玉手箱
報酬
初日にカレーを教えて、明日の集合を約束して三人が帰った後、フッとキャトルミューティレーションされた公園の芝生の上で大の字になっていた。
時計を見ると数秒しか経って無かった。
平田
・・・逆浦島状態か
浦島太郎みたいに戻ったら数百年後で無くて良かった。
時間が経過してないが疲れはあるなぁ、買い物して帰るかって・・!!
ふと見ると横に綺麗な模様の木箱がある。
七色の紐で蝶結びになっていた。
平田
うわっ、玉手箱的なヤバそうな箱がある。
〔これって開けちゃダメなヤツだろ〕
平田は開ける事無く、家に持ち帰った。
2LDKのアパートに戻り風呂に入り、簡単な料理をして食べる。
音楽を聴きながら洗濯、洗い物
寝ようと、電気を消した瞬間だった。
平田ぁ、箱開けろよ!と黒ギャル女神の声が脳内に響いた。
平田
うわっ!
ビックリした!!
何ですか、寝ようとした所に
黒ギャル女神
いいから箱開けろよ!
早よ早よ
平田
え、嫌です。
これって煙が出てくるヤツでしょ?
黒ギャル女神
違うって!平田ぁビビり過ぎっしょw
箱、回収出来ないじゃん!良いから報酬取れって
平田は灯りを点けるとおっかなビックリで箱を開けた。
「お?おお!お金だ!」
10万円が入っていた。
煙と共に箱が消える。
平田
煙ぃ!!
し、しまった!
箱が消えただけだった。
黒ギャル女神
平田ぁ、うるさいってw
明日、起きたら現場飛ばすんで、よろ
あ、暫く泊まり込みなぁ
平田
あ、チョットあの話しが!
黒ギャル女神
え、話しは朝な、風呂離脱しまーす。
良い夢見ろよw
平田
えー!女神様ぁ、あの・・
何度か呼びかけたが返事は無くいつの間にか眠っていた。
・
・
朝、布団の中で目覚める。
「あ、今日から泊まり込みかぁ」
気付けばあの調理場に和服に着替えて横になっていた。
平田
え!?
チョット!唐突過ぎるって
黒ギャル女神様が降臨する。
「仕事はテキパキ、ちゃっちゃとが基本なんでw、あ、なんか話しがあるんじゃ無いの?」
平田
え、あ、メニューとか、いつからオープンと言うか、値段とかお三方の給金とか、寝床とか、風呂とかは?そもそも私の給料って幾らなんですか?
黒ギャル女神
メニューはチキンカレーライスだけでは弱いから、チキンカツ定食、チキンカツサンド、チキンカツカレー辺りでいこ、うん。
数日、練習してイケると思ったらオープンでw
値段はチキンカレーが12文、チキンカツ定食は18文、チキンカツサンドは16文、チキンカツカレーは20文で先払いでいこ、うん。
平田
黒ギャル女神様は即決だなぁ
黒ギャル女神
あーしは料理の神様なんだから職人気質
なんで即決っしょ!
寝床はそこに4部屋分のドア作ったから使いな。
平田
あ、はい、話しが早くて助かります。
〔いやー、どう見ても水商売とかレディースとかそういうアパレルショップの神様なんだか・・あの髪型や爪で料理とか無理だろ〕
黒ギャル女神
平田ぁ!お前なぁ、女神パワーで読めるっての!
パイセンに逆らうなっての!
料理の世界は上下関係が厳しいのわかってんだろ!
そう言うと怒り気味に包丁を手にする。
平田
ひー、怖いって女神様
黒ギャル女神
ったくよ!時間だから帰んぞ!
しっかり、働けよ。
じゃ、よろ〜
そう言うと黒ギャル女神はピカッと消えた
呆然としつつ玄関のつっかえ棒を外し引き戸を開けると三人が三方向から来るのが見えた。
三人共明るい笑顔で軽く手を上げあうのであった。
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