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#192 兵站

 僕は今、リニア列車に乗り込んでいる。

 と、言うのも、これからこの艦の艦橋に出向くためだ。この大戦艦の艦長であり、この艦が属する第7艦隊の艦隊総司令官であるナポリターノ大将から、呼び出しを受けた。

 第1艦隊のコールリッジ大将、第4艦隊のアントネンコ大将、第5艦隊バッカウゼン大将に続く艦隊総司令官との接触。一体、どんな人なのだろうか。名前からするとイタリア出身のようだが、イタリア系の人物といえば、マリカ中尉にカンピオーニ准将と、あまり良い印象の人物がいない。このため、自然と構えざるを得ない。

 いや、待て。仮にも大将閣下となられたお方、そのような人物が、おかしな人物であるはずがない。と、思ったところで僕は、ふと思い直す。大将閣下こそ、おかしな人物が多くないか?コールリッジ大将に、アントネンコ大将など、その典型だ。バッカウゼン大将はあの2人に比べれば常識人のようだが、僕の中では好印象とは到底言いがたい。

 うーん、困ったな。これから合う人物に対し、好材料が見つからない。だが、マイナスかけるマイナスはプラスというし、それに、これほどの大戦艦の指揮を任された人物だ。うん大丈夫だ、多分。

 あまり悪い方の予感は、しない方がいい。したところで、相手を変えられるわけではないのだし、無駄な行為だ。それから僕は、あれこれと考えるのをやめた。


「提督。何か、考えておられたのですか?」


 と、声をかけるのは、隣に座るヴァルモーテン少尉だ。


「なぜ、考え事をしていると思ったのだ?」

「いえ、とある士官からいつも、提督は変態的思考の持ち主だと伺っているので」


 とあるって、そんなことを口走るやつは、1人しかいないじゃないか。ジト目でこちらを伺うヴァルモーテン少尉だが、悪いが僕は貴官に対し、そのような感情を抱くことはできない。


「ああ、デネット様と同席だったらよかったのに!」


 で、すぐ後ろでは、もう一人うるさいのがいる。マリカ中尉だ。その隣には、ジラティワット少佐が座る。おそらく、僕と同じで、不快な表情を浮かべていることだろう。

 我が第8艦隊司令部で、この戦艦ゴンドワナの第1艦橋へと向かうことになったのだが、その際にヴァルモーテン少尉とマリカ中尉を並べるのはまずいだろうということになり、こういう配置になった。

 あの二人が揃うと、いつも罵り合いになる。対立しても罵り合い、意気投合しても罵り合う。いつもの駆逐艦0001号艦ならばともかく、ここは地球(アース)001の船の中だ。彼女らがよく罵る対象としているイギリスやフランスなどの欧州各国の出身者が乗っていないとも限らない。それゆえ、気を遣わなければならない。

 そんな殺伐としたリニア鉄道旅行も、1時間ほどで終わる。車内のアナウンスが、その旅の終わりを告げてくれる。


『まもなく、第1艦橋駅に到着します。お出口は右側です。艦隊司令部、および艦内自治庁舎へお越しの方は、1番出口をご利用ください。ご乗車、ありがとうございました』


 やがてこの列車は、明るいホームへと滑り込む。静かに停車し、扉が開く。ややこじんまりとしたホームから、改札口につながる細いエスカレーターに乗り込む。


「巨大戦艦の艦橋につながる駅だというのに、ちっぽけな駅ですね。それに、このエスカレーターのなんと狭いこと。誰ですか、こんなものを設計したのは?」

「どうせイタリア人ではありませんか?パスタを好むくらいですから、あれが通ればいいやくらいの感覚で作られたのでしょう」

「そりゃあ、ドイツのように図太いフランクフルトソーセージを好む連中と違って、繊細な心と技術を持つ民族ですからね。あのように細くとも、歯応えのある食べ物を作り出せる文化のもとに生まれて、私は幸せですわ」

