和の味
玉子と鶏の料理と言えば
前回からの続き
玉子料理を終業後の賄いに出す事を約束した平田が作り出したのは・・
平田
出来ました。
厨房の調理台兼賄いのテーブルに4つ料理が並ぶ
商人
丼物でっか?
侍
これが玉子料理
町人
蓋つき丼に味噌汁に漬物かい?
平田
親子丼って言います。
ま、食べてみてください。
みんなで頂きますを言うと各々は蓋をパカッと開ける。
中身は一面の黄色い玉子が見える。
中央には汁用の三つ葉が散らされていた。
侍
うむ、どれどれ
おっ!
町人
よし、あっしも
ほう!
商人
よっしゃ、どないや
なるほどな!
平田
どうです?口にあいますか?
商人
何や、不思議な感じっちゅうか、うん
町人
こいつぁ、毛色が今までとは違いやすね。
平田
?
どう言う事でしょうか?
侍
何と言うかの、師匠の作る料理は異国情緒を感じる物ばかりであったが・・
町人
そうそう!いつも食べてる味に近いって事でぇ
平田
ん!ああ、和食の味って事かぁ
確かに味付けは出汁に醤油、それにとき卵に鶏肉
商人
これは良えわ!うん、優しい味やね。
侍
うむ、親子丼はワシのような年寄りがいっぱい食べても胃もたれせん味であるな。
平田は親子丼が自分が思う以上に和食なのに今になって気付く
「なるほど、親子丼は優しい味か・・そう言えば子供や年配者に人気のある丼だったな」
商人
これは女性に受けんのちゃうかな?
平田
〔確か1800年代に確立した料理だから和食チックなのかな?〕
侍
うむ、これは幾らで?
平田
え?賄い専用じゃ・・
女神様の天啓が聞こえる
「漬物付きで十五 文、明日から行こう!」
平田
えー、連日のメニュー変更?
女神様
はいはい、ちゃっちゃと値札直す!
平田
はい、喜んで・・
こうしてまたメニューが増えるのであった。
現在の御品書
鶏かれぃ飯 十二 文
鶏かつぱんはさみ 十六 文
鶏かつ定食 十八 文
鶏かつかれぃ飯 二十 文
鶏唐揚定食 十九 文
鶏唐揚かれぃ飯 二十一 文
親子丼 十五 文
不定期UPです。
誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
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