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元禄料理教室  作者: 空銃(からづつ)
64/100

東奔西走

馳走


前回からの続き


ビニールハウス大が完成し、両サイドが巻き上げ式になっているので上げておくと雑草がいっぱいに生えていた。


それを見廻り役の者から侍は聞き、就業後に平田に伝えた。


平田

え、雑草がいっぱい!

うーん、抜けば良いのかな?


料理以外は門外漢なのでさっぱりであった。


賄いを作りながら町人が言う

「普通は抜くってもんだが女神様の御意志ってところが普通じゃねぇんで何とも言えねぇなぁ」


やはり女神様にお聞きするのが正解かの?


おかよ

あれ?いつもやったらここでピカッて来んのに


お香

本当ですね。


平田

まあ、女神様も御多忙なんでしょう

正にその通りであった。


商人あきんどはビニールハウス完成後から不在にしていた。

何故かと言えばスパイス集めに東奔西走していたのである。


それを女神様はバックアップ中であった。


ビニールハウス完成後、直ぐに下の物は江戸の薬膳横丁で見つかった。


鬱金うこん「※ターメリックの事」、胡荽こえんどろ「※パクチー、コリアンダー、香菜シャンツァイの事」、胡椒に赤唐辛子、陳皮ちんぴ


他が見つからない。


商人あきんどは心中で思う

ピメント、洎夫藍サフラン、クミン、胡盧巴ころは「※フェヌグリークやメッチの事」、古々椰子油ここやしあぶら「※ココナッツオイルの事」は無いなぁ


百味胡椒、又は三香子「※オールスパイスの事」は扱った事すら無いって言われたし、代わりの丁子ちょうじ「※クローブの事」と肉荳蔲にくずく「※ナツメグの事」も無い。

肉桂にっき・にっけいはあっても辛味のある支那肉桂カシア

欲しいんはセイロン肉桂「※シナモンの事」なんやけど聞いた事も無いって言われたもうた・・


見つからないと見るや否や、女神様の指示で侍経由にてある藩の江戸屋敷を訪れて書状を渡し、「上様の名で料亭の森善もりぜんにカレーを安定供給しなければならない。」と半ば無理矢理に協力を得る。

流石は時の権力者である。


そして現在、大坂「※現在の大阪」は堺の本店に商人あきんどがいた。


早朝、商人あきんどの脳内に声がする。


女神様

うーん、天下の台所でも入荷した事が無いか・・


商人あきんど

では、当初の予定通り船出でっか!?


女神様

だね、バッチリ加護するから安心して!


商人あきんど

それは心強いでんな!


商人あきんどは保有する中で一番足が早い船を用意し、出航準備に取り掛かった。


長距離航海の経験が無い商人あきんどを船長が心配するが「女神様の御加護があるから問題無いって、いけるいける!」とゴリ押しする。


そのまま船乗りに混じり出航する。


小波一つ立たぬ穏やかな海面で有りながら、どっちに船首を向けても強風の追い風という有り得ない現象に船員達は神仏の御加護を疑う者はいなかった。


船長

うわ!めっちゃ早い!

大旦那はん、こんなん初めてやで!


商人あきんど

そやから言うたやろ、神様の御加護があるってw

ウチの女神様は最高やで!


船長

そやけど、強風の日は荒波っちゅうんが常識なんやけど・・

ほんまに御加護や!ごついなぁ


女神様

そりゃ、最高のあーしが協力してんだから当たり前っしょ!


いきなり皆の脳内に声が響き渡り「うわっ」と驚き恐れおののいて慌てて祈る船員達であった。


はたから見るととんでもない速度で揺れも無く進む商人あきんど達の船を見た者達は「宝船を見た!」と噂になるのであった。

不定期UPです。

誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。


「投稿せいや!ゴルァー」と怒られたので頑張ります。 空銃からづつ

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