奇妙奇天烈
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前回からの続き
少し早めに平田、お香、おかよの三人は厨房に出る。
朝から覇気の無い平田は朝食の賄い作りを始めようと冷蔵庫内を見る。
洗米し、炊飯を始める。
今朝は胡椒と醤油で焼いたチキンカットと目玉焼きにはケチャップを乗せて、日替わり用スープのポタージュにご飯でいく。
ふと、おかよとお香が目に入る。
二人はふりふりのメイド服が楽しくてクルクル回っては笑顔を振り撒いていた。
髪型も現代風のゆるふわ小悪魔ショート&ロングツインテにした事で礼和の人間に見える。
平田はボーッと暫く見ていたがハッと我に戻ると調理の続きを始める。
すると、各ドアから侍、商人、町人が出て来る。
三人は一斉におはよう御座います!と声をかける。
平田
あ、お早う御座います。
お香とおかよも返事をする。
侍
お!おお!まるで別人では無いか。
商人
ホンマや!いつの間にこんな服、用意したんでっか?
町人
良いんじゃねーかい、やっぱり、女の子がいると花があるってもんだな!
しかし・・あ師さん、元気がねぇんじゃ無いかい?
侍
うむ、しっかりと寝ておらぬのでは?
商人
商いに影響でまっせ、頼んまっせお師匠はん!
平田
ん、ああ、すいません、大丈夫です。
三人は仕込みを開始する。
平田
今日の接客はどなたでした?
侍
ん、拙者じゃ
平田
では、二人に接客を教えてあげてください。
侍
うむ、頼まれた。
お会計は?
平田
お勘定はお侍さんがやってください。
侍
うむ、わかり申した。
では、お香とおかよは今日はワシに付いて参れ
二人は元気に「はい」と返事をする。
仕込みが終わると各食器のスタンバイを行う
平田
賄い、出来ました。
町人
お、待ってました!
みんなで手を合わせて食べる。
皆色々と感想を述べている。
「ふむ、胡椒と醤油か」・「これはこれでいける」・「ほー、思ったよりポタージュスープに会うなぁ」・「朝からご馳走!美味しい」・「めっちゃ美味いなぁ、幸せ!」
そして食べ終わるといよいよ開店だ、全員で店内の神棚にパンパンと手をたたくと店の扉を開く
ドッと客が雪崩れ込む!
お香とおかよが「うわっ!」と声をあげる。
侍の「いらっしゃいませ!」に引っ張られるように少女達も「いらっしゃいませ!」と声をあげる。
厨房に次々とオーダーが流れては料理が出て行く。
そして、何故か昼から女性客が大量に押し寄せる。
平田
え、なんで?
女性客の一人が昼に売られた瓦版を見せてくれる。
味で話題の御食事処「鳥屋」さんに新たな服の流行の風!
奇妙奇天烈にして斬新で可憐!南蛮渡来の洋服を着た店員、お香、おかよが初見参!
髪型も見た事も聞いた事も無い形で大人気!
小野小町の再来か?と大江戸八百八町で話題沸騰中!
デビューと共にお香とおかよはファッションリーダーになってしまったのだ。
平田
へー、朝から頑張った甲斐があった。
瓦版屋さん、朝一で来てもう刷ったのかぁ!仕事が早いなぁ
しかし・・初めて知ったけど、この店って「鳥屋」って名前だったんだ。
商人・町人・侍が一斉に突っ込む
いやいや、美食研究会って最初に言ってたじゃ無い!
お香&おかよ
へー、御食事処じゃ無くて研究所だったんだ!
そう言いながら、注目される中、御盆の上げ下げで笑顔を振り撒く二人であった。
参照
小野小町
https://www.zuishinin.or.jp/onono_komachi/
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