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元禄料理教室  作者: 空銃(からづつ)
66/100

みっちゃん

擦った揉んだで


前回からの続き


商人あきんどは運ばれたお茶に口を付ける。

誰も居ないのをいい事に胡座あぐら座りであった。


商人あきんど

ほう、ええお茶使ちゃつこうとる、流石は雄藩の島津様やな

鹿児島は有名なお茶処ちゃどころやからな


とっくにお茶を飲み終わった。

待てども待てども大目付は来なかった。


商人あきんどは大の字になって天井を見ながら呟く

「こりゃあ揉めとるな、暫くは鶴丸城「※ 鹿児島城とも言う」の城下町で足留めかも知れんなぁ」


その時、誰かが板廊下を歩いて来る足音が聞こえ、慌てて正座し直し、頭を下げる。


「御免」と違う声が入ってきた。


謎の男

ああ、楽に致せ、楽に致せ!


商人あきんどが恐る恐る頭を上げると穏和そうな年配の男が座っていた。

バリバリの侍と言う感じは無く、ラフなスタイルであった。

格好だけの短めの脇差しを付けただけの御意見番と言った感じに見えた。

にこやかなのに恐ろしさも感じる御仁であった。


商人あきんど

お初に御目に掛かります「鳥屋」で御座います。


謎の男

おお、鳥屋殿か

わしは・・わしは「みっちゃん」と呼ぶが良い


商人あきんど

え!みっちゃん様ですか?


みっちゃん

様は要らぬ

堅苦しいのは無しじゃ


商人あきんど

えっと、みっちゃん殿、話は纏まりましたでしょうか?


みっちゃん

殿も要らぬがまあ良しと致そう

話?ん、ああ、まだまだ掛かるだろうな。


商人あきんど

え?では出直させて頂けば宜しいのでっか?


みっちゃん

どうかの?

わしはこの件には何の関係も無い

面白そうなのが来とると聞いてな

暇潰しの話相手じゃ


商人あきんど

ははw、話相手でっか・・

〔誰やねん、このお人は〕


みっちゃんは商人あきんどに聞いて聞いて聞きまくる。

上方の話し、江戸の話し、これまでどんな所へ行ったかとか、何を扱ったとか

次第に各地の名所、名産品の話になり、旨いものの話になって行った。


そして、ここまでの経緯を話し、話のツボである香辛料集めの話をする。


みっちゃん

ほほう、鶏かれぃ飯とは・・旨そうじゃのう、食ってみたい物じゃ


商人あきんどの脳内に女神様の声がする。

「材料用意するから、ユー、やっちゃいなよ!」と


商人あきんど

そろそろ、昼になりますなぁ、お口に合えばええんですが・・準備させて頂きましょうか?鶏かれぃ飯


みっちゃん

ほう!そうであるか

これは千載一遇の機会じゃ、わしの家の台所を使ってくれ

後で迎えを寄越す!おお、米は炊いておくぞ!


そう言うとみっちゃんは飛び出して行った。


商人あきんど

即決、即行動・・頭の切れるお人やな

商いでも成功するお人やな


女神様

いやー、危なかったよ

怪しかったら切ってやろうと考えてたみたいだねw

みっちゃんが鶏好きで良かったね。


商人あきんど

ええ!めっちゃ危ないや無いですか!


女神様

気にすんなし、助け船出したじゃん

もう大丈夫だから


商人あきんど

た、頼んまっせ女神様

おー、怖っ!


で、話の結果はどうなるのだろうかと冷や汗を拭いながら考える商人あきんどであった。

不定期UPです。

誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。

ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。   空銃からづつ

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