増えました
負けられぬ!
翌日の仕事終わり、侍は腕を捲り上げて「いざ!」と賄い料理に取り掛かる
他の者は洗い物、食器の乾燥庫へ収納、売上金の集計を行っていた。
売上金の集計中の町人はぼそりと呟く
「さてと、お侍様はどんな料理をすんのかねぇ」
食器収納中の商人も同じ様な事を呟いていた。
侍は「定食、カレー、丼、サンド」の4種類全てに出来る料理を作ろうとしていた。
平田
全てのメニューに対応可能な一品って何だろう?
それとも数種類作るのか?
お手並み拝見致しましょう。
侍はチキンカツを揚げつつ、鶏肉の網焼きを始める。
そして、何やらタレの様な物を作っている。
商人
二種類やな
確かに侍は2種類作る予定であったが、さらにもう一つの秘策があった。
侍
料理を作るだけではいかん、新たな考え方を示さねばならぬ。
侍を余所に三人は作業を終えて侍を待った。
侍
待たせたの!
鶏の味噌焼き、鶏の味噌かつの完成じゃ!
かつは丼、定食、ぱんはさみ・・かれぃにも行ける?
味噌焼きは定食、丼、かれぃにぱんはさみもどうかの?
で、味噌焼きのぱんはさみが行けるのであれば、照焼や塩焼も行ける筈では?
平田
お、おお!既存メニューの応用まで!
侍
師匠、先ずは味をみてくれぬか?
平田
そうでした、では、頂きます!
商人と町人も慌てて手を合わせる。
町人
頂きやすぜ!
商人
これはどんな味か興味あるなぁ
平田
味噌カツ・・名古屋の代表的な郷土料理、どれ
皆で箸をつける。
商人
ん・・八丁味噌やないか
町人
普通の味噌じゃねぇって事かい、やりやすねぇ
ふうん、醪焼や西京焼もおもしれぇかも知れねぇな
商人
それやったら、酒粕焼き
侍
ほほう、それは面白いのう
で、師匠、鶏味噌かつのかれぃ飯、味噌焼きのぱんはさみは行けそうかの?
平田
ぱんはさみは味噌カツはもちろん、味噌焼き、塩焼、照焼もいけます!
味噌カツかれぃはどうかな?折角の味噌の香りが・・
香り負けが厳しいかも知れないですね。
侍
そうであるか、やはり、かれぃ飯は難しいか・・
商人
お侍様、何を意気銷沈してん
こんなに新たな品を増やしといて
町人
全くでぇ!胸を張っておくんなせぇ
平田
そうですよ、残念がる必要はありませんよ。
大金星ですよ!
侍
であるか・・素直に喜ぼうとしよう
そう言えば、今回、女神様の声が聞こえぬ様だが?
女神様
あ、喋り辛いじゃない!
じゃあ、ちゃっちゃと値段言うよ
味噌カツ定食は19文
味噌焼き定食は18文
味噌焼き丼と味噌カツの丼はキャベツを引いて、味噌焼きが17文、味噌カツが18文
味噌カツのぱんはさみは17文
味噌焼と塩焼と照焼のぱんはさみも16文で!
じゃーねー!
平田
スッと帰っちゃうから・・
侍
しかし、これだけ品が増えると、ちとキツいのう
平田
うーん、もうお手伝いさんを雇わないと無理ですね。
皆で話し合って面談日を決めるのであった。
最新の御品書
定食類
鶏かつ定食 十八 文
鶏味噌かつ定食 十九 文
鶏味噌焼定食 十八 文
鶏照焼定食 十八 文
鶏塩焼定食 十八 文
鶏唐揚定食 十九 文
かれぃ飯類
鶏かれぃ飯 十二 文
鶏かつかれぃ飯 二十 文
鶏塩焼かれぃ飯 二十 文
鶏唐揚かれぃ飯 二十一 文
唐揚鶏かつ塩焼かれぃ飯三十 文
丼類
親子丼 十五 文
鶏かつ丼 十七 文
鶏そーすかつ丼 十七 文
鶏味噌かつ丼 十八 文
鶏味噌焼丼 十七 文
鶏照焼丼 十七 文
鶏塩焼丼 十七 文
唐揚丼(塩胡椒) 十八 文
唐揚丼(甘だれ) 十八 文
その他・御持帰り
鶏かつぱんはさみ 十六 文
鶏味噌かつぱんはさみ 十七 文
鶏味噌焼ぱんはさみ 十六 文
鶏照焼ぱんはさみ 十六 文
鶏塩焼ぱんはさみ 十六 文
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