毒入りチョコレートを拾った少年の末路 拾得物はなるべく早めに警察署か交番に届けましょう
毒入りチョコレートを拾った。コンビニでスナック菓子と炭酸飲料を買った帰り道だった。
なぜ道端に落ちていたチョコレートを「毒入り」だと判断したのか?
アスファルト舗道に齧りかけの板チョコが落ちており、その周囲に4つの死骸があったからだ。
死んでいたのはイヌ、サル、キジ、桃太郎とおぼしき青年の4体だった。
皆が唇の端から白い泡を吹きこぼしていた。
呼吸は停止していた。桃太郎の羽織ごしに肌の冷たさが伝わってきた。確実に死んでいる。
警察に通報するべきだったが――周囲を見回してだれもいないのを確認したあと、おれは齧りかけの毒入りチョコレートを拾ってから、その場を立ち去った。
さて、問題はここからだ。
なぜ、おれはそのチョコレートを持ったまま帰宅してしまったのだろうか?
家に帰ってから、おれはしばらく玄関の扉にもたれたまま考えこんだ。
これは何かのメッセージなのだろうか? それとも偶然の積み重ねなのか? おれはどうすればよいのだろう? どうしたらいいのだ?
答えが出ないまま、おれは自宅のドアを開け、足を踏み入れた。
「お帰りなさい!」
玄関を入ってすぐに、母親が声を張り上げてそう言った。
おれはぎょっとして立ち止まった。
母親がリビングから出てきて、おれに歩み寄ってきた。
「遅かったね?」
「あ、ああ……」
おれは返事をしつつ、毒入りチョコレートを入ったビニール袋を、さりげなく後ろに隠した。
「どうしたの? 何か後ろにおしえたの?」
「いや……」
母親は首をかしげた。
「怪しいわね……」
おれは思わず後ずさった。
「え……何が?」
母親は「ん」と鼻息を荒くした。
「何か隠しているんでしょ? 何? 教えて」
「い、いや、別に何も……ない……」
母親の視線が、おれがもっているコンビニの白いナイロン袋に――。
「何を持ってるの? 見せて?」
母親はすっと手を伸ばした。
おれはその手を避け、リビングに走った。
「待って!」
母親は2階にあるおれの部屋まで追いかけてきたが、おれは自室n滑り込むと同時にドアを閉め、鍵をかけた。
母親はドンドンと扉を叩く。
「開けてよ! 何を持っているのよ!?」
「何もない!」
おれは叫んだ。
「いいから見せて! 開けなさい!」
「嫌だ! 見せない! 見るな!」
母親はそう叫んだあと、黙って1海に戻っていった。
しばらくして、今度は父がやってきた。
「おい、一体何をやってるんだ?」
おれは鍵を開けず、扉に寄りかかったまま答えた。
「なんでもねえよ!」
「何んでもないわけあるか!」
父は怒鳴りつけてから、深呼吸をした。
「いいから開けなさい!」
おれは黙ったまま、動こうとしなかった。
父はしばらく沈黙してから、静かに言った。
「お前の部屋に毒入りチョコレートがあるんだろう?」
「えっ?」
いきなり核心を突かれておれは絶句した。
父は眉をひそめつつ言った。
「どうした? なぜ毒入りチョコレートを持っている?」
おれは口をぱくぱくさせた。
「な、何でそれを知ってる?」
「どうしてそんなものを持ち帰った?」
父は言った。
「お前が拾ってきたのか? どうして?」
「あ……それは……たまたま拾っただけで……」
父はため息をついた。
「お前はいったい何を考えているんだ?」
「……いや……だから、たまたま拾っただけで……」
「それで毒入りチョコレートを持ち帰ってきてどうする? それを食べて、自分ごと死んでしまったらどうするんだ? お前は自殺するのか?」
もうダメだ――おれは思わず、毒入りチョコレートを袋から取り出して、衝動的に貪り食った。
ムシャッ、モグッ、ゴクンッッ………おれは死んだ。
後半の母親と父親との会話部分はほとんどAI生成。
結末はHBが書きました。