「おやおや、そのわりには、大味なケチャップ野郎な伴侶をお持ちで。その繊細さとやらは、どこに捨ててきたんですかね?」


 ほら、始まった。こいつらは、混ぜると危険だ。ろくなことを口にしない。


 車内の案内通りに、1番出口を出る。そこには少し開けた空間があって、小さな街が存在する。もっとも、小さいと言ってもそこは、通常の戦艦と同じサイズの400メートル四方、高さ150メートルの空間なのだが。

 出口を降りた場所の正面に、白いビルが見える。あれはこの艦内を統括する自治体庁舎だが、その中にあるエレベーターから艦橋内に向かうことができる。

 軍服姿の者が非軍事の行政施設に入るということに違和感を感じるものの、艦橋に向かう軍人が多いためか、ここではさほど珍しい光景ではない。一眼で軍属とわかる人々が、あの白いビルに頻繁に入る様子が見える。その後ろを、僕ら4人もついていく。

 エレベーターの前で待つ数人の士官が、僕を見て敬礼する。僕は返礼で応える。が、こういう場所であまり敬礼はしたくないんだけど……階級がものをいう世界では、反射的に行われてしまう。しかし、行政庁舎側の人々もこのやり取りには慣れているようで、特になんとも思っていないようだ。僕らの脇を、何事もなかったかのように通り過ぎる。

 さすがに建物に入ると、あの2人も静かになった。大将閣下のお膝元で、大声で騒ぐわけにはいかない。それくらいの節度は、さすがにわきまえているらしい。とはいえ、この2人が静かなのは、かえって不気味だ。他の士官らも乗り込むエレベーターの中で、僕は時々、あの2人の様子をちらちらと伺う。


「ヤブミ少将、入ります!」


 なぜか無用な緊張を乗り越えて、ようやく艦橋内にある司令官室へとたどり着く。大戦艦とはいえ、この辺りの作りはほぼ通常の戦艦と同じ。ただし、この艦橋の窓の外に広がる光景は、どこかの開拓が進んだ準惑星表面のように広大ではあるが。


「おう、きたか」


 妙に気さくに声をかけてくるのは、大将であることを示す飾緒付きの軍服を着た人物。僕らの敬礼に、歩きながら返礼で応える閣下。そして、笑顔で僕らを迎え入れる。

 妙に気さくな人物、僕のナポリターナ大将への第一印象は、それだ。ただ「妙に」という言葉を外せないのは、何か裏があるように感じたからだ。今までの大将が、そういう人物ばかりだからな。やむをえまい。


「一度、最新鋭艦を率いている第8艦隊の若き司令官に会ってみたいと思っていたのだが、まさかそんな機会が、これほど早く訪れようとは思わなんだ。まあ、座ってくれ」

「はっ!」


 うーん、ものすごく感じが良い大将閣下だ。本当にこの方は、イタリア出身か?いや、僕の周囲にいるイタリア出身者が、あまりにも特殊すぎたという話もある。


「ところで、貴官を呼んだのは他でもない。貴官の元に就くことになった新たな幕僚を引き渡す手はずが整ったので、呼び出した次第だ」

「は?新たな……幕僚ですか?」

「私は、第8艦隊の機関改良と、幕僚の取次をするようコールリッジ大将より頼まれていたが、貴官は何も聞いておらんのか?」


 いや、聞いてないな。なんだその話は。コールリッジ大将は、僕に伝え忘れたのか?いや、あの大将閣下のことだ、わざとやっている可能性もあり得る。


「いえ、小官は何も……ところで、その幕僚とは、どのような人物でしょうか?」

「うむ、兵站の担当で、大所帯となった第8艦隊に是非とも必要だろうということになってな。そこで、我が第7艦隊所属の若い士官の一人に、兵站に特化した人物がいるから、その士官を転属させようということになったのだ」


