最悪のパパ活 焼肉店につれていかれたら屈辱的な仕打ちを受けた
あたしはリカ。最悪のパパ活を体験したから聞いてほしい。
マッチングアプリでやりとりしたときは「食事だけ」という約束だった。
実際には――確かに「食事だけ」だったけれど、その内容が最悪だった。
「パパ」は30代の男だった。若くもないけれど嫌悪感をおぼえるほどジジイでもない。19歳のあたしにとってはちょうどいい相手。
待ち合わせはのカフェで顔合わせ。あたしとパパはそれからの予定を話し合った。
「リカちゃんは、なにが食べたい?」
「なんでもいいよー」
どうでもよかった。パパと食べるメシは味がしないから。もらったお金(自分のお金)じゃないと満足できなかった。
「じゃあ焼き肉に行こうか。おれが食べたいんだよねー」
「あたし牛タン好きー」
若い女は牛タンが好き――という典型的な若い娘をあたしは演じた。ほんとうは横隔膜や小腸みたいなホルモン系が好き。
「よし。じゃあ牛タンで有名な焼肉店にしよう。おれ、何度も行ってるから」
カフェを出て、待ち合わせ場所までタクシーをつかって焼肉店に到着した。パパが直前に予約を入れてくれたので順番待ちはなかった。
あたしたちは席についた。メニュー表をみると10種類以上の牛タンが取り揃えられていた。たしかに牛タンで有名な店だけのことはある。
あたしは牛タンのメニュー写真を見ながらどれを食べるか考えていた。
「リカちゃんはどれにするの?」
「うーんとね。この特選牛タン、それからせっかくだからカルビも食べようかなー」
パパ活で食事をおごってもらうときは遠慮しなほうがいい。食べきれないくらい注文したほうがウケが良いのだ。
「そっか。おれはこれとこれとこれ、それから特上カルビだ~!」
あたしのパパは次々と注文した。
ここからが最悪だった。
牛タンやカルビなどの生肉を載せた大皿があたしたちのテーブルに届けられと――
「じゃあリカちゃん、焼いてよ」
とパパ野郎が笑顔でぬかした。
「え? あ、うん。わたしも焼くけどパパも一緒に焼こうよ」
それがふたりで食事をするというものではないか。
「――は? カネ払うのおれだよ!? カネもらう側がぜんぶやるのが常識だろうがっ!」
……
………
…………
結局そのあと1時間半のあいだ、あたしはトング片手にずっと肉を焼かされ続けた。しかも――
「ねえ、あたしも食べたいんだけど」
「は? おまえに食わせる肉はねえよ! カネ払うのはおれなんだから……当たり前だろうがっ!」
パパは食後のデザートのクリームブリュレやタンフルソフトクリームまで平らげて会計を済ませた。
********
結局、あたしは水しか飲ませてもらえませんでしたとさ。
約2時間半のパパ活で5万円ゲットしたけれど――腑に落ちない仕打ちを受けたから悔しい。トラウマ~。
ワンアイデア。ほとんどAI生成しなかったが皆無ではない。