フルーツ王国
ジュース
前回からの続き
ザックリと言えば女神様のご加護のハイスピード航行で朝、アユタヤに到着した。
呂宋で入手した酒類を捌こうと市場での相場や取り扱い商品の様子を見て回ると驚いたことに泡盛が売られていた。
廊酒と呼ばれており、砕米で造ったタイの地酒であり、 琉球の泡盛の製法はタイ辺りから伝えられたものであった。
呂宋で琉球産の泡盛を含めて酒類は全て売却し、呂宋産しか積んでいなかった。
正にファインプレーであった。
商人
ふー、危な!泡盛はこっちが本家なんやな
なんや焼酎っぽいのもあるし全部売って正解やったな
しかし、ほんまに果物の種類が豊富やなぁ
日本人街で言葉や通貨が通じるのもあり色々と話が聞け収穫も大きかった。
アユタヤ産や周辺国産のフルーツが種類も豊富で甘い匂いと共に売られていた。
バナナ、アップルマンゴー、ペリカンマンゴー、パイナップル、ジャックフルーツ、椰子、マンゴスチン、ライチー、パッションフルーツ、パパイヤ、シュガーアップル、竜眼、その他の様々なフルーツ達
バナナは酒作りにも使われ、マンゴスチンは染料にも使われるそうだ。
商人
美味しいお食事処も聞けたし何が高値かも分かった、一旦、船に戻ろか
船に戻ると降ろす積荷の指示をし、それを売り、新たに購入する。
酒類は全て売り、日本人街では日本の品を求める声が大きく、娯楽に飢えているのか書物を欲しがったが積んで無いと言うとガックリしていた。
味噌、黒酢、醤油、乾物、緑茶の多くを売り、周辺国から運ばれてきたバナナ酒と様々なフルーツ類を船内食用に試し購入をした。
昼食はフルーツ類を食べる、船員達も初めて見る果実におっかなびっくりで食べる。
商人は挿絵を書きながら細かく味の詳細を書き留めていくが、どうしても食べれない果実があった。それは、フルーツの王様ドリアン!
商人
あかん、メッチャ臭い!
なんぼ美味しい言われてもこんなん口に入れられへんわ!
食べれ無い者が多くいたが食べれる者がウマウマと全て食べてしまった。
様々なフルーツを食べた後、みんなにどれが美味かった?と聞くと一番人気はジャックフルーツで2番人気はアップルマンゴーであった。
全部食べた者曰く、ジャックフルーツは臭いの無い上品なドリアンみたいな?との事だった。
商人的には暑さもあって、椰子の実の中の液体、ココナッツジュースと酸味がある甘さのパッションフルーツが気にいった。
女神様が2、3日休憩と言っていたので商人は3日間の休みを船員達に伝えると大いに喜んだ。
交代で見張りを決め、食事時間の2時間前に居ない者はどっかで自分で食べる事と決めると船員達は蜘蛛の子を散らす様にどこかに消えた。
これで料理長や料理係も休めるだろう。
食べたフルーツの味や挿絵を纏め上げて、一息つけようと厨房へお茶を求める。
商人
お、料理長だけかいな?
お茶、頂くで!
料理長
若いんは休せました。
夕食当番で一人戻って来るんでそこで交代ですわ
一緒にお茶を飲みながら雑談をしていると料理長がニヤリとしながら聞いてくる。
「大旦那はん、行くんでっしゃろ?美味いもん食いに」
商人
え?まあ、夕方は目当ての店、行こう思てる
料理長
なあ、連れてってや!勉強がてらに、頼んますって
商人
うーん、まあええか
一緒に行こか!
ハズレでも文句、言わんとってなw
料理長
言いませんって、そもそも大旦那はんがハズレ引くとは思えまへんわ
それに昼、果物にしたんは夕食はドカンと行こうと思てるんでしょ?
色んな料理、期待、してまっせw
商人
お見通しやなw
まあ、あえてハズレを引きに行くつもりは無いけどな。
二人はまだ見ぬ料理にワクテカするのであった。
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