 えっ?そんな話になってたの?全然知らなかった。というか、コールリッジ大将もよく考えていらっしゃ……いや待て、どうしてそんな大事な話を、僕抜きに決めるんだ。


「もうすぐ、ここに来ることになっている。で、これがその士官の情報だ。ざっと目を通してくれ」

「はぁ……見させていただきます」


 今ひとつ腑に落ちない僕に、ナポリターノ大将は書類を僕の前に置く。それを受け取り、僕は目を通す。

 ランス・デ・ブルンベルヘン大尉、27歳。オランダ出身。うーん、とりあえずドイツとイタリア出身でないことに安心する。これなら、司令部内のバランスが崩れることはないだろう。で、兵站に関して、小艦隊での効率的運用とやらに何やら考えを持っているらしいことが書かれている。いまいちピンとこないが、それは本人に聞けと言うことか。


「大将閣下、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」


 と、そこでマリカ中尉が口を開く。


「構わんよ」

「閣下はイタリア出身と伺いましたが、イタリアのどちらの出身なのですか?」

「ああ、私はローマ近郊だよ。そういう貴官も、イタリアかね?」

「ええ、私はプーリア州の出身ですわ」

「おお、南イタリアかね。しかも、エメラルドグリーンの海を臨む地の生まれとは。私は、プーリア産のワインが好きでね」

「私もですわ!アドリア海の清浄なる潮風に清められた彼の地にて作られた、最高の一品ですわ!どこかのジャーマンポテトな土壌からは、絶対に作れないものですから!」


 さすがに、大将閣下相手にディスるわけにもいかず、ヴァルモーテン少尉はただただ耐え続けている。しかしマリカ中尉よ、あまり調子に乗るんじゃない。後でとんでもない報復をされかねないぞ。


「ブルンベルヘン大尉、入ります!」


 と、そこに例の士官がやってきた。マリカ中尉とのあの殺伐とした会話は中断し、ナポリターノ大将が応える。


「入れ!」

「はっ!失礼いたします!」


 入ってきたのは、どこか飄々とした雰囲気の士官だ。その士官は敬礼し、大将閣下と我々は、返礼で応える。


「うむ、ヤブミ少将、彼がそのブルンベルヘン大尉だ。なかなか有能なやつで、我が艦隊でも彼の提唱した兵站術を採用し、上手くやっとるよ」


 笑いながらそう語る大将閣下だが、どうもその言葉には違和感を感じてしまう。

 それほどの貢献をした人物なら、なぜ手放す気になったのか?さらにこの士官からは、あまり勢いのようなものを感じられない。本当にナポリターノ大将が言う通りの、有能な人物なのか?


「と、いうわけで、貴官の艦隊の活躍を期待しとるよ。では、アッリヴェデールチ!」


 で、その頼りなさげ……いや、「有能」な士官を「受領」したのち、我々、第8艦隊司令部一同は敬礼し、司令官室を出る。


「へぇ、兵站専門ですか」


 で、最初に口火を切ったのは、ヴァルモーテン少尉だ。


「はい、そうですよ」

「では聞きますが、このゴンドワナで、どのような兵站を行なったというのですか?」


 そういえば、ヴァルモーテン少尉も一応、兵站の担当だ。転属以来、これまでこの第8艦隊の物資をやりくりしてきたという自負がある。だからこそ、この新参者の手の内を知りたいと考えてるのだろう。


「はい、輸送艦隊を使います」

「えっ?輸送艦隊?」

「ええ、輸送艦を500隻用意し、戦艦ゴンドワナの軍備や食糧の調達を一手に担わせたのです」


 輸送艦隊か。別に珍しいものではない。戦艦ゴンドワナともなれば、500隻でも足りないくらいだろう。それのどこが、優れた兵站などと呼べるんだ?


