あっちこっち丁稚
人手
新メニューの親子丼も好評で連日の大賑わいが続き、この日も完売御礼で暖簾を下ろし一息ついた所であった。
平田
皆さん、お疲れ様です。
そう言いながら冷いレモン水の入ったコップを人数分出す。
皆、ゴクゴクと喉を潤すと「フー」っと息をつく
商人
仕込みも炊飯も最初に比べたら十倍はしてんのに夕方には完売や
と言うてコレ以上増やすんは時間も人も足りんなぁ、ホンマやでしかし・・なあ、お師匠はん
平田
うーん、そうですねえ
人、雇いますか。
侍
そうじゃな、少し人手不足ではあるな
かと言って厨房には入っては貰いたくは無いのう
町人
ここの調理方法はあっし達の物でぃ、誰でも彼でもってのは気にいらねぇなぁ。
平田
御三方以外には伝えるつもりはありませんし、それが女神様の意志です。
商人
それ聞いてほっとしたわぁ
ほな、お茶汲みと番頭だけでも雇ったらどないです?
侍
うむ、それならば師匠も厨房内で調理に専念出来る。
良案では無いか?
平田
〔うん、ウエイトレスとレジ係は欲しいな〕
そうですね、ただ人の伝が無いのでどうしましょかね。
侍
なら、わしが信頼出来る者を一人連れて来よう
商人
それやったらワテも算盤を弾けるん連れてきますわ
平田
二人共、計算と注文取りと品出しが出来る人が良いですね。
町人
綺麗所が良いねぇ!
野郎ばっかりだしなw
平田
取り敢えず賄いにしましょう!
今日はお願い出来ますか?
町人に振ると残った食材を確認しながら何かを作り始める。
侍と商人は「ふーむ」と少し人選について考え込むのであった。
暫くして賄いが完成した、チキンカツと唐揚げが乗ったカレーライスであった。
商人
コレは贅沢やな
侍
賄いだからこそ許される贅沢であるなw
町人
前からコレを食べて見たかったんでw
みんなで食べてると天啓が聞こえる。
女神様
うん、コレ行こう!唐揚げと鶏かつのかれぃ飯 25文!
明日からね。
あ、雇う人の面接は任せるから雇用条件も考えといて!
じゃあね
平田
え!?条件?
賃金とかって・・ああ、もう連絡つかないし・・
商人
丁稚奉公で考えたら住み込みやったら給金は無いんが普通でっせ、たまに小遣い程度をあげるっちゅう感じやね
侍
うむ、一人前になるまでその様なモノじゃな。
町人
って言うかここに住めるってんなら丁稚奉公も極楽ってもんでさぁ!
平田
うーん、暖簾分け出来ないから一人前には慣れないんだけど・・
町人
お師さん、普通の考えで行きゃ、家の食扶持減らしで叩き出されるのが当たり前でさぁ、それだけで親も子も感謝ってもんですぜ?
侍
で、あるな
まあ、師匠の考え通りで構わぬ故、好きに致せば良いのでは無いか?
商人
そやな
食べ終わったら、取り敢えず手頃なんおるか御店に言ってきますわ!
侍
うむ、ワシも屋敷に行ってくるとするか
平田は現代との雇用体系の違いに驚きつつどうしたモノか長考状態になるのであった。
最新版御品書
鶏かれぃ飯 十二 文
鶏かつぱんはさみ 十六 文
鶏かつ定食 十八 文
鶏かつかれぃ飯 二十 文
鶏唐揚定食 十九 文
鶏唐揚かれぃ飯 二十一 文
親子丼 十五 文
唐揚鶏かつかれぃ飯 二十五 文
不定期UPです。
誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。 空銃