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元禄料理教室  作者: 空銃(からづつ)
75/100

文書で会話

交易してみた


前回からの続き


商人あきんど首里しゅりぐすくの城下町で交易の為の情報収集をしていた。


商人あきんど

なるほどなぁ、当然やけど遠方の地の物ほど高いな

日本酒が10倍、西陣織は15倍かぁ・・焼酎とお茶は5倍で大島紬は3倍かぁ薩摩藩から流れてるからこんなモンやろな


買うモンは泡盛、紅芋、黒砂糖に琉装ウチナースガイの生地と言った所やな

日本酒と西陣織は半分は売却して焼き物や工芸品は置いとこか


商人あきんどは直感で決めて売買を行った。


船倉に運ぶとそのまま出航した。


船内で予備の大福帳を帳面代わりにして今まで食べた美味しい物と食べた場所を書き綴っていく。

王様の依頼なので事細かく書いていた。


どれくらいの時間がたったのだろうか船員に声を掛けられる。

「次の寄港地に着きまっせ!」


商人あきんど

え!?幾ら何でもはよ無いか?


甲板に出ると女神様パワー炸裂で馬で早駆けするより遥かに早い航行速度であった。


商人あきんど

女神様、かなり飛ばしてるんや無いんですか?


女神様

うん、日本のリニア並みかな


海上を500km以上で走っていたのである。


商人あきんど

リニアがなんか知りまへんけどごっつい早い出んなぁ

で、あの見えてるとこって何処でっか?


船長

あ、大旦那はん、アレが台湾ですわ


商人あきんど

へーって早過ぎやw


台湾の北部、淡水河と海が合流する汽水域、交易の重要拠点、淡水に夕日と共に寄港する。


ジャンク船が行き交う中、和風の千石船が入港すると珍しさからか皆の目を引いた。


人々が口々に

「何処の船だろうな?」

「これは珍品を載せてるぞ」

「これは良い商いの予感がするな」


千石船の乗組員のまげを結った髪型を見て「日本人だ!」と誰かが声を上げた。


港に停泊すると様々な商人が色んな商品を持って待ち構えていた。


商人あきんど

って言うか言葉が通じんやないかい!


仕様が無いので紙に大きく漢字で書いて見せる。

「商売、明日」と

集まった商人達はあーあと声を漏らして散って行った。


桟橋を下ろすと三人の商品を持って無い者達が乗り込んで来ると何やら書面を見せる。


商人あきんど

役人さんかいな、えっと「危険防止上商品閲覧」・・うん意味は解るな


役人を船倉に案内するとあれこれ見ては何か言ってる。


一人の役人がとある商品の所で立ち止まると他の役人を呼ぶ


商人あきんど

ん、あそこは日本刀がある所やな・・御禁制の品やったんか?


役人が紙に筆で何か書き出した。

「我、購入日本刀」


三人共が必死に伝えて来る


商人あきんど

ああ、日本刀が欲しいんかいな

これは工芸品級のええ奴やからな日本でも30両は欲しいな

この距離やし10倍で吹っ掛けて見るか・・えっと和同開珎とかの銭があるから

1両=4貫=4千文やから300両は銭120万枚か・・銀1貫=銀1000もんめ=約17両で銀なら18貫やな貫や匁は通じるんかいな?


かんもんめは通じなかった、と言うか銀が貨幣として流通して無いのである。

日本では銀が取れるが海外では南米で鉱脈が発見されるまでは世界で流通していた銀は1/3が日本製であり、台湾を始めとする海外では日本以上に価値があるのである。


役人達は「銭百二十万枚、明日」と書いてきたので商人あきんどは頷きつつ、「教示、美味的料理店」と役人達に見せると「徒歩少々、桃閣菜館」と返ってきた。


今夜はここで食事だなと商人あきんどは笑顔で役人達を送り出すのであった。

不定期UPです。

誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。

ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。   空銃からづつ

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