「輸送艦隊ならば、我が第8艦隊にもありますよ。全部で10隻、今は戦艦キヨスに常駐しているはずです」


 我々の艦隊規模ならば、輸送艦はだいたい10から30隻程度が妥当だろう。物資の主力は、民間船舶だ。輸送艦は主に、戦闘時の緊急補給用に使われる。

 艦隊戦が行われた直後、すぐに敵艦隊が攻勢に出る場合に備えて、ビーム粒子などの弾薬補給のために作られたのが輸送艦だ。全長は700メートル。物資輸送のため、我が駆逐艦よりも長く、大きい。もちろん、平時にもある程度の補給任務をこなすが、役割が役割だけに、あまり艦隊から離れるわけにはいかない。ゆえに、近隣の星に出向くのがせいぜいだ。


「ですが、その10隻は、効率的に使われてますか?おそらくは、戦艦キヨスに随行していることが、ほとんどではありませんか?」

「当然です。輸送船ではなく、輸送艦ですよ。艦隊から離れるわけにもいかないでしょう」

「それはその通りですが、ゴンドワナに随行する輸送艦隊は、ほぼ稼働状態ですよ」

「それだけ、近隣の星への行き来が多いというだけでは?」

「いえ、民間船舶の荷物を、一旦、輸送艦が受け取るようにしてるんです」

「はぁ!?輸送艦が、荷物を受け取るんですか!?」


 ヴァルモーテン少尉が驚く。僕も、正直言って驚いた。何だってそんな無駄なことをするのか、と。


「なぜ、民間船の荷物など受け取る必要があるのですか?それでは、二度手間ではありませんか。民間船が戦艦に直接運んだ方が、早いというものです」

「本当に、そうでしょうか?」

「……いや、どう考えてもそうでしょう」

「ところが、そうでもないんです。やってみると、戦艦の手前で輸送艦に積み替えた方が効率が良くなるんです」

「そんなわけないでしょう。だいたい、輸送艦に載せる手間と、輸送艦から戦艦に載せる手間の二重の手間がかかるんですよ!」

「ところで、民間船舶はどうやって戦艦に荷物を移すんでしょうか?」

「そりゃあ、ドックに停泊して……」

「そのドックは、民間船舶だけで使っているのでしょうか?」

「いえ、駆逐艦も補給の際に使ってますね」

「そうなんです。ドックの空きは少ないため、意外と民間船舶は、戦艦に取り付けないんですよ。だから、無駄に外で待機していることが多いことが判明したんです」


 ああ、確かにそういう気がするな。しかしだからといって輸送艦への載せ替えの方が早くなるとは思えない。


「で、私は考えたんです。ならば輸送艦を戦艦の遥か手前で待機させておき、そこで民間船から物資を受け取り、戦艦に運ぶ。戦艦と輸送艦とは、ドックではなく専用の通路を繋げて物資のやりとりをするため、ドックを占有しない。駆逐艦との競合もなくなるため、実に効率的に物資の輸送が叶うというわけです」

「で、ですが、民間船と輸送艦との間はどう物資の受け渡しをするんですか!?輸送艦には、ドックなどの停泊施設はありませんよ!」

「元々、輸送艦には緊急補給用の通路を3、4本取り付いてます。それを民間船に取り付けることで、物資受け取り用に使うだけですよ」


 なるほど、考えたものだ。ブルンベルヘン大尉によれば、平時では数隻分の民間船の物資を周辺宙域で受け取り、それを戦艦まで運び一気に載せるということをやっているのだという。

 その方が、民間船も早めに引き返せるため、あちらにとっても回転率が上がる。

 受け取る物資は、燃料にビーム、バリア粒子などの戦時物資ばかりだそうだが、これが艦隊戦となった際に、威力を発揮する。

 戦闘が迫ると、戦闘後の緊急補給に備えて、戦艦から輸送艦にこれらの戦時物資が積み込まれる。が、この方法だと、輸送艦にはほぼ常時、その戦時物資が積まれた状態になるから、積み替えが不要となる。

