人権?何それ美味しいの?
張込み
南町奉行所で町人が張り込んでいると門番達が話しているのが聞こえる。
門番い
鳥屋も頑固者だなぁ、素直に認めてしまえば良いのに
門番ろ
痛い目に合う必要も無いだろうに・・
町人は良く聞こうと耳をすますと違う声がかすかに聞こえて来た。
「ぎゃー!」
平田の悲鳴であった。
町人
お師さん・・こいつはいけねぇ、拷問が始まっちまった!
その時脳内に女神様からの声が響く「帰って来い!」
町人
うおっ、びっくりしたぁ
これか、お師さんがビクッてしてんのは
とと、いけねぇ、帰りますよっと
町人は平田の悲鳴に後ろ髪を引かれる思いを断ち切って店へと戻る。
・
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一方、奉行所内の拷問部屋では平田がきっつーい取り調べを受けていた。
後ろ手に縛られ、ギザギザの石畳に正座させられ、足の上には重石の大きな石板が5枚程乗せられていた。
平田
いったぁー!痛っ、ちょっと、あの、参りました!ホントに
同心1
まあまあ、そう慌てるな
取り調べも始まったばかりだ
そう言うと腕捲りをし、たすき掛けしながら、竹刀の先の留具と中間の留具を外す
軽く振るとビュン、ヒュンと風切り音がする。
平田
ひ、ひえー!
同心1が用意してる間に同心2が平田の上着をずらして肌をあらわにさす
同心1はウッキウキで「よし、始めようか!」と平田に声を掛ける。
平田
認めるって言ってるじゃ無いですかぁ!
同心達はニヤニヤしながら「まあ、まあ」と言うと同心1が振りかぶる。
ピュウン、バシン!「ぎゃー!」
ヒュン、バシ「グガァー」
ピュン、ピシン「いっったぁーい!」
ビュン、パチーン「た、助けてぇー!誰かぁ」
同心2
どれ、そろそろ重石を増やすかのぅ
一気に2枚行っちゃおうかなぁ?
平田
ひ、ひえー!
ドスンと二枚乗せられる。
平田
ぎゃーす!
そう言うと気を失う
同心2
なんだ、なんだ?これからがいい所なのに
そう言いながら冷え冷えの井戸水をザッパーンと掛ける。
しばかれた裂傷やミミズ腫れに一気に染み込むと激痛で目覚める
平田
ぐわー、痛い
同心2
次は塩、からしで傷口を揉んでみるかのぅ
二人の同心と言う名の拷問官は満面の笑みを浮かべる。
平田の顔から血の気がサーっと引いていく。
涙目で呟く「助けて女神様・・」
そこに他の同心が入って来る。
「放免だそうだ」
拷問官達はチッと舌打ちをする。
奉行所の前では侍、商人、町人が大八車を引いて待っていると平田が連れられて来る。
同心3
「次からは疑われぬ様に致せ!」と叩き出される。
転がる手前で商人が抱きかかえる。
ハアハアと息を切らし、動けぬ平田をみんなで大八車に優しく乗せてゆっくりと引きながら店へと戻る。
平田は燃える様に熱い体に身悶えながら、道中、女神様が動いてくれた事で助かったと知らされる。
平田は改めて江戸時代の人権の無さに恐怖する。
そして、女神様有難う、皆さん有難うと言うと気を失うのであった。
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