表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/20

毒入りチョコレートを拾った少年の末路 拾得物はなるべく早めに警察署か交番に届けましょう

毒入りチョコレートを拾った。コンビニでスナック菓子と炭酸飲料を買った帰り道だった。

なぜ道端に落ちていたチョコレートを「毒入り」だと判断したのか?

アスファルト舗道に(かじ)りかけの板チョコが落ちており、その周囲に4つの死骸があったからだ。


死んでいたのはイヌ、サル、キジ、桃太郎とおぼしき青年の4体だった。

皆が唇の端から白い泡を吹きこぼしていた。

呼吸は停止していた。桃太郎の羽織ごしに肌の冷たさが伝わってきた。確実に死んでいる。


警察に通報するべきだったが――周囲を見回してだれもいないのを確認したあと、おれは齧りかけの毒入りチョコレートを拾ってから、その場を立ち去った。


さて、問題はここからだ。

なぜ、おれはそのチョコレートを持ったまま帰宅してしまったのだろうか?


家に帰ってから、おれはしばらく玄関の扉にもたれたまま考えこんだ。

これは何かのメッセージなのだろうか? それとも偶然の積み重ねなのか? おれはどうすればよいのだろう? どうしたらいいのだ?


答えが出ないまま、おれは自宅のドアを開け、足を踏み入れた。


「お帰りなさい!」


玄関を入ってすぐに、母親が声を張り上げてそう言った。

おれはぎょっとして立ち止まった。

母親がリビングから出てきて、おれに歩み寄ってきた。


「遅かったね?」

「あ、ああ……」


おれは返事をしつつ、毒入りチョコレートを入ったビニール袋を、さりげなく後ろに隠した。


「どうしたの? 何か後ろにおしえたの?」

「いや……」


母親は首をかしげた。


「怪しいわね……」


おれは思わず後ずさった。


「え……何が?」


母親は「ん」と鼻息を荒くした。


「何か隠しているんでしょ? 何? 教えて」

「い、いや、別に何も……ない……」


母親の視線が、おれがもっているコンビニの白いナイロン袋に――。


「何を持ってるの? 見せて?」


母親はすっと手を伸ばした。


おれはその手を避け、リビングに走った。


「待って!」


母親は2階にあるおれの部屋まで追いかけてきたが、おれは自室n滑り込むと同時にドアを閉め、鍵をかけた。


母親はドンドンと扉を叩く。


「開けてよ! 何を持っているのよ!?」

「何もない!」


おれは叫んだ。


「いいから見せて! 開けなさい!」

「嫌だ! 見せない! 見るな!」


母親はそう叫んだあと、黙って1海に戻っていった。

しばらくして、今度は父がやってきた。


「おい、一体何をやってるんだ?」


おれは鍵を開けず、扉に寄りかかったまま答えた。


「なんでもねえよ!」

「何んでもないわけあるか!」


父は怒鳴りつけてから、深呼吸をした。


「いいから開けなさい!」


おれは黙ったまま、動こうとしなかった。


父はしばらく沈黙してから、静かに言った。


「お前の部屋に毒入りチョコレートがあるんだろう?」

「えっ?」


いきなり核心を突かれておれは絶句した。


父は眉をひそめつつ言った。


「どうした? なぜ毒入りチョコレートを持っている?」


おれは口をぱくぱくさせた。


「な、何でそれを知ってる?」

「どうしてそんなものを持ち帰った?」


父は言った。


「お前が拾ってきたのか? どうして?」

「あ……それは……たまたま拾っただけで……」


父はため息をついた。


「お前はいったい何を考えているんだ?」

「……いや……だから、たまたま拾っただけで……」


「それで毒入りチョコレートを持ち帰ってきてどうする? それを食べて、自分ごと死んでしまったらどうするんだ? お前は自殺するのか?」


もうダメだ――おれは思わず、毒入りチョコレートを袋から取り出して、衝動的に貪り食った。


ムシャッ、モグッ、ゴクンッッ………おれは死んだ。

後半の母親と父親との会話部分はほとんどAI生成。

結末はHBが書きました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