カップ焼きそば 飽きたらどうやって最後まで食べる? 新たな味を求めて就業規則違反
カップ焼きそばを食べていると半分を越えたあたりで飽きてしまう
2通りのアプローチがあって、味をさらに濃くする。ソースやマヨネーズやふりかけなどを追加する
もうひとつは、あえて薄める。お茶漬けの素と湯を追加する方法だ。冷めかけたカップ焼きそばの麺をふたたび熱々で食べることができる。
ちなみにこのカップ焼きそばには付属のマヨネーズが入っている。湯と混ぜたらマヨネーズが分離するはずだがお茶漬けの素の風味でかき消されて気にはならなかった。ソース味もうやむやになった。
今回試したカップ焼きそばのお茶漬けについて――
「うめぇ!」
そう口にする人もいれば
「なんだこりゃ? まずい!」
と力強く拒絶する人もいる。
俺はどちらでもない。旨くもないし残りを捨ててしまうほど不味くもなかった。
お湯を継ぎ足せばカップ焼きそばの味が薄くなることは当然想定していたが、ソース風味がお茶漬けの風味を相殺して、言い表しがたい風味になってしまった。
良いところを唯一挙げるとすれば「さっぱり」する。カップ焼きそばに飽きるというのソース風味に舌が慣れてしまい刺激が足りないわけで――舌の表面にこびりついたソースを出汁によって洗い流すことにより、いわゆる油揚げ麺そのものを味わうことができた。
ただし、さっぱりするのは間違いないが……人によってはカップ焼きそば食後に特有な胃もたれを予防できるかもしれない。
いろいろ悩んでいたとき、ふと閃いた。
「お茶漬けの出汁を湯切りしたあとに中濃ソースをかけてまぜれば旨くなる!」
そう確信した俺はすぐさま行動に移した。
「うまい!」
なんてことをして遊んでいたら会社に遅刻してしまった。
だが後悔はなかった。おれはクビになった。
そんなわけで、俺は無職である。
そして今日も、昼ごはんはカップ焼きそば。
「よし、行くか!」
俺は気合を入れて立ち上がった。
………
「おはようございます。部長」
俺は部長室に入って挨拶した。
「は? きみは…きのう解雇したばかりのはずだが――」
部長は怪訝そうな顔をする。
「ええ、解雇されております」
「じゃあなぜここに? まさかうちに再就職するつもりか?」
「いえ、今日はお願いがあって参りました」
「お願い? ん? なんか焼きそばの匂いがするな……」
部長は俺を追い出そうとする。
「いやです! おれをまた雇ってください! 部長、お願いします!」
「きみを雇う理由がない!」
「ではせめて、おれの作ったカップ焼きそばを食べてください!」
「なんだって!? 断る! さあ帰ってくれ!」
「お願いです!」
部長は俺の肩に手をかける。
「どうしてもなの?」
「どうしてもです!」
俺は警備員に追い出されるまえに――カップ焼きそばを部長の鼻先に差し出した。
「な、なんだこれは!?」
「カップ焼きそばです!」
「そりゃあ見ればわかる! だが、なぜそんなものを私に差し出す!?」
「部長、このカップ焼きそばを食べてもらいたいからです!」
部長はため息をつく。
「わかった! じゃあひとくちだけ食べてやる。ほら、早くよこせ」
部長は俺が手に持つカップ焼きそばに手を伸ばした。
俺はそれをかわす。
「え!?」
フェイントをかけられた部長は前のめりに倒れそうになった。
「ゴッッ!!!」
部長の鼻っ面におれの膝蹴りがスマッシュヒットした。
「ひぷぇ!」
部長は鼻から血を噴出させてぶっ倒れた。白目をむいている。
「部長! 部長! しっかりしてください部長! 部長ぉぉぉ!!」
部長は気絶したまま目を覚まさない。
俺は部長席のパソコンにログインした。すると、部長権限で全社員への通達システムが使用可能だった。すぐさま、メールシステムで全社員に対して通達を出す。
「カップ焼きそば。食べている途中で飽ききたら、みなさんどうしてますか? 教えてください! 俺に教えてください! 部長のメールアドレスまで返信してください! よろしくね!!!」
AI生成がイマイチだった
カップ焼きそばはストーリーが飛躍しにくいようだ