俺は犯罪者だ。罪人としてセブンランド大陸に島流しになったことは上級国民の間では有名な話。それを会長が知っていてもおかしくはない。

 王城へ向かっているということは十中八九、通報が目的だろう。


 まだこの国にいるかはわからないけど、勇者や戦士が出張ってきたら面倒だ。手加減できないから殺さずにというわけにはいかなくなる。


「会長召喚」


 俺は第四位階の転移魔法で会長だけを俺の目の前に転移させた。


「憲兵に捕らえさせて、ヤマダに奴隷紋を貼ってこき使ってやり……ふぇ?」


 なにブツブツ言ってんだ、こいつ。


「やあ会長さん、誰に奴隷紋を貼ってこき使うのかな?」


「なぜ、わたくしがここに!?」


「そんなことはどうでもいいだろ。全員完治したんだ。早くヴァンパイア族の子供を連れてこいよ!」


「はははははいぃーッ!」


 ドスの聞いた声で言うと直ぐに店員を手配し初めた。


 手配が終わったところで、キラービーのリーダーが11枚用意していて、1枚余った奴隷紋をポケットから取り出し会長に見せる。


「さて、これはさっき、あんたが俺に貼ろうとしていた奴隷紋だが、そんなにこれが好きなら逆にあんたに張ってやるよ」


 そう言いながら奴隷紋を宙に浮かべて、会長へ向けて飛ばす。


「ひぃいいい!お止めください!奴隷なんて死んでも嫌だぁああああ!」


 わざとゆっくり飛ばしてるから頑張って走って逃げている。必死だな。そんなに嫌なことを平気で他人にやるのだからクズだよ。


 会長は必死に走るも躓いて転んでしまい、抵抗虚しく奴隷紋を貼られてしまった、チーン。


「うぅ……このわたくしが奴隷になるなんてぇえええええ!嫌だぁあああああ!……い、今まで積み上げてきたものを全て失う……くうううう!!くそったれッ!ぐっそうッ!ぢぐじょぉおおおおおおッッ!!ぢぐじょぉおおおおおおッッ!!ぢぐじょぉおおおおおおッッ!!」


 地面に転がりながら手足をバタバタさせてる。うわ、めっちゃ嫌そうだな。そんなに嫌なのかよ。


「安心しろ。あんたを家に連れ帰って労働させるつもりはない」


「ほえ?ほ、本当ですか!?じゃぁわたくしはこれからどうしたら……?」


 と不安そうに聞いてくる。


 またこのくだり!?

 いやだって、こんなジジイが家に居たらこっちが嫌だよ。


「あんたに出す命令は三つ。一つ、食事改善。奴隷の食事量を今の3倍にして栄養価の高い食材も与える。水分も十分に与えろ。二つ、衛生改善。奴隷の体は毎日洗い、個室トイレを作って糞尿を瓶や桶に集めて毎日捨てること。三つ、健康改善。病気になった奴隷はその都度治療すること。それと奴隷を殺処分してはいけない。以上だ」


「け、経費が……」


「嫌なの?」


「……承知いたしました」


「よろしい。まぁ奴隷紋の催眠効果で従うしかないけどな。あっ、そうだ。この商会の経営はあなたがやってくださいね。他人に経営を任せないように」


「はぁー、しょうがない……。しかし、あの有名な大賢者ゴロウ・ヤマダ様がこれ程までにロリコンだったとは……」


 だ、だからちげーって!ロリコンじゃねーし!女の子供11人も買えば、そう思われても仕方ないけどな!


「わ、わかったのか?」


「もちろんです……仰せのままに」


 しょんぼりした感じで頭を下げられた。


「よろしい」


 これで良いだろう。王城に通報するなと命令を付け加えてもよいが、既にたくさんの人に見られてるからこいつ一人に口止めしても効果はない。


 セブンランドの俺の家に来ちゃうかもな。勇者パーティー。

 来たら来たで昔話でもして帰ってもらうか。戦いになったら二度と来ないようにボコボコにしてやろう。


 そんな事を考えていると。


「ねぇゴロウ、ロリコンってなぁーに?」ラウラ


「ふんっ、子供好きの変態のことよ」エルフ殿


「殿方の性癖をとやかく言うのはよくないとこですわよ」青ボブ


「あたしはそういうの気にしない。ゴロウさん……凄いよ。食事3倍になるなら、ここに残りたいな」モモ


「何を仰る犬族殿、付いていけば腹一杯飯を食わせてくれると、先程ゴロウ殿が申していたではありませんか。ロリコンでも某は付いていきますよ!あっはははははっ!」ヒオリ


「あ、そうか……じゃあたし付いていくよ」モモ


「ええ、それが良いでしょう」ヒオリ


「ふふふ、ロリコンでもゴロウ様は立派なお方ですわ。わたくし感銘を受けました」青ボブ


 トランプで打ち解けたのか、女の子達は自然に会話している。所々にロリコンってワードが入っているけども……。


 そんな感じで待っていると店員がヴァンパイア少女を連れてきた。


「なんだ、結局私を買ったのか?」


「少し違うけど、君の所有者は俺になったよ」


「ふーん。今はいいか。他に色々聞きたいしな」


 横から店員のおっちゃんが奴隷紋スクロールを差し出してきた。


「ロリコンのお客さん、こいつに奴隷紋貼りますか?」


 あ、この店ぶっ潰そうかな。


「いや、もう帰るからいいですよ」


「おい、私のオーナーを書き換えなくてよいのか?」


「そ、それより早く帰りたい……。〈空間転移〉!」


 ロリコン、ロリコン言われて恥ずかしさで顔を赤面させた俺は第四位階魔法〈空間転移〉を発動させる。


 俺と奴隷11人の体は青い光りに包まれ、その場から消えた。






ここまで読んでいただきありがとうございます。

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