プロローグ
一年前に書いていた小説なのですが、一人称が『僕」と『俺』で混ざってたり、一文がすごく長かったりwすごくグチャグチャだったので整理しつつ上げていきます。
最終話までの一年前のやつは一応持っているので、直しつつ少し不定期ですが上げていきます。
もしよろしければブクマをつけて待っていただけると幸いです。
ジリジリと押さえつけられるような不愉快な暑さを肌に感じながら茂った木々の中の道を歩く。
今思えば"あの日"も、このような気候だった気がする。
これだからこんな日は嫌なんだ。
思い出してしまったら、この全ての彩りのある風景、人生がまた脱色した風景へと変わってしまうから……。
♢♢♢
「お〜い村山! 昼飯一緒食おうぜ!」
「ああ。いいよ」
彼は高村寿人。
素っ気ない俺とも一緒にいてくれる友人。
彼は完璧人間。パーフェクトヒューマンであり、俺とは真反対である。
例に、彼は男の俺から見ても目を吸い寄せられるほどの美しく整った美顔である。
それに対して俺は、これと言って特徴のない安っぽい顔である。
そしてとても優しい。周りもよく見えていて気遣いもできる。
俺はというと、手に持ってる消しゴムを『どこだどこだ』と探すくらいにはなにも見えていない。
そんな真反対な俺らだが、うまく凹凸がはまったのか。とても馬が合う。
だが、俺には許せないことがある。
それは……こいつには彼女がいるということだ。
それも、ものすごく可愛い彼女なのだ。
しかもところ構わずイチャイチャイチャイチャ。
非リアの俺の身にもなって欲しいものだ。
と、寿人の彼女のことを考えているとあることに気がついた。
こいつ、彼女いるのになんで彼女と食わないんだ……?
ふっは、ふふははは。
心の中で気持ち悪い笑い声をあげる。
俺は察してしまった。
きっと最近うまくいってないのだろう、うんうん。
お前ばっか可愛い彼女といちゃつくのは嫌だったからな。
なんて思いながら聞いてみる。
「そういやお前彼女と食べないでいいのか?」
「ああ。琴美は、友達と食べてるよ。いや、食べさせてるよ」
なんだと、こいつは彼女がいて、別に喧嘩してるわけでも、うまくいってない訳でもないのに、俺と食べているというのか……。
これが勝者の余裕というやつか。
自分から聞いておいて傷ついた俺は、理由を問う。
「俺だったら彼女と食うけどなぁ、なんで俺となんだ?」
「お前と食べたいから……かな?」
ちょっとだけゾッとする感覚を覚えた俺は反射的に叫んでいた。
「お前は琴美だけでなく俺まで狙うのか?!」
「狙わねぇよ!」
ま、まぁ流石に違うよな。なんて思っていると隣から可愛らしい声がした
「そうなの? 寿人? まさか寿人が祐馬を狙ってたなんて……」
いやいや、『いつの間にいたんだよ!』と叫びたくなるが俺が話に入っても……と思ったのでぐっと堪える。
「いや琴美。俺は祐馬なんか狙ってないないからな?」
「"なんか"ってなんだよ"なんか"って!」
と思ったが我慢できなかった。フラグクラッシャーへの道は遠いようだ。
「俺の視線は琴美に釘付けだよ。ってな」
「あら」
彼女の琴美の顔が真っ赤に染まる。
教室、というか非リアの俺の前でやらないでくれ。
これを見せられる俺の身にもなれよ。
これが俺が冒頭で語ったやつである。
腹が立った俺はむしろ壊してやろうと叫ぶ。
「おい! 俺を無視してイチャイチャすんなよ!」
「そうだったな……すまない。お前は確か"彼女いない歴=年齢"だったな。その前髪といつもつけてるマスクを外せばもてると思うんだけどな……」
き……貴様!!
「お前は俺の触れてはいけない逆鱗に触れてしまった。さて、コンクリートの海にでも沈めてやろうか。つーか外したら余計誰も近づかねぇよ」
だって俺がこの格好なのにも……。
「冗談だって。そう怒るなよぉ」
「痴話喧嘩ですか?」
「「いや、お前が言うなよ!」」
「だって寿人くんは祐馬のことが……」
「いや違うからな?」
「グスン グスン 私のこと捨てちゃうの?」
「グスン って自分で言ってる人初めて見たわ」
「逆にお前みたいに可愛いと俺が捨てられないか心配だよ」
「そんなぁ。寿人こそ超カッコいいよぉ」
「だーかーらー。俺の前で喧嘩するなーーー!」
こいつらは目を離すとすぐイチャイチャする。
しかもまた俺のツッコミを無視しやがって。
「みんな席つけー。授業を始めるぞ」
「「ゲッ先生!? 飯まだ食ってねぇ!」」
そして、この後俺にはにわかに信じがたい出来事があることをこの頃の俺はまだ知る由もない。
なるべく急いで更新していきますが、他連載とテストを優先します。
不定期になる可能性があるのでブクマをつけてお待ちください。
すみませんお願いしますm(__)m