御導き
おみや
前回からの続き
商人は鹿児島の城下町で宿を取っていた。
爆睡した翌日、朝飯を食べ終えて部屋でボーッとしていた。
商人
こっちの味噌汁は具沢山で山盛りやったなぁ
上方は具が少ないさかい、ちょっとびっくりや
あ、でも桜島大根の短冊切りと大豆もやしにゴロゴロ薩摩芋は秀逸やった。
こちらでは味噌汁はおかずなんやな
そう言いながら満腹の腹を摩る。
商人は満腹なのに次の食事の事を考えていた。
昼は軽く済ませてといて、夕食はキビナゴ(黍女子、黍魚子、吉備女子、吉備奈仔や魚編に長と表記されるニシン科の半透明な魚)の刺身を肴に芋焼酎で一杯を楽しみにしとこかw
そこに宿屋の者が声を掛ける。
「お客さん、下にお侍様がきてます」
商人
ん、おおきに
慌てて降りて行くと大目付であった。
大目付は二通の書状を出す。
これを琉球の薩摩藩の番所に出されよ
で、これが琉球王朝に出す分じゃ
道中、給水等の際はこの書状を見せれば問題無かろう
戻る際には殿、ご隠居、ワシへの土産、期待しておるぞ
ニヤリと笑顔を浮かべると忙しいのか何処かに行ってしまった。
商人
えー、冗談では無さそうやな・・しゃーないなぁ
ちゅー事は今夜の一献は無しやな
港に向かい出航準備を伝えつつ、交易に使えそうな品を買い求め、船に積むとすぐさまに出航する。
商人はキビナゴの刺身と芋焼酎の晩酌を逃し、後ろ髪を引かれる気持ちで離れて行く城下町を見る。
「くっ、帰りには絶対に!」と呟く
女神様
はいはい、じゃあ、行くよ!
商人の脳内に響く声に久々にびっくりする。
商人
あ、女神様、宜しゅう頼んます。
凪状態で小波もたたない海を回遊魚の様にスイスイと進む
女神様
途中、水の補給には一ヶ所寄ればいいね?
商人
あ、はい女神様にお任せ致します。
女神様
お!あーしにお任せね。
なら、エキサイティングな所があるから「ソコ」に行ってみよう!!
商人
え?
エキサイティングな意味が分からんのやけど、危ないんは勘弁して下さいね。
ほんまに
女神様
まあ、まあ
あーしにお任せ!悪い様にはしないからw
商人
普通でええんやけど・・女神様、信じてまっせ!
女神様
みんなに面白いとこに行くって伝えておいて!
商人
いや、ほんま普通でええんですけどって女神様、聞いて・・無いなぁ
もうええわ!
「みんな、女神様がおもろいとこ連れてったる言うてるで!」
船乗り達は湧き上がる
「女神様推薦のオモロイ所?」・「これは楽しみやな!」・「船乗りは海出てナンボやで女神様はよう解ってはる!」・「女神様公認のオモロイ所かぁ、期待大やで」
商人の心配を余所に船乗り達はノリノリである。
さて、女神様推薦の面白い所とは一体どこなのか?グングン進む船は女神様の思惑のままに進んで行くのであった。
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