渡りを付ける
正体
前回からの続き
商人はみっちゃん屋敷でカレーライスを出し終えた。
皆から美味かった、美味しかったと賞賛を浴びて居るとみっちゃんから書状を頂く
商人
これは?
みっちゃん
美味い物の御礼じゃ
これを持って城に戻り渡すが良い。
書状の裏には「光」と書かれていた。
商人は言われた通りに戻り、門番に書状を渡す。
門番は裏面の「光」を見て驚くと何処かに走って行った。
違う門番に先程の部屋に案内され数分後に大目付がやって来た。
大目付
殿がお会いになるとの事じゃ、案内する故、粗相の無い様にな。
急展開の中、商人は大目付に連れらて大広間へと進む、大目付の斜め後方に座して居ると「殿のおなーりー」と声がする。
大目付同様に頭を下げていると声が聞こえた。
殿
面を上げよ
大目付と商人は、「ははぁ」と土下座から頭だけを前に向ける。
殿
苦しゅうない、楽に致せ
ここで大目付と商人は普通の正座になる。
殿
ワシが島津家20代当主にして鹿児島藩主三代目の島津 綱貴である。
さて、鳥屋とやらこの書状をどの様な経緯で手に入れたか申せ
商人
ははぁ、案内された部屋で待って居りました所、「みっちゃん」殿と名乗る御仁が来られて、話の中で料理をする事になり、「みっちゃん」殿の御屋敷にて馳走させて頂きました。その御礼に頂戴致しました。
殿は深く溜め息をつく
殿
みっちゃん殿か・・誰か知っておるのか?
商人
いえ、御本人様が「みっちゃん」と呼べと申されまして
ご正体の程は存じ上げません。
殿
先代当主でありワシのお爺様「島津 光久」公じゃ
はー、御隠居様は勝手に・・
渡航等の件は好きにするが良い。
琉球の尚質殿へ書を親しめよう
後は、大目付に聞くがよい。
もう、よいぞ、下がれ
大目付と商人は下がり、先程の部屋に戻ると大目付が開口一番、知らぬとは言え、先代様に「みっちゃん」殿とは何か!!と怒られる。
商人
そんな、御無体な!
ご本人様が「みっちゃん」って呼べ言うから・・
大目付
まあ、良くは無いが良い。
商人
〔どっちやねん〕
大目付
書状が出来るまで宿なり船なりで泊まっておれ、居場所が決まれば門番にでも伝えておけ
何か質問はあるか?
商人
殿様が仰られた「琉球の尚質殿」とはどなたで御座いますか?
大目付
様をつけんか、様を!
琉球の国の王、尚質様じゃ
琉球を薩摩が支配してると言う程になっておるが実質の支配者で有り、我が藩とは持ちつ持たれずの共存関係である。
商人
へー、政は難しいんでんなぁ
大目付
まあ、庶民には解らぬ事ではあるな。
でだ、許可を出すのじゃから我が藩に有益になる様に動いてくれると助かる。
商人
〔交易的な事なんか?〕
あ、はい、頑張ります。
・
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その後、商人は城下町に宿を取り長旅の垢を流すと精神的な疲れからかその夜は爆睡するのであった。
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