紅魔族
寝不足充血アドベンチャー
前回からの続き
翌日、あまり寝れなかった目の赤い商人は目を擦りながら、船内で朝食を摂っていた。
他の船員も目が赤いが高揚感に包まれていた。
朝食終了後には島に探検隊を出すのである。
女神様から宝島伝説を聞き「ワンチャン有るぞ」と全員が期待していた。
だた、女神様からは上陸後の案内や指示は無く見つけるなら実力で行けと言われた。
なので耳の良い者、目の良い者、感覚の鋭い者、腕っ節に自信の有る者、力自慢の者、そして交渉力が一番有る商人の六名の探検隊を編成したので有る。
食事が終わり探検隊は荷物を背負い船を降りると、留守番の船員達から期待の声を掛けられる。
女神様の声が響き渡る
「楽しんで冒険して来い!」
探検隊は船を見上げて見えない女神様に「おー」っと拳を突き上げる。
商人
よっしゃ、ほな行こか!
探検隊は先ず村へ向かい海賊の話を聞く事にする。
なかなか話を聞けないのではと思ったが島津家の家紋の入った書状を見せると効果覿面であった。
村長宅に集まった人々がポツリポツリと話してくれる。
記憶に残ってる者が多く、話を聞いた村長もその一人であった。
村長は叔父と兄と妹を亡くしたそうだった。
そして、その洞窟の入り口は以外にも簡単に分かった。
村長が入り口まで案内してくれたのである。
村長
ここまでは簡単なのですが中で幾重にも道が別れており、どこに住んでいたかは判りません。
探検隊は村長に御礼を伝えると先頭の感覚が一番鋭い者と最後尾の力自慢の者が松明を掲げて洞窟に入る。
探検隊は当初に決めた右手の法則に法って進む
別れ道になれば右、右と進む
何十回目の別れ道だろうか、三つに別れた所で右に進もうとすると耳の良い者が意を唱える。
「一番左から音が聞こえるんですわ」と
先頭の直感の良い者も何か感じたのか「ここは左ちゃいますか?」と言う
商人
よっしゃ、ここは二人の感覚に従おうや無いか、この分かれ目に目印を付けたら左や!
次の分かれ目では腕っ節の強い者と目の良い者がこっちが気になると言うので四つに別れた道の左から二番目を進む
そして、何時間過ぎただろうか通路を移動中に目の良い者が「ちょっと待っておくんなはれ!」と声をあげる。
商人
なんや!?
「一瞬、なんか光った様な気が!」
みんなで手探りで探すと隠し引き戸を見つける。
商人
慎重にな、気ぃつけるんやで
引き戸をスライドすると何か小さな箱が見える。
商人
ん、これって西洋の宝箱ちゃうか?
開けると日本を始め様々な国の銀貨、銅貨、銭貨が入っていた。
みんなが「やったんちゃうか!」って喜んぶ
商人
いや、これは本命や無いで・・金貨が入って無いし箱が小さい・・わざわざ隠す程のもんや無いで。
力自慢の者
ちゅー事は本命は別の所に有るっちゅー事でっか?
商人
そや!これは囮や
取り敢えず、この部屋に他になんか無いか探すんや
隅々探すと銅の彎曲刀、鋼の両刃のブレード、青銅の小刀と小さなナイフに西洋蝋燭2本と松明が見つかる。
商人
アカン!やっぱり、ここは本命ちゃうな
腕っ節に自身の有る者
もっと奥、行きまっか!
商人はどう返事しようか悩んでいると女神様の声が響き渡る。
女神様
はい、ここまで!
もういい時間だから戻ってきな
商人
あーあ、みんな聞こえたな?
探検隊の面々はガクッと肩を落とす。
商人
まあ手ぶらちゃうし、なかなかオモロイ土産話になるやん
あんまり欲かくと碌な事にならへんからなぁ
目の良い者
引き際かぁ・・しゃあないなぁ、女神様も呼んでる事やし戻りましょ
力自慢の者は小さな宝箱と刀類を小脇に抱える。
探検隊はめっちゃ後ろ髪を引かれながら洞窟を後にする。
外に出ると既に夜になってる事に驚きつつ、冒険って「アッ」ちゅー間やなと誰か言うとみんなウンウンと頷く
全員が久し振りにワクワクを体感したのであった。
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