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5/10

【番外編】

前話で出た小学校の話です。

テスト前で時間取れなくて1話が短くてすみません汗汗

【小学校の話】


小学四年]


「おまえ、ぶっさいくー!!」

「女子がかわいそーだから顔見せるなよな!」


ぼくは、ぶさいくなんだ。

ぼくが顔を見せたら、女子がかわいそうなんだ……。


♢♢♢


「ゆうまー、髪切りに行くわよー!!」

「いやだ。いかない」


お母さんが髪切りに行こうって最近うるさい。

ぼくが髪を切ったら嫌な気持ちになる人がいるんだ。

ぼくは、髪を切りたくない。


みんなと、普通に話したい。


♢♢♢


「お前いまなにしてるの?」

「え、いや別に何もしてないよ……?」


「お前息もしてないのー!? やばー」

「え、やばー」


ケラケラと笑い声が教室を包む。

笑い声に押しつぶされるぼくは、教室には居場所がないのかな。と思った。


「あんたたち! ゆうまくん困ってるでしょ、やめなさいよ!」

「げっ。ミカ」

「げっ。てなによ、みんなで一人をいじめてだっさいの!!」


ぼくを庇ってくれるこの子は、むらたにミカちゃん。

正義感が強くて、ぼくはミカちゃんに守られていた。

男なのに。と恥じることもあるが、いつのまにかぼくは彼女に好意を抱いていた。


「ミカちゃん、ごめんねありがとう……」

「あなたも言い返しなさいよねっ! ほんとにもう」


そういうミカちゃんからはぼくのことを心配してくれているのが伝わる。

彼女の優しさにぼくは甘えていた。


ある日の放課後。

ミカちゃんに話があると、ぼくは止められた。

教室で待っていると、みかちゃんが来た。


ぼくは、いつも守ってくれるミカちゃんは、ぼくに“とくべつなきもち”を抱いていると思っていた。

相思相愛ってやつなのかもしれない。ぼくは、どこか舞い上がっていた。


「ミカちゃん、どうしたの?」


緊張のせいかうわずった声で、ぼくはそう聞いた。


「あのさ、私はいじめられているゆうまくんが可哀想だから言ってるだけで、好きとかじゃないからね」


え……?

あぁ……そうなのか。舞い上がってるのもぼくだけで、彼女はぼくのことやっぱ特に何も思ってないのか……。

やっぱこの顔のせいなんだろうな。


「なよなよした男の子はあんま好きじゃないの」


最後にミカちゃんはそう言って去っていった。

教室にひとりポツンと残ったぼくは、悲しい気持ちになりながら家に帰った。



時が過ぎるのは早いもので、俺ももう小学六年生だ。

なんなら、来月には卒業式だった。

インフルエンザの季節になるとつけるマスクをつければ、口元も隠れることに気づいた俺はマスクも常時つけていた。


ミカちゃんへの好意は、そう簡単に冷めるものではなかったらしく、まだ好きだ。

中学校は、別になるかもしれない。

俺は、この気持ちを一回でも伝えておきたいと思った。


思い立ったが吉日。

放課後ミカちゃんを呼んだ。


「どうしたの?」


そう聞くミカちゃんに、俺は想いを伝えた。


「いつも守ってくれててありがとう。ずっと、好きでした」


俺がそう言うや否や、彼女は驚いたような顔をしたあと、少し悲しそうな顔をして、こう言う。


「ごめん。私はだいちと、付き合ってるからその気持ちに応えることはできない、でも嬉しいよ、ありがとう」


俺の初恋が終わった。


と同時に、『あぁ、そっかそんなもんか』とおもった。


だいち、とは。俺のことをいじめていたグループの筆頭。

いつもミカちゃんは、だいちから俺を守ってくれていた。


そんなミカちゃんはだいちのものなのか……。


すごく残念な気持ちになった俺は、次の日からミカちゃんに関して何も思わなくなった。





小学校:

「なにしてるの?」

「息してる」


中学校:

「なにしてるの?」

「ATP作ってる」


進化(°▽°)


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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですね~ 物語にすんなり入っていけます(*^^*)
[一言] この娘含めて過去に会った娘と再会したりするのかな。 最後まで誰にも絆されない姿も見てみたいけど、今後の主人公の動きが楽しみ。
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