山姥
臭撃
オープン当日を迎え、店内にある神棚に平田、侍、商人、町人と4人はぱんぱんと柏手を打って商売繁盛と家内安全を祈願する。
平田
では開店と・・行きますか?
町人
なんでぇい!その弱気な物言いは
仕込みはバッチリ!
修行もバッチリ!
準備万端じゃねーですかい!?
侍
うむ、ここは景気良く行かねば。
物事の最初は大事、お師匠、ここは仕切直しを!
商人
活気の無い店は流行りませんで!
お師匠はん、スパンと頼んまっせ!
平田
あ、はい。
「えーと、こうなりゃヤケだ」
いざ、出陣!!
3人
おおー!!
侍
出陣と来たか!これは気合いが入るのぅ
暖簾を出して、商い中の立て札を出す。
何人かが覗き込む
岡っ引き
へー、ここは何の店だい?
平田
お食事処です。
岡っ引き
へー、そうかい、邪魔したな。
興味はあるが全然、入って来ない。
商人
あかん、これはただ単に新しい店が出来たから覗いてるだけや・・
侍
何の店か分からんのでは様子見だけか・・
町人
お師さん、どうするんでぃ?
平田
あ、えっと
そこに女神の声が聞こえる。
黒ギャル女神
平田ぁ!何やってんの!
神棚祈願まではよかったけどさぁ、あんた馬鹿ぁ?
外にお食事処の表記とお品書き出せよw
平田
あっ、そうだ。
慌ててみんなで紙に書いて引き戸に貼り付ける。
3人は今の声が女神様?と平田を見る。
平田
あ、そうです。
ああ、もう何やってんっの!の声と共に女神様が光と共に降臨する。
黒ギャル女神
あ、どもども女神降臨ね。
3人は目を丸くする。
目の前には金髪ロングのクルクルパーマに豹柄ミニワンピに色取り取りの長い爪、こんがりボディにキラキラパールのボディクリーム、巨大なカールの付けまつ毛にでっかく煌びやかなピアスとネックレスをじゃらりとぶら下げ、金色の上げ底ハイヒールに七色のペディキュア
侍
え!?若い山姥?
黒ギャル女神
ちげーよ!!失礼だなぁお前!
それより、カレーつったらニオイじゃん、ニオイをガンガン出しなよ!
カレー鍋持ってきて団扇で扇ぐ!OK?
腰に手の仁王立ちの女神がプンスカ怒っていた。
慌ててみんなで扇ぐと、匂いに釣られて何人かが外のお品書きを見ている。
さっきの岡っ引きも戻って来ていた。
岡っ引き
なんてぇー臭いでぃ!値も張らねぇーし。
チキショウ、入っちまおう!
「おう、御免よ、鶏かれぃってのを一つ、頼むよ!」
平田
あ、らっしゃいませー!
カレー、一丁!
これを皮切りに人々が押し寄せるのであった。
来客と同時に女神様はサクッと消えていたのであった。
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誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
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