 これまで、輸送艦とは軍務のみに使うものだと考えていたが、こんな使い方もあるのだと知る。このブルンベルヘン大尉という人物、なかなかの切れ者だ。


「大尉、一つ尋ねたいことがある」

「はっ、なんなりと」

「それほどの兵站思想を持ちながら、どうして今回、我が第8艦隊に転属になったのだ?」


 僕は敢えて、ブルンベルヘン大尉に尋ねてみた。彼は応える。


「はっ、単純なことです。私の兵站術は、ほとんど戦闘のない戦艦ゴンドワナよりも、頻繁に戦闘を行なっている第8艦隊にこそ必要だろう、とのナポリターノ大将閣下のご意向により、転属することとなったのであります」


 あ、なるほど、確かにこのブルンベルヘン大尉の兵站は、平時しかないこの戦艦ゴンドワナよりも、しょっちゅうドンパチをやらかしている我が艦隊の方が有用だな。なるほど、それでこれだけの人物が、こっちに回ってきたというのか。

 僕は、この転属の意図をようやく理解する。てっきり、厄介者を押しつけられたのかと思っていたが、案外、適材適所な人選をしていたのだと理解する。

 で、我々はリニア駅に向かう。その途上、ブルンベルヘン大尉は、元々我が艦隊の兵站担当であったヴァルモーテン少尉と会話している。


「ところで、ヴァルモーテン少尉は、確か、ドイツの出身で?」

「ええ、そうですよ。で、そこのひ弱そうなやつが、かのスパゲッティの国からやってきた中尉殿でして」

「パスタよ、パスタ!まるで私が、パスタの如くひ弱だと言わんばかりではありませんか!」


 いや、ひ弱だろう。むしろ、パスタの方が強く見えるほどだ。


「私はオランダのハーグ出身でして、よくデュッセルドルフには立ち寄ったものです。少尉の出身は、どの辺りなので?」

「私はドレスデン出身ですので、オランダとは反対の東側になりますね」

「へぇ、ドレスデン。てことは、マイセンの近く?」

「あの、大尉殿はマイセンをご存知で?」

「それはもう。私はマイセンの陶磁器に惚れ込んでいるので」


 ありゃ、今の一言が、ヴァルモーテン少尉の心に火を灯したようだ。


「そ、そうなのですか!?いやはや、さすがは兵站のプロでいらっしゃる!あのマイセンの良さが分かるとは!」

「長い歴史の中で育まれた白くてシンプルながら、その力ある存在感を醸し出す食器類。私も幼少の頃からそれに触れていたから、よく分かるよ」

「それはそうでしょう!いやあ、どこかの長靴のような半島の国とは大違いですよ!モノが違いますからね、モノが!」


 なんだか急に、意気投合し始めたぞ、この2人。あのヴァルモーテン少尉と息が合うとは、実に奇怪な光景だ。


「そういえば、この戦艦ゴンドワナの中にも、陶磁器の工房があるんですよ」

「えっ?工房が?」

「はい、なんでも、美濃焼の窯元の一つが、今から120年ほど前に第2ゴンドワナシティーに移住して、小惑星の土を原材料にした『宇宙焼』なるものを開拓したんですよ。それが今でも続いているんです」

「えっ!?宇宙焼ですと!それはぜひ見たいです!」


 ツボ好きなヴァルモーテン少尉は、この陶磁器の話に当然のように食いついた。だが、宇宙焼なんてものを作り出したやつがいるのか……いかにもニホン人らしい話だな。


「あらあら、大尉殿と盛り上がってますわね。とうとうソーセージ少尉にも、春の訪れでしょうか?」


 そしてその様子を、半ば冷ややかに、半ば寂しく見つめるマリカ中尉がいた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、外で待たしたままより受け取りに行った方が早いわけか。コンビニ受取りや宅配ボックスかな? 最悪、放り出してあとから回収するということもできますね。 それでも500隻もの輸送船がフル…
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