お題は玉子料理
連続投入
一夜明けて、連日の新メニューに調理現場では下拵えに余念が無かった。
いつもよりカレーと唐揚げのタネを多く仕込んでいく、また、それに併せて炊飯量を増やす
商人
よっしゃ!お師匠はん、炊き上がったで
今日の朝はあっさりした物が良いと言う事で、丼に卵かけご飯と味噌汁と漬物を賄いにする。
侍
うむ、浅漬けに糠漬けに卵かけご飯に味噌汁・・馳走に慣れ過ぎておったがこれも美味い
町人
確かに!
これはこれで充分にご馳走だ
商人
確かにそうでんなぁ、朝から玉子付きの丼飯が腹一杯食えるんや
平田
個人的には朝はしっかりと食べておきたいですね。
料理人はお昼や夕ご飯がいつになるか分からないからね。
町人
おう、それそれ、空腹時に料理ってのが空きっ腹に堪えやがる
侍
で、あるな
されど、少し惜しいのう
商人
何がでっか?
町人
?
侍
いや、折角新鮮な玉子が有ると言うのに鶏かつのぱん粉の繋ぎにしか使うておらんのが、ちと、惜しいと思っての
町人
そう言われりゃ、そうだ
お師さん、なんか卵を使った料理って無いんですかい?
平田
卵料理?いっぱいありますけど・・
〔オムライス、オムレツはやり過ぎかな?出し巻き卵や目玉焼きはあると思うしピカタとか?〕
そうですねえ、鶏ばかりなんで考えてみますね。
侍
ほう、これは次の賄いが楽しみであるなw
おっ、そろそろ店先が賑やかになってまいったの
町人はおし!と言うとご飯を書き込む
町人
ご馳走さん!あっしが暖簾、出してきやすぜ!
商人
今日も気張って捌くでぇ!
そう言うと味噌汁でご飯を流し込む
侍も食べ終わり平田を見ながら言う
「新たな品も追加した事であるし、いざ出陣じゃな」
平田
よし!頑張りましょう!
町人が戻るとお客が流れ込んできた。
平田は水を出しつつオーダーを摂っていく
町人客
あっ!鶏唐揚かれぃ飯だぁ?
こいつはやられた!
一つ、頼むよ
同心客
こっちもそれを頼む!
岡っ引き客
あっしも同じのを!
鶏唐揚かれぃ飯の滑り出しは良好だ
店は回転率が凄まじく、厨房も店内も鉄火場の如く熱気に包まれた
疾風怒濤の時間が過ぎ夕方になると多めに仕込んだカレー、カツ、唐揚げと完売する。
平田は暖簾を仕舞い、最後のお客様を見送ると戸締りをする。
厨房では山になった洗い物を侍が洗い、町人が吹き上げていた。
商人は売上金の計算に入っていた。
平田
玉子料理の賄いを作らないと・・うーん、ご飯だけかぁ
食材をみてみると玉子、パン粉、鶏肉に調味料
平田は調理に掛かる。
「出来た!けどまた鶏料理かぁ」
侍
あれは何と言う料理かの?
商人
もう、お腹が・・
町人
お師さん、早く食わせてくんな
気付けば三人共、直近の仕事を終わらせて空腹をおさえて待っているのであった。
さて、どんな料理が出来たのだろう?
不定期UPです。
誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
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