不思議の国のお香&おかよ
変な所
おかよの場合
うちの名は「おかよ」手代としてお父ちゃんが勤めてる御店に丁稚に行く話しを聞かされてた。
お父ちゃんは新しい御店を出す際には番頭になれそうや言うて喜んでた。
お父ちゃんは丁稚の頃から勉学に励んで今の地位「時期番頭」まで来た言うてた。
そやから読み書き算盤は「しっかりしとかんか!」言うて子供の頃からやらされてん。
丁稚はいつから行くんやろ?と思てたら、いきなり、大旦那様がお父ちゃんに「ごっつい店あんねん!こっちで働かせた方がええ!」て話しがいきなり来たんやけど、お店の名前もどこにあるかも聞いてへん。
家で朝御飯食べ終わった時に大旦那様が迎えにきて、気ぃ付いたらケッタイな店連れて来られて知らん人ばっかりやし、大旦那様は今日、初めて喋ったし、もう泣きそうや!
でも、「みるくここあ」っちゅう飲み物は最高やった。その後、賄い料理の「親子丼」もお腹すいて無かったけどめっちゃ美味しく食べれた。お陰でニッコニコや!
今はみんなが忙しそうにしてんのをジッと見てる。多分、お盆運びからやるんかな?
お香の場合
私の名はお香
お父上様は江戸屋敷で勘定方として御奉公をされておりまする。それもあり幼少の頃より兄上様と共に「読み書き算盤」を手習いしておりました。
お父上様の勧めで江戸屋敷の女中見習いをする話しがあり、江戸屋敷の老中様にも話しが通っており、春前にはと聞かされておりました。
されど、先代のお殿様、御隠居様が読み書き算盤を出来る子を探しているとの事でお爺様が我が孫が出来ますとご報告した所、女中見習いなど勿体無い!良い奉公先が有る!と言われ、それを聞いたお父上様は何処に行くのか?もしや有力大名家?大奥?江戸城か?と最近は落ち着かぬご様子
近々、迎えに行くと聞き及んでいた所、今朝、いきなり御隠居様が迎えに来て、手を引かれて江戸城どころかどっかのお店に連れて来られて、涙目になっておりました。
ただ、「みるくここあ」が大層、美味しく武家の娘に有るまじき喜びの声をあげてしまいました。が、本当に美味しい飲み物でした。また、朝食は食べた後でしたが、賄い料理の「親子丼」も美味しかった。
今は、皆様が料理をしてる所を見させて頂いております。
何故、御隠居様が下々の者に混じって料理をしているのか理解に苦しんでおります。ここで女中見習いをするのかなぁ?
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侍
むう、今日は特に忙しい!!
先程から鶏の網焼きをずっとしておる。
塩焼、照焼、味噌焼・・ううむ、水も飲めんではないか
新作の品が飛ぶように出る。
ん、塩焼はさみが二・塩焼定食三に塩焼かれぃ一つに塩焼丼二つ分!焼けたぞ!
そう言いながら俎板の上で素早くカットして行く。
平田がパンを用意してカットしてない塩焼を挟むとカットする。
一つが持ち帰りで、これは店内・・両方共2番さんね。
それを商人が「さっ」とお盆の上に乗せると「2番さんね!」と復唱しながら持って行く。
町人が定食三、丼二とご飯の入った丼と定食のセットを用意する。
カットの終わった塩焼から定食用のキャベツの乗った皿に平田が乗せると町人の用意した定食セットに移動させる。
商人が素早く味噌汁を入れる中、一、三、五番ね!と平田が伝えると商人が一三五、一三五と呪文を唱えながら持って行く
その間に町人が丼を仕上げて七番、九番さんね。と戻ったばかりの商人に渡す。
商人は「ひー!七九、七九」と言いながら運んで行く
侍が次は味噌焼仕上げると言いつつ指示を仰ぐ、平田は定食2、はさみ2の丼6!と読み上げる。
侍
な!丼六ぅ!?
むむ、二、二、六と言いながらターンした鶏肉に味噌だれを塗って行く
平田がパン二人前の準備を用意しつつ、唐揚げをフライラーから上げる。
唐揚ぇ上がったよ、定食1、丼2ね。
町人があいよ!と用意する。
平田は注文を見ながらフライヤーにカツを滑らせて行く。
味噌カツ1、チキンカツ2、ソースカツ丼1、カツサンド1の5枚っと
商人が「毎度おおきに!」と言いながら食器を下げに戻り、食器をシンクに漬けると、次の味噌汁を定食セットに入れて行く。
平田
ご飯有る?
町人
お、1 /3切ってやがる。炊飯しますぜ!
そう言いながら、もう一台のスイッチを入れる。
商人が注文書を滑らしてくる。
平田
ええっと、御新規、味噌カツ定、照焼定、親子丼2、味噌カツ丼っと
お香とおかよには謎の呪文に聞こえる。
一体、何を言ってるんだろう?
ただ、ひたすら何かを揚げて、焼いて、切って、時にはご飯やお汁物と並べて出している。
それしかわからないのであった。
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