香花
中華料理との出会い
前回からの続き
商人は役人を見送り、美味的と教えられた桃閣菜館に向かう
最初に出会った少女に桃閣菜館の文字を見せると指を指して少し高い建物を教えられた。
商人はおおきにと伝えその建物に向かう
何故か少女が付いて来るが気にしない。
到着すると看板に「桃閣菜館」と書かれていた。
商人
さてと、高そうやな・・ぼったくられん様にせんとな
その時、後ろから少女に袖を引っ張られる。
商人
ん、なんや?
少女が地面に石で何か書いている。
「飲食一緒 案内 美味」
商人
ああ、美味い物教えたるからご馳走せいっちゅう事か
ええけど高いんは困るからなぁ
商人も地面に書く
「非高級品 良好」
少女はウンウンと頷き商人を引っ張って店に入る。
少女が店員に何か言うとテーブル席に案内された。
ニコニコしながら少女は商人に「銭百枚」とテーブルに空文字を書いて見せる。
商人
一人百枚?二人でか?
まあ、200枚やったとしてもええか
商人は頷いて見せると少女はさらにニコニコし出した。
暫くすると中華風の丼が二つと取り分け用の小鉢が4つ運ばれてきた。
商人は帳面代わりの大福帳に「名」と書いて少女に見せる。
少女は香花と書いてシャンファンと言いながら自分を指差す。
商人
シャンファンちゃんな・・「ちゃうって料理の名前や」と言いつつ料理を指差す。
香花は「牛肉刀削麺・雲呑麺」と書くと、喋りながら料理を順番に指を指した。
ニューロウタウシャウミエン・ワンタンミエンと聞こえた。
牛肉刀削麺は短めのきしめんの様な麺と牛肉が入っていた。
雲呑麺は少し黄色い太めの素麺の様な麺に白い生八ツ橋の様な物が入っていた。
小鉢に香花は牛肉刀削麺・雲呑麺を取り分けると商人の前に滑らせて、素早く自分の分をフーフーと食べ始めた。
商人もそれを見て食べ出す。
お、美味いなぁ、美味い美味い
それを聞いた香花は「好吃、好吃」と言う
商人
美味いは好吃かぁ
暫く二人は好吃を連呼しながら食べた。
食べ終わり銭百枚を渡すと店員から小壺を二つ香花は受け取る。
一つを商人に渡すと壺には「老酒」と書かれていた。
香花は壺を抱え上げながら「謝謝、謝謝」と笑顔で言うと去って行った。
商人
やられた、お土産付きやったんかい。
まあ、ええか美味いモン食べれたし、案内料込みっちゅー事でw
酒付きで百文ならまぁまぁ安いか
不意に似た年齢のお香、おかよを思い出す。
二人に土産話しに香花との事話したろw
そやけど漢字圏やから筆談で何とか意思疎通出来るけど、通じん様になったら商いが難いなぁ
さて、戻ったら料理の事を記して、明日は商いやからな早めに老酒飲んで寝よか
船に戻り老酒の封を開け、湯飲みに一杯入れて飲むと喉が焼ける様だった。
えらい強い酒やな、ひょっとして香花、これ飲むんか?
商人はこれは飲めんと判断して、残りを船長に渡した。
船長は「こっちの酒でっか?気ぃ使わせてすんまへん」と笑顔でグビグビ飲み始める。
商人
船乗りって酒豪が多いけど、よう飲めるなぁ、あんなキツい酒
そう感心しながら寝室でコテンと横になり、牛肉刀削麺と雲呑麺・・美味かったなぁと思いつつも夢の中へと滑り落ちるのであった。
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誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
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