表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/20

格安のゼロゼロ物件を見つけた話 十二階建てなのに家賃2万円(共益費別)……当然ウラがあったわけで

ゼロゼロ物件を探していた。敷金礼金0円の賃貸物件のことだ。

二時間ほどインターネットを検索していたら良さそうなのが見つかった。

家賃2万円(共益費別)――安いわりには広い間取りだった。トイレと風呂も別である。


さっそく内見を申し込んだ。現地に行って驚いた。ピラミッドだった。

ピラミッド型の住居ではない。学校の教科書にも掲載されているエジプトの巨大な四角い台座の上部に小さな頂点を備えた四角錐の建築物すなわちピラミッドである。


「内見をお申し込みいただきましてありがとうございます。で、いかがです??」


不動産管理会社の若い女性社員が出迎えてくれた。


「え? いいと思います」


俺は慌てて答えたが、実のところよくわからない。


「こちらはお値段の割に広いお部屋が揃っております。お一人暮らしでしょうか?」

「いや、同居人がいます」

「同居人の方々もご覧になられますか?」

「いいえ。きょうは仕事なので僕ひとりで内見するつもりです」

「それではこちらにどうぞ」


ピラミッドの入り口はどこだろうと思った。王族の墓である。ピラミッドって。

案内された入り口は普通の家の玄関だった。


中に入ると、そこは広かった。

一階はキッチンダイニングと風呂、トイレだった。


二階は寝室で、その上が書斎のような部屋だった。


三階は何もなかった。


四階は――


「――リビングです。四階をリビングにしておくと、お客さまもくつろげるでしょう」


「なるほど。リビングが四階か」


俺は納得するふりをした。


「つぎは五階に上がりましょう」

「え? また上があるんですか??」

「はい。五階です」


案内されて五階に上がったとき、俺は思わず叫んでいた。


「ここだけ日本の住宅じゃないの。何なの? これは??」

「ここは五階の寝室です」


案内してくれた女性は、さらりと答えた。


「寝室? 寝室じゃないだろこれ!!」


俺は叫ぶ。


「これは、寝室のつもりなんだね?」

「はい。寝室のつもりです。ここが寝室です」

「でも、ここにはベッドがない」

「ベッドは入居者様にご用意いただきます」

「そりゃそうだ」


「ところで、ここってピラミッドですよね」


「はい。ピラミッドでございます。このデザインは世界的にもユニークで、お客さまが驚くことが多いんですよ」

「驚いてるよ!!  驚いてるよ俺」

「驚かれているのですね」

「驚いちゃうような構造だからね!! びっくり! もうびっくり」

「では、さらに六階に上がって、細かいご説明をさせていただきますね」

「うん」


俺たちは六階に向かって階段をのぼった。


六階は――


「……倉庫ですね」

「はい。ここが倉庫になります」

「なるほど倉庫だ。ここはピラミッドだから当然七階以上ありますか?」

「はい、ございます。七階以降をご案内いたしますね」


「お願いします」


俺たちはまた階段をのぼった。


七階は――


「倉庫ですね?」

「はい、七階も倉庫になります。ちなみに八階は手術室です」

「なんで?」

「八階は手術室です」

「なぜ手術室?」

「手術室は八階になります」

「わかった」


「九階はゲームセンターです。十階は下水道です。十一階は光ファイバー網の拠点です」

「そうですか。十二階は?」

「十二階?」

「はい」

「十二階は……」

「十二階は??」


俺は固唾をのんで不動産管理会社の女性社員の返答を待ち構えた。


「十二階は??」

「…………」

「……宇宙船の管制室……ですよね?」

ついに俺は核心に触れた。


「はい、宇宙船の管制室になります!」


不動産管理会社の人は笑顔になった。


「もしかして、俺、ここで殺されますか? 秘密を知ってしまったから」

「殺しませんよ。ご安心ください」


不動産管理会社の人も、ようやく俺が怯えているのに気がついたようだった。


「ピラミッドって古代人が建造した宇宙船だったんですね」


俺は納得したふりをして言った。


「はい、古代ピラミッドは、古代人が建造した宇宙船でして……。あの、よろしければ操縦してみますか?」

「え?」

「宇宙船ですから、操縦できますよ」


不動産管理会社の若い女性はにこやかに答えた。


俺は一瞬迷ったあと、うなずいた。


「やってみます。やってみますね。やってみたいです。やりましょう」


こうして――俺の夢は叶った。子供の頃から宇宙飛行士さんになりたかったんだ! わーい! わーい!

会話部分はほとんどAI生成にまかせた。語尾の加筆修正はしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