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料理神は伊達では無い

バリバリの職人気質

店を閉めた瞬間、女神様が御降臨あそばす

みんな、初めてのタイミングで驚く

商人（あきんど）

どないしたんでっか？

間髪入れずに？

女神様

ん、今日はね平田に宿題を言いにね。

平田

え、何ですか？

女神様

この前に作ってた賄いのデミグラスソースの煮込みとチキンのトマトガーリック炒め

あれはちょっと飛ばし過ぎだから、トマト味のもう少し抑えた料理を浸透させろ、みたいなw

平田

え、急に言われましても・・

いきなりの無茶振りに困惑する平田

女神様

今日は見といてやるから頑張れ！

平田

うーん、どうしようかな

冷蔵庫内をチュックする。

安定の鶏肉、今日はご飯もある。

カレー用のじゃがいも、人参、玉ねぎ

玉子・・パン粉に調味料に香辛料

女神様がとある調味料を指差す。

平田

・・あ！

女神様

そう、あれが出来んでしょ？

他の面々は自分の仕事をコツコツとやっているといつもと違うフライパンを振る音に気付く

カットした鶏肉を少なめの油をひいたフライパンで塩胡椒で炒める、そこに微塵切りの玉ねぎ、人参を投入する。

そして、本日の余りのご飯も投入すると女神様の示した調味料、ケチャップをかけていく。

平田

出来ました！チキンライスです。

女神様

よーし！次はデミグラスソースで作ってみな！

平田

はい！

チキンライスが二種類出来上がる。

女神様

ここまでくれば、応用出来んでしょ？

やってみ？

平田

？・・！！はい

平田は玉子を出すと溶き出す。

そして、ふんわり玉子をチキンライスの上に載せると真ん中をカットする。

「ふわふわオムライスの完成です！」

女神様

よーし！普通のもやってみ？

そして、チキンライス二種、オムライス二種、ふんわりオムライス二種が完成した。

女神様

見た目と提供間違い防止にデミオムは上にもデミな、普通のはケチャップな？

で、平田ぁ、出来るからって飛ばすな。

先ずは入り口は優しめにしないとみんながついてこれねぇっての、わかるだろ？

いきなり、本格フレンチやイタリアンや宮廷料理見せてもできねぇだろ？

お叱りを受けた平田は「は、はい！申し訳有りませんでした！」と大声で頭を下げる。

女神様

わかりゃいい、明日から行け！

ご飯物で鶏トマトご飯と鶏ソースご飯は十六文（もん）

玉子鶏トマトご飯と玉子鶏ソースご飯は十八文（もん）

ふわふわ玉子鶏トマトご飯、ふわふわ玉子鶏ソースご飯は十九文（もん）

全員作れる様にしばらくは賄いで練習させな、OK?

平田

はい、わかりました。

あのう・・

女神様

聞きたい事はスパンと聞く！

平田

何でご飯（はん）何ですか？

今まで飯（めし）だったのに！

女神様

オムライスは子供やガールズ向けの可愛らしい食べ物だからだよ、言わせんなよ。

じゃあ、みんな「おっつー」

そう言うとピカッと消えた。

平田

あの見た目で滅茶苦茶、職人気質かと思ったら女の子な所はあるんだ。

気付くとみんなが木匙（きさじ）を持って「まだかまだか」と待っていた。

平田

お待たせしました、頂きましょう！

「頂きます！」そう言うと笑顔でチキンライスやオムライスを頬張る。

チキンライスにオムライス、それはみんなを子供にする魔法の食べ物であった。