刺客
妙な客
今日も大繁盛してる店内に異彩を放つ客がいた。
侍
ご注文は?・・むむ
〔こやつ、出来る!しかも、かなり〕
客
ちと、お尋ね申す。
新作の話題の料理とはどれで御座るか?
侍
それなら、ご飯物のお品書きで御座る
客
全てで御座るか?
侍
如何にも
客
むむむ、ええい、では二品頂こう!
玉子鶏ソースご飯とふわふわ玉子鶏トマトご飯なる物を頼み申す。
侍
あいわかった、暫し待たれよ。
水はおかわり自由にて、空になれば、その入れ物から注ぎ飲まれよ
そう言うと水をコトっと静かに置き、厨房に入る。
「玉そう、ふわとま、一丁 七番様じゃ」
商人
はい、喜んで!
今日は商人がご飯物を担当していた。
横で平田が付いて手伝っていた。
おかよも定食のセットを用意して汁やご飯、皿にキャベツも盛ったりと徐々に調理に携わりだしていた。
お香は交代で侍と注文の御用聞きをしていた。
おかよ、お香の実戦配備計画に伴い、洗い物は空いた隙に誰かがやる事になった。
そう言いながらも経験を積ます為、専ら、平田が洗っていた。
侍はふと気付く
「ああ、師範か師範代の!」
平田
どうかしたんですか?
侍
いや、お客で中々の豪の者がおってな
今気付いたのじゃが、剣術指南役の柳生門下の師範だったか師範代だったかがきておるのじゃ
町人
へー、お侍さんは面識がおありで?
侍
いや、以前、チラッと見ただけじゃ
ワシは、こう見えても剣術は柳生新陰流なんじゃ
流石に同門だと顔ぐらいは見覚えがある。
まあ、向こうは多くの者に教えを請われる身、ワシには気付かぬがなw
平田
へー!
〔柳生新陰流!?俺でも知ってるぞ!確か将軍家の剣術指南役だよな、お侍さんって一体?〕
そこにドカンと注文が入る。
侍
む!いかん
焼き場に入る!
町人
こいつはいけねぇ!
揚げまくらねぇと!
商人
きたきたぁ!ご飯物がいっぱいや!
おかよは定食セットの用意を始める。
平田は丼やパンの用意をする。
商人
お先に、さっきの七番様や
玉そう1、ふわとま1、お香ちゃん、頼むで!
お香
はーい!
お香は先程の侍の所に提供に出る。
平田
おかよちゃんもその準備終わったら提供にまわって!
〔うーん、時間が有れば本物の剣客や剣豪を見てみたい所だけどなぁ〕
おかよ
はーい!
有名人が来て、見れたとしてもチラッとしか見れない。
忙しい飲食現場のあるあるである。
実はこのお客様のお侍がみんなを飛んでも無い事に巻き込むのであるが誰も気付いていなかった。
不定期UPです。
誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。 空銃




