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しゃべる花瓶 ~わたしはジャックの話をまともに聞かない~

ある日、花瓶(かびん)がしゃべりはじめた。


「おれはむかし海賊だったことがある」


こちらが訊きもしないのに、花瓶は名乗った。


「名前はジャックだ」


ジャックは花瓶である。その花瓶の声は低くうなるようにしわがれていた。


「むかしむかし、おれは船乗りだった。おれは、海でたくさんの宝を集めていた。おれはむかしむかし海賊だったのだ」


それからというもの、花瓶にみつかると話し相手をさせられることが増えた。

花瓶の話はいつも冒険のお話ばかりであった。


ジャックは古い花瓶だった。

おじいさんなので、表面の模様は色褪せて、おなかのあたりがすこしヒビ割れている。


「おれは海賊だったから――あらゆる財宝を奪ってきた。おれの財宝の()()を知りたくないか?」


ジャックの声は低くてうなるようにささやかれた。


「さあ、おまえはどこに行きたい? どんな人間になりたいんだ? おれの財宝が眠る場所へ行ってみるか? おまえが望むなら――おれがすべてを教えてやるぞ」


そんなふうに語りかけてくるのだ。でも興味がなかった。

だって、わたしはもう大人なのだったから。花瓶のホラ話を信じるほどバカじゃなかった。

わたしは、花瓶の話を聞きながら、おなかを空いたので部屋を出ていった。


「おい! まだ話の途中だろうが! おれたちの冒険はな、これからが本番なんだぞ!」


「ごめんなさい。またあとで」


わたしはドアを閉めた。花瓶はひとりで怒鳴り続けていた。


「おれは、かつて海賊だった!」


花瓶はひとりになっても喋り続けた。


「すごい海賊だったんだ! 財宝を奪いまくったんだ!」


父の転勤が決まった。単身赴任ではなく家族全員が引っ越すことになった。


花瓶をどうするかという話になった。


「あの花瓶、けっこう重いんだよな」


父は言った。


「でも捨てるのももったいないわね……」


母が花瓶のそばに歩み寄った。


「おれはむかし海賊だった!」


花瓶は自信に満ちた声で喋り続ける。


「捨てちゃうわね」


母は花瓶を手に取った。


「やめて!」


わたしは叫ぶ。


「あっ――」


わたしの大声に驚いた母が手をすべらせた。


ガッチャーン!!!!


花瓶は落下して粉々に砕け散った。


「………」


花瓶は喋るのをやめた。


「うわぁぁぁん! うわぁぁぁん!」


わたしは泣きじゃくる。


「あら……ごめんなさいね」


母は困ったような顔をした。


父は床に散らばった破片を、スリッパを履いたまま足の裏だけをつかって部屋の片隅に追いやった。


「いやぁぁぁ!」


わたしは泣き(わめ)いた。

花瓶のこと嫌いじゃなかった。

いいんじゃない?

意味ありげで……なにも言っていないという

それなりに加筆はしたがAI生成ストーリーの虚無を感じさせる